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2008-07-31

『中学野球小僧』編集部の取材日誌(7月29日)

▼ 近畿大会出場を勝ち取った2チーム!

 甲子園出場チームがすべて決まり、一年で最もアツい野球の季節がやってきました。そんな中、中学軟式野球でも全中(全国中学校軟式野球大会)の出場権をかけた地区大会が全国各地で行われています。
 今回は、全国でも有数の激戦区である兵庫県大会(7月27~29日/あじさいスタジアム北神戸)の模様をお伝えします。

 県内を8つの地区に分けて、県大会が行われる兵庫県。参加チーム数はおよそ350。この中から県大会に出場できるのは、8チーム。さらに近畿大会に出場できるのはたったの2チームです。
 今年度、見事に近畿大会出場を決めたのは、神戸市立岩岡中学校加古川市立加古川中学校。岩岡中はレギュラーのうち4人が2年生で構成されているチーム、加古川中はバッテリーを中心に勝ち上がってきた勢いのあるチームです。ちなみに岩岡中は、近畿大会出場を決めるまでに、なんと地区大会11試合を勝ち抜いてきました。この先、さらに8月5日から奈良で行われる近畿大会で3回勝たないと全中には出場できません。
 地区にもよりますが、全中をかけた予選は高校球児が甲子園を目指すよりも遙かに大変な道のりを勝ち進まねばならないのです。

      

Greeting整列してスタンドにあいさつする岩岡中の選手たち。とても気持ちのいいあいさつだ!

▼ 全国レベルのあいさつ

 過去に『中学野球小僧』で取材をしたことのある岩岡中。取材のときから感じていたのが、選手たちの礼儀正しさです。その礼儀正しさを、試合でも見ることができました。
 グラウンド整備をする大会スタッフには「整備をしてくださり、ありがとうございます」、スタンドで応援をしている人たちには「今日も応援よろしくお願いします」、「応援ありがとうございました」と、球場中に響く声であいさつをしていまいした。
 さらにビックリしたのが、選手全員が一人ずつ、「ありがとうございました」とお辞儀をして球場をあとにしていたこと。過去にも全国大会で様々なチームを見てきましたが、ここまで気持ちのいいあいさつをしているチームを見たことがありません。岩岡中を知っている人でもそうでない人も、自然と応援したくなるようなチームだと感じました。

        

▼ 岩岡中のキャプテンを直撃!

 そんな岩岡中を引っ張るのが、キャプテンの濱谷碧伊二塁手です。山内拓也監督が「10年に1人のキャプテン。チームの全員が信頼している」と評するほどのキャプテンです。
 先ほど紹介したあいさつだけではなく、プレーでもチームを牽引。「うちは守りからリズムを作ります」という言葉通り、堅実な守備を見せていました。

A_captain_hamatani 1番バッターとしてもチームを引っ張る濱谷碧伊キャプテン。シャープな打撃を見せていた
 その中でも特に印象に残ったのが、ファーストへのバックアップです。内野手からの送球を、ファウルエリアのフェンスにぶつかるくらいの勢いで走っていました。このバックアップを最終回の7回まで続けていました。
 近畿大会、さらには全国大会でもぜひ見てみたい、そんな濱谷キャプテンです。
 

★平成20年度第57回近畿大会(8月5~7日/奈良県橿原市)
※その他のブロック大会の日程等、詳しくは『野球小僧』8月号128ページをご覧ください。

(『中学野球小僧』編集部)

2008-07-30

【野球写真館】vol.221 あれから10年

 07年5月2日のブログ記事(http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/vol189_4b7a.html)から突然復活した「野球写真館」。もとは『野球小僧』公式HPhttp://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/)でひっそり更新されていたコーナーです。

 編集部写真担当“撮っとこイノ太郎”が、『野球小僧』のドラフト候補選手名鑑やスカウティングレポート用に撮り歩いた写真を紹介します。

vol.221 あれから10年Kamishige080202   

 インタビューを受けているのは内山高志という、遠からず世界タイトルに挑むであろうプロボクシング界のホープなんですが、インタビューしているスーツ姿の人、誰だかわかりますか。

 上重聡さん――10年前、松坂大輔擁する横浜高校と延長17回を戦ったPL学園で「背番号1」をつけていた男、あの試合でも登板した投手――です。その後立教大学に進み(完全試合も達成!)、いま日本テレビでスポーツアナウンサーを務めているのはご存知の人も多いでしょうが、ボクシングの仕事もしているのを見たことある人はあまり多くない…かな。

2008年2月2日、後楽園ホール(東京都)にて撮影

※このコーナーは隔週で水曜日近辺に更新いたします。

過去、このブログに掲載された【野球写真館】は→こちら
(右側の「カテゴリー」にもリンクがあります)

vol.188以前は→こちらからご覧ください


Ino●撮っとこイノ太郎(イラスト/横山英史)
 1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。山羊座のB型で、最近聞かなくなった動物占いではコアラ。『野球小僧』編集部最古参の編集部員にして写真担当。硬式歴は皆無だが、一応右投両打。10年近く前、いろんな出会いに恵まれて『野球小僧』と関わり、現在に至る。02年末に生まれた可愛くて可愛くてしかたがない長女に加え、2006年には待望の長男も誕生した。2児の父となり、公私混同にますます拍車がかかりそうな、39歳。

2008-07-29

甲子園優勝校予想大募集!

▼ブログ読者の予想校を募集します

 今年も夏の全国高等学校野球選手権大会の季節がやって来ました。
 実は昨年、甲子園に出場する代表校の予想を行ったのですが、今年は昨年を遙かに凌駕する忙しさのせいか、はたまた地球温暖化で年々気温が上昇する夏の暑さのせいか、すっかり忘れてしまっていました。スイマセン。

 そこで、遅まきながらも、今年は本大会で優勝予想を行いたいと思います。
 北は北海道から南は沖縄まで。今大会は記念大会ということで、全55代表の中からあなたが推奨するチームをコメント欄に書き込んで下さい。書き込みについては、すぐには公開されませんが、内容を確認後、1日に1~2回のペースで公開していきます。
 締め切りは、大会初日の8月2日(土)に日付が変わるまで。つまり、1日(金)の夜12時までとします。あまり時間がないですが、ぜひ、チャレンジしてください。

 募集するカテゴリーは以下の3つです。

1 優勝校ズバリ予想 …優勝予想校1校を書き込んで下さい。
2 決勝進出校予想 …決勝まで進出すると予想する2校を書き込んで下さい。
3 ベスト8進出予想 …準々決勝まで進出すると予想する8校を書き込んで下さい。

 どれかひとつを選んで参加頂くのはもちろん、2部門、あるいは全部門参加でもOKです!
 フォーマットを以下に示しておきますので、それにしたがってどんどん書き込んで下さい。

 最終的に全日程が終了した段階で、見事正解された方を当ブログにて発表させて頂きます。特に全部門にエントリーしてその全てを的中させた方には、その栄誉を“すごく”称えたいと思います(昨年同様、特にプレゼントはありません。あくまで、予想を楽しんでください)。

 また、状況に応じて途中経過も出す予定ですので、そちらもご注目ください。

 みなさまの書き込みをお待ちしております。

               

<書き込みのフォーマット>
■名前(ハンドルネームで結構です)/性別(男性・女性)/年代(10代・20代…)/お住まいの都道府県/ご出身の都道府県

1 優勝予想校名(1校)
2 決勝進出校予想(2校)
3 ベスト8進出予想(8校)

(1部門、または2部門のみのエントリーの場合はご希望の部門だけで結構です)

また、ご希望の方はひとことコメントを100文字以内でご記入下さい

高校名は多少省略されていも認めますが、基本的にはできるだけ正式名称に近いものでお願いします。ただし、●●●“高校”は必要ありません。また、商業、工業については“商”、“工”などで結構です。
(例)横浜高校→横浜、大阪桐蔭高校→大阪桐蔭、市立岐阜商業高校→市岐阜商

<書き込み例>※ちなみにこれは『野球小僧』にて「炎のストップウオッチャー」を連載中のキビタキビオ氏の実際の予想です

■キビタキビオ/男性/30代/東京都/東京都
1 浦添商
2 浦添商、報徳学園
3 浦添商、報徳学園、市岐阜商、常葉学園菊川、青森山田、木更津総合、横浜、清峰

センバツ優勝校・沖縄尚学に勝利した浦添商に期待です! エース伊波翔悟投手はキレのある速球にピンチでも使える変化球が多彩で度胸も◎。ショート上地俊樹選手の華麗な守備も注目。初戦の難敵、飯塚を突破すれば…

<ご注意>
・投稿頂いたコメント内容が、今回指定のフォーマットと著しく異なる形式だったり、主旨と異なる書き込みの場合は公開を見送る可能性がありますのでご了承ください。
・コメントの公開には多少時間がかかる場合もあります。すぐに表示されない場合でも、何度も連続して投稿なさらないようご注意ください。

        

(編集部・高校野球担当)

2008-07-28

下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」 第65回

 どうも、下っ端編集部員の池田です。
 ついにすべての甲子園出場校が出揃いましたね。
 今年は90回記念大会ということで、例年よりも6校多い55校が甲子園の土を踏むということで、見る側にとっては、なんともお得な大会になっています。
 センバツ上位校が次々と地方大会で姿を消し、混戦が予想される今大会。
 全国の頂点に輝くのはどのチームになるのでしょうか?
 甲子園開幕は今週末の8月2日です!

Ohma投打に可能性を秘める大澗健成投手。まだ2年生ということで、これからの成長が楽しみ!

■下っ端が広島で出会った~
 ということで、甲子園の開幕が目前に迫ってきていますが、今回は甲子園出場は逃したけど、この夏の地方予選で下っ端が見て、「ぬぉっ!」と思った選手を紹介したいと思います。
 まずは広島大会で見た大澗健成投手(呉昭和)です。
 高校進学時、多くの県内外の強豪校からの誘いを受けながらも、小川成海監督を慕って、呉昭和に入学した最速140キロの2年生右腕です。
 下っ端が観戦したのは、広島大会2回戦の対広陵戦。
 先発のマウンドに上がった大澗投手のストレートは目測で130キロ中盤といったところ。
 この日も四死球を連発するなど、全体的に粗さが目立ちましたが、183センチで体も大きく、まだまだパワーがついてきそうな印象。
 ちなみに下っ端はピッチャーよりも、バッターとして打席に立った時の大澗選手に「ぬぉっ!」と感じるものがありました。
 この日は4打数2安打で、2回に巡ってきた2アウト満塁のチャンスでは、ドラフト候補としても名前が挙がる中田廉投手からキレイにセンター前タイムリーを放っています。
 投打ともに今後の成長が楽しみな存在です。
 呉昭和では、1番サードの風呂光浩介選手もシャープなバッティングが光っていました。
 風呂光選手は1年生です。
 部員18名中17名が1、2年生という呉昭和自体も今後、間違いなく強くなってくるであろう要注目のチームです!

Araki最速148キロを記録した荒木将投手は高校球界きっての筋力の持ち主だ!

■下っ端が山口で出会った~
 山口では、2回戦でセンバツ出場の下関商とドラフト注目の2枚看板・荒木将投手田中皓士投手を揃える西京が激突!
 この試合では、やはり西京の2枚看板が「ぬおっ!」と言わせてくれました。
 先発の荒木投手はこの日、最速148キロをマーク。
 さすが高校球界きっての身体能力の持ち主です。
 初回に2点を失うものの、ストレートの球威、変化球のコントロールともに光っていました。

Tanakaこちらは最速149キロの田中皓士投手。左腕の使い方が独特で面白い!

田中皓士投手はさらに上をいく最速149キロを記録!
 グラブをはめた左手の使い方が独特なフォームと気迫のこもったピッチングが印象的でした。
 ちなみに2人の間で登板した井上歩選手も左腕から140キロのストレートを繰り出していました。
 140キロオーバーの投手が3人もいるなんて贅沢な話ですね。
 荒木投手も田中投手も3年生なので、この先の進路が気になるところ。
 下っ端としては是非、上のレベルで活躍する姿を見てみたいものです。
 2人の進路にも注目ですね。

池田勇樹(いけだ・ゆうき)
▼1983年生まれ、東京都出身。編集部員。右投右打。180センチ90キロ。都立国分寺高から法政大を経て、2006年4月白夜書房にテスト入団。同7月『野球小僧』編集部配属。酒と読書と筋トレをこよなく愛す。いろいろあって、いつにもまして飲んだくれの日々を過ごす。最近の口癖は「酒や! 酒持って来い!」。折れた肋骨がなかなか治りません…。

※池田くんの記事に対するコメントを募集しています
ご意見、励まし、質問等々何でも構いません。ぜひ記事下のコメント欄にお書き込みください。本人が誠心誠意を持ってご返答致します。(誹謗、中傷、記事と関係ない広告等については、編集部の判断で承認を見送ることがありますのでご了承ください)。

2008-07-25

高校野球映画「ひゃくはち」8月9日公開

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▼高校野球ファンには必見の野球映画です

 現在、夏の高校野球は地方大会が大詰めを迎えている状況ですが、甲子園での選手権大会真っ只中の8月9日から野球映画「ひゃくはち」が公開されます。
 この作品は、既に書店で小説版が発売されていますが、それをそのまま映画化したということではなく、原案の時点で小説化と映画化が別途行われるという流れで生まれました。そのため、小説と映画では共通するところは多々あるものの、テイスト自体は全く違うものとして仕上がっています。
 今回、この映画の公開に先立ち、試写会の方を拝見させていただきました。
 実際に見た率直な感想としては、これまでの野球映画にないリアルな高校野球の世界が完璧に表現されおり、納得のいくシーンの連続に驚かされました。
 そんなリアルな中にも泣かせる場面が随所にあり、高校野球ファンの心を大いに打つ作品だと思います。

         

▼良くも悪くもリアルな設定

Bg111左から順に純平(高良健吾)、雅人(斎藤嘉樹)、ノブ(中村蒼)、健太郎(北条隆博)。物語は雅人とノブを軸に、寮の4人部屋のルームメイトで部の幹部でもあるこの4人が絡んでくる

 さて、そのストーリーですが、神奈川の名門高校野球部に入部した雅人とノブが、キャプテンの健太郎や大阪からやって来たドラフト候補の純平らと甲子園を目指すという内容です。
 ただし、これまでの高校野球映画と違うのは、ダブル主人公の雅人とノブが試合に出るどころかベンチメンバーに選ばれるかどうかもギリギリの「控え選手」であるというところ。細部を紹介してしまうとネタバレになりますので、詳しくは劇場で…ということになりますが、雅人とノブが名門野球部の「控え」という立場ながらも「ベンチ入り」という最大の目標に向けて、時には明るく、時にはあざとく、そしてついには僚友との袂を分かつことになっても歩んでいく…そんな姿を見ることができます。その根底には、「なぜ野球を続けるのか?」「その先に何があるのか?」という疑問に対する答えも隠れていると言えるかも知れません。

 また、現代高校野球の実情に可能な限り迫った設定や表現にこだわっているのも、この映画のポイントです。控え選手だろうとレギュラーであろうと同じ学年の選手同士で分け隔てはいっさいなく、お互いになくてはならない仲間として接しているところや、監督のことを「裏のあだ名」で呼び合っているところ、また、試合中のサイン解読などなど…。中には高校野球界の裏事情が見え隠れする際どい場面やセリフもあり、「エースで4番が主役」「汗と涙と青春」「ひたむきな努力」などといった古くさいながらもいまだにイメージとして定着している高校野球の偽善的な理想像は根底から打ち破られることでしょう。

      

▼野球指導はなんと「タイツ先生」が担当!

 そして、もうひとつ。この作品にはなんと、「タイツ先生」こと吉澤雅之氏が野球指導として参加しているのです。
 当初は野球経験者の中からメインキャストを選出する予定だったそうですが、オーディションで適役が見つからず、結局、主役の雅人とノブ役と登場頻度の多い健太郎、純平役の4名は野球経験のない俳優4氏となりました。
 そこで、指名されたのがタイツ先生。野球未経験者の4人を1カ月半かけて経験者並みの動きができるように指導したそうです。
 実際にスクリーンで彼らの動きを見ていても、少なくとも未経験者とは思えないほど。それだけしっかりした「形」ができていました。さすがタイツ先生!

 また、監督・脚本・編集を1人でこなした森義隆氏自身が名門高校野球部の出身者ということもあり、練習のシーンは前出の4名以外の他の野球部メンバーは全員野球経験者を揃え、実際の部活さながらにアップ、キャッチボール、トスバッティング、そしてシートノックという部活さながらの進行。その間3台のカメラを回しっぱなしにして撮影するという徹底ぶりだったそうです。その甲斐あって、本当にリアルな練習シーンに仕上がっていました。

      

▼劇場公開は8月9日からPh1

 ということで、『野球小僧』読者のような「レベルの高い野球ファン」にも、編集部が責任を持ってお薦めできる高校野球映画「ひゃくはち」。
 8月9日より、テアトル新宿ほかにて全国で公開されます。

 この映画の詳しい情報や上映スケジュールなどを知りたい方は、下に公式サイトへのリンクと、期間限定で予告編のリンクも右側に添付しますのでご覧下さい。

 この夏は、実際の甲子園の試合をみて、さらに映画「ひゃくはち」をみて、野球熱をさらにヒートアップさせましょう!

      

■映画「ひゃくはち」公式サイトへのリンク
http://www.108movie.jp/index.html

        

(編集部・田中)

2008-07-24

『中学野球小僧』の取材日誌(7月24日)

Tights_and_nishio_teachers次号の「タイツ先生の出張ストレッチ塾」は東京・上一色中にて行われた。事前ミーティングにも自然と力が入る西尾弘幸監督(写真左)とタイツ先生

▼暑い夏にはストレッチ!

 高校野球の都道府県予選も大詰め、厳しい暑さが続いています。みなさん、夏バテなんかしていませんか? 先日、取材で会った内科の先生が「暑いときはムリをせず、室内でやれることをやった方がいい」と話していました。都会の夏は、それほど厳しいんだそうです…。
 さて、室内でやれるといえば、ストレッチ。ストレッチといえば、そう、タイツ先生です!

            

▼熱血・タイツ先生に感動!!

 7月某日、東京都江戸川区立上一色中学校グラウンドにて、「タイツ先生の出張ストレッチ塾」が開催されました。
「みんなの知りたいこと、悩んでいることを解決したい」というタイツ先生の要望により、開催1週間前に書いてもらったアンケート。「股関節の使い方が知りたい」「肩甲骨をもっと使えるようになりたい」など、とても中学生とは思えない高度な要望がびっしり。それもそのはず、上一色中を率いる西尾弘幸監督は、タイツ先生の大ファン! 選手への指導は「股関節」「肩甲骨」など細かい部分にまで及んでいるのです。
 当日は、予定の2時間を超える熱血指導。約60名もの選手たちを前に、全身を使い、声を張り上げ、汗を飛び散らせるタイツ先生に、選手も西尾監督も圧倒された様子でした。

Teacher_tights講義中に自らデモンストレーションをするタイツ先生。全身全霊を込めてバットを振る

 西尾監督は「雑誌で見るとさらっとやってる感じですが、ものすごく体を張ってるんですね。タイツ先生の、生き様を見せてもらいました!」と感激。タイツ先生の熱気を浴びた選手たちは、最後のあいさつが終わった後も、グラウンドに残って体を動かしていました。

 今回のストレッチ塾の内容は、8月9日発売『中学野球小僧』9月号で公開します。汗が飛び散るタイツ先生の熱血指導に、どうぞご期待ください!

(『中学野球小僧』編集部)

2008-07-23

下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」 第64回

 どうも、下っ端編集部員の池田です。
 九州・中国地方への長期遠征で、コンガリと日焼けして、食べごろの美味しそうな色になっちゃいました~。
 行く先々で美味しいお酒や料理を腹いっぱい堪能したのですが、炎天下の球場で人間ナイアガラの滝状態で汗の雨を降らせていたので、元よりもスリム(?)になって東京に帰ってきました。
 あとは隣で一緒に飲んでくれる人がいれば最高なんですけどね…。

Onedraft男前集団・ONE☆DRAFTの皆さん。右からRYOさん、MAKKIさん、LANCEさん。LANCEさんの手には……。

■一人口ずさむラブソング
 九州・中国地方遠征から戻ってきた翌日18日は8月9日発売の『中学野球小僧』9月号の取材で、3人のメンバー全員が帝京高校野球部出身のヒップホップユニット・ONE☆DRAFTの皆さんに、それぞれの中学時代の話を聞いてきました。
 メンバーの1人、MC、ボーカルのLANCEさんが無類のチョコレート好きという情報をキャッチした下っ端は、コンビニで「たけのこの里」を大人買いしてから取材場所に向かいました~。
 その「たけのこの里」のおかげかどうかはわかりませんが、メンバーの意外な中学球児時代の話から、知られざる帝京ウラ話まで飛び出して、非常に楽しい取材になりました!
 人のよさそうな見た目のさらに100倍くらい人のいいMAKKIさん、坊主頭とクールな声がセクシーなRYOさん、1000の珍エピソードを持つ男LANCEさん、皆さん、それぞれにステキな男前でしたね~。
 下っ端もあんな男前になりたいもんです。

 ちなみにこの日の取材までに、夢に出てくるくらいONE☆DRAFTの曲を下っ端。
 2ndシングルの『ラブソング』は今の下っ端の状況にピッタリで、涙なしでは聴くことができませんでした。
 次は是非、ライブにお邪魔して生歌で聴きたいですっ!
 チケット取れるかなぁ~。
 皆さん、8月9日発売の『中学野球小僧』9月号をお楽しみに!!

池田勇樹(いけだ・ゆうき)
▼1983年生まれ、東京都出身。編集部員。右投右打。180センチ90キロ。都立国分寺高から法政大を経て、2006年4月白夜書房にテスト入団。同7月『野球小僧』編集部配属。酒と読書と筋トレをこよなく愛す。先日のバイク事故で骨折した肋骨がなかなかよくなりません。くしゃみをすると失神するくらいの激痛が走るので、死に物狂いでくしゃみを我慢しています。心も体も失神しそうな痛みを必死にこらえる毎日です…。

※池田くんの記事に対するコメントを募集しています
ご意見、励まし、質問等々何でも構いません。ぜひ記事下のコメント欄にお書き込みください。本人が誠心誠意を持ってご返答致します。(誹謗、中傷、記事と関係ない広告等については、編集部の判断で承認を見送ることがありますのでご了承ください)。

2008-07-22

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第83回-

Okada080722top  2006年4月1日より始まったオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。本日83回目の更新です(更新が送れまして大変ご迷惑をおかけいたしました)。

 大阪・履正社高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから、「ナニワのゴジラ」という異名がついた岡田選手。
 2005年の高校生ドラフトで、オリックスに1巡目で指名されて入団後、主としてファームで経験を積みながら迎えた3年目。ウエスタンリーグ開幕当初は好調なスタートを切ったものの、ここへ来て急失速。1軍定着へ向け、早期復調が待たれます。
 そんな「ナニワのゴジラ」が奮闘する姿を、高校生の頃から岡田選手を取材し続けてきたライター・谷上史朗氏の視線でレポートいたします。今回はどんな内容でしょうか?

        

小瀬浩之の活躍

 早いもので岡田がプロの世界に入って3度目の夏がやってきた。
 気温は上がる一方だが、ゴジラのバットはなかなか上昇気運に乗ってこない。状況は厳しいままだ。
 このところ連日高校野球の取材で出回っていたため、サーパス戦が観戦できないでいるが、残念ながら状況に大きな変化はなさそうだ。

Oze_in_kinkiuv080722俊足巧打を武器に1軍昇格を果たした小瀬浩之(写真は近畿大時代)

 そんな中、現在のオリックスではサーパスからの昇格組の頑張りが目立っている。
 先日はルーキーの小瀬浩之がお立ち台に立った。濱中治と入れ替わりで15日に1軍初昇格を果たすと即スタメンに抜擢され、4試合連続先発で出場した。19日の日本ハム戦では走者一掃のツーベースを放つなど攻守に活躍したことで、初のヒーローインタビューとなったのだ。
 そんな小瀬を近畿大時代に取材した際、岡田の話をしたことがある。
 というのも、高校時代、55本のホームランを放った岡田の第1号の相手は、小瀬がいた当時の尽誠学園だったからだ。履正社が香川にある尽誠学園のグラウンドに遠征した時に飛び出したもので、打球はライト後方にある高い木のところまで飛んでいった。この一発に尽誠の関係者が「あそこまで飛ばしたのは佐伯(貴弘、現横浜)以来」と言ったという特大弾だ。
 当時、小瀬は3年で岡田は1年。小瀬の中に「岡田貴弘」の名前がインプットされることはなかったそうだが「ああ、デッカイの打ったヤツいましたね」と、その弾道は頭に残っているようだった。
 些細なエピソードだが、小瀬と言えば、この話を思い出す。

 この小瀬が昇格する直前、共にサーパス戦に出場した清原が「デビュー当時のイチローみたいや」と小瀬を評し、そのコメントが関西圏の新聞にも載っていた。
 思えば岡田も昨年のキャンプでドラフトの注目だった中田翔(当時、大阪桐蔭)と絡め、清原が「ウチにもすごいのがおる。2人でON砲や」と宣伝していたものだった。
 今の岡田は清原の目にどう映っているのだろう。何もその評価が大事なわけではないが、思わずコメントしたくなるような、記者が聞きたくなるような活躍を見せてほしい。

       

Makita080722小瀬の他、一輝や森山周、牧田勝吾(写真)らも次々と昇格。岡田も調子さえ上向けばチャンスはあるはずだ

動き始めた「サーパス世代」

 その小瀬の4試合連続先発出場後、代わってレフトでスタメンに起用されたのが相川良太だ。
 迎祐一郎に代わって1軍昇格すると、相手先発が左ということで20、21日と即スタメン出場。このあたりは大石監督代行流の積極的な起用法という感じだが、ファームでは岡田と2人、規定打席に達していたのが相川だ。その成績は打率.270で本塁打が8本。投手陣も含めファームとの入れ替えが徐々に活発になっている今、岡田も状態さえ上がってくればすぐチャンスは巡ってくるはずだが、なかなかそこまでいけていないのが現状だ。

 今回の小瀬や一輝、森山周、牧田勝吾らの活躍の一方で、18日に田中彰がトレードで広島に移籍することが決まった。田中は法政大4年の東京六大学秋季リーグ戦で7本塁打を放ちシーズン本塁打記録を更新。右の長距離砲として期待され2004年にドラフト5巡目で入団した選手だ。
 年齢的には岡田より5つ上になるが入団4年目。今回のトレードは岡田にとっても大いに刺激されるものだっただろう。結果が出なければ、明日は我が身である。
 前回の更新以降、サーパスでの岡田の成績は、4-0、出場なし、1-0(代打)、5-2、3-0、2-2、4-0、3-0。8戦で22打数4安打。
 観戦できていないので状態については言えないが、サーパスは残り22試合。大きな好調の波が早く来てほしい。

           

「考えること」のススメ

 岡田には、技術を求める一方、同時に鍛えてほしいのが頭だ。一流選手は例外なく野球を考える頭に優れている。
 11日に昨年まで日本ハムのピッチングコーチを務めていた佐藤義則氏を取材した時のこと。話がひと段落したところから「二流と一流のバッターの違い」という話になった。元ピッチャーの佐藤氏なので、もちろんピッチャー目線からの話だが、いくつかの技術的な話のあとで頭の話になった。
 噛み砕いて言えば、状況を頭に入れて打席に立っているかどうか。相手バッテリーの心理に立って配球を考えられるかどうか、それが一流のバッターの条件だそうだ。このあたりの観察力や読みが欠けていると、「いいもの」を持っていても間違いなくバッティングの確率は下がるという。

080722saatoyoshinori投手として、またコーチとしても輝かしい実績を持つ佐藤義則氏

 昨年、39歳で本塁打と打点の二冠王に輝いた山崎武司(楽天)が野村克也監督によるID野球のもとで開眼した話は広く知られるようになったが、それがまさにいい例である。一流のバッターになるには、技術の一方で頭も磨かなければならないということだ。
 ただ、身近に野村監督のような人物がいない場合は、自分で鍛えるしかない。「プロだから…」という妙なプライドは捨てて、本を読むなり語れる人を探して聞くなり、思いつくことをすればいい。
 日本の場合、球団数も少なく、対戦する投手(捕手)も決まってくる。配球を考えることでのプラスは小さくないはずだ。
 「決め打ち」「ヤマを張る」というのではなく、野球を深く考える入り口としての配球。打者目線、自分本位ではなく、逆の立場、投手目線に立っての配球。岡田も技術を磨く一方で頭も鍛えて、何とか上昇の兆しを見せてほしい。

■2008年ファーム成績(7月21日現在)
60試合 199打数42安打 2本塁打 16打点 26四死球 50三振 打率.211

(取材・文/谷上史朗)

このシリーズは毎月1日、11日、21日頃に更新しています。次回更新は8月1日頃の予定です。

2008-07-18

リガ・ノロエステ ~もうひとつのウィンターリーグ(最終回)

 昨年10月から今年2月にかけて、当ブログにて「イスラエル野球紀行」という記事が連載されました。
(全ての記事についてはこちら→http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2140867/index.html
 イスラエルで初めて行われたプロ野球リーグを訪れ、現地の状況を『野球小僧』10月号の「ワールドベースボールレポート」に寄稿頂いた“放浪野球観戦”の第一人者・石原豊一氏が、そのときの旅の成りゆきをさらに詳しく綴った内容に多くの反響を頂きました(そのイスラエルリーグですが、資金難で開催が見送りとなっていたものの、7月から再開される運びとなったようです。よかったですね)。

 世界のありとあらゆる野球を求めて時間を作っては“放浪野球観戦”を続ける石原氏。今度は、昨年末にメキシコのウインターリーグに行ってきた際のレポートを寄稿して頂きましたが、いよいよ今回が最終回です。

 日本のほぼ反対側で行われている中南米の野球。その中でも古い歴史を誇るメキシコの野球はメジャーリーグやWBCなどで多少は知られるようになりましたが、それでもなかなか得られるものではありません。
 石原氏が自ら体感してきた貴重な生の「メキシコ野球」の雰囲気を、ぜひ一緒に味わって下さい。

         

viaje04-2 2007年12月30日/テクアラ・ブロンコス対コンポステーラ・プレロス

(プレーオフ4回戦、テクアラ・アドルフォ・ルイス・マテオ球場)

           

Map_mexico

メキシコのスカウティング

 予想だにしなかったサイン攻勢がひと段落つき、ネット裏の座席に回ると、そこには熱心にスコアをつけている白髪頭の男がいた。
 私を見つけると男の方から声をかけてきた。異邦人の私を同業者だと思ったらしい。彼はビジターチーム、プレロスの親球団、タイガースのスカウトだった。
 自分のチームの試合をスカウトが見ているというのは変な感じだが、このリーグなどの「マイナーリーグ」の選手契約と「リガ・メヒカーナ」のそれは根本的に違うのだろう。彼らスカウトは年中行われている田舎リーグに足を運んでは、ものになりそうな選手を「1軍」へと「スカウト」しているのだ。
 また同時に、彼らは各地の学校や少年野球の選手も物色して、原石を発掘する。
 この日もタイガースには、15歳の少年が帯同していた。ブルペンでピッチャーの球を受けていたが、彼は北隣のシアロア州のマサトランからクリスマス休暇を利用してこのリーグに「見習い」で参加しているのだ。
 無論選手登録はされておらず、報酬もない。アマチュア野球がさほど盛んでないメキシコの各球団はこのように少年達を発掘しては自チームのファームに送り込み、契約できるまでその適性を見るようにしているらしい。そうして発掘した「金の卵」をMLBに売りこむ、なんてことも全く可能性が無い話ではないのだ。
 というのも、「リガ・メヒカーナ」は独立したリーグとはいえMLB傘下のマイナーリーグの統括組織、「ナショナル・アソシエーション」の一員である。メジャー球団と直接ファーム育成契約こそ結んではいないものの、リーグ全体がMLBの下部組織という位置付けなのだ。
 MLB球団は「リガ・メヒカーナ」の選手が欲しい場合、その契約を買い取る必要があり、このことがメキシコ球界がラテンアメリカにあって比較的自立性を保てている要因になっている。
 その一方、自軍の選手をアメリカへ「輸出」することは、メキシコの球団のビジネスの一部でもある。例えば、プレロスには夏場アメリカでプレーしていた選手がいるが、彼の契約金の10万ドルはその多くが球団に搾取され、実際に本人の手元に残るのは4分の1の2万5千ドルでしかないそうだ。

Broncosこの日勝利したブロンコスの面々

 試合の方はというと、すでに6回裏に達していた。この回に大きな動きが生じる。
 過密な日程を避けて、プレーオフ勝ち抜けを決めてしまいたいプレロスは、小刻みな継投でなんとかブロンコスの追加点を食い止めようと目論んだが、ブロンコスはこの回、先頭打者の二塁打を足がかりにスクイズで1点を追加、最後は3番デュランのレフトへの3ランホームランで試合を決定づけたのだ。
 最終回、プレロスは先頭打者からの連続フォアボールやワイルドピッチから2点を返したが、それまで。リリーフのリラサガが、この日2安打の3番フェリックスを三振にうちとってゲームセット。ブロンコスが4タテをまぬがれて瀬戸際で踏みとどまった。

       

帰途につくスタッフ達

 試合が終わると、ビジターのプレロスの一堂は簡単なミーティングのあと、すぐに片付けに入った。彼らは無論、この町に泊ることなくこのままコンポステーラに帰るのだ。
 チームのロゴで彩られたバスに、片づけが終わった選手が次々と乗ってゆく。私も州都テピックまで乗せてもらうことになっていた。
 このバスは奥に寝台まである豪華版だ。ただし、その分座席数は少なく、選手は大きな体を小さくして席を詰めて座っている。
 早い者順なのか、選手の中での暗黙の序列があるのか、何人かはベッドに入り早速いびきをかいていた。

 出発の後、すぐにいつものようにサンドウィッチとコーラがひとりひとりに配られた。そして、バスがハイウェイに入ると、車内は静まり返り、眠りについた。
 我々が降ろされたのは、テピックの町の入口ではなく町の郊外だった。我々というのは私と共に2人のスタッフがバスを降りたからだ。
 1人はこの近所に住んでいるスカウトで、そのまま横道へ消えて行った。
 もう1人はコーチで、バスターミナルの近所に住んでいるから一緒に行こうということになった。タクシーを待ったが、市街行きのバスが来たのでそれに乗って向かうことにした。

 プレロスは「1軍」のティグレスとピラタスからの選手を受け入れているが、このコーチはティグレスの所属だ。現役時代も首都メキシコシティにあったティグレスでプレーしていたという。
 選手、スタッフの報酬の決して高くないメキシコ球界にはオフなどほとんどない。彼らは年がら年中野球を携えて広いメキシコ中を旅するのだ。
 彼が家庭に帰れるのは、この「ノロエステ」の時期だけ。2月になれば、北部ヌエボレオン州のアカデミーでルーキー達を指導、その後、春のマイナー、「タバスケーニャ」へ、それが終わると夏のマイナー「ノルテ・デ・ソノラ」で指導にあたるという。

「暑すぎるところから、寒すぎるところへ。年中大変だよ」

 確かにメキシコのマイナーは短期間でリーグを終え、場所を変えて年中行われる。灼熱のカリブ海沿岸や北西部の砂漠もあれば、底冷えのする山間部もある。過酷な環境の中、プレーする選手、スタッフはまさにこの国の野球を底辺から支えていると言っていいだろう。

 バスから降りたところは、私が最初に訪れたウニベルサリオ球場のある大学の正門前だった。数日前、ここからナイター照明を頼りにスタジアムを探し当てた、あの大学だ。
 ここからターミナルまでは、歩いても20分ほど。乗り換えのバスがなかなか来ないので、歩いて行こうかと言う私を横目にコーチは手を挙げてタクシーを停めた。
 ターミナル前まで行きタクシーを降ると、そのコーチとは握手をして別れた。そして、メキシコシティ行きのバスが出るところだったので、それに飛び乗った。

     

メキシコのプロフェッショナリズムを考える

Bad_fieldconditionフィールドには見ただけで整備が行き届いていないのが分かるような球場もあった。しかし、メキシコの選手はそんな中でもプレーを続ける

 バスの中で、この田舎リーグのことを思い出した。まさにベースボールの果てと言っていい過酷な環境だった。
 コンポステーラでの試合では、どう見てもバッターボックスの長さが足りず、打者はボックスから足を出して構えていたし、外野フェンスではペンキで書かれたスコアボードに点数を入れるため、プレー中でもスコア係がボードを並べてフィールドに突っ立っていた。
 また、テクアラ球場の内野には、割れたビンの破片が地面に突き刺さっているなんてこともあった。ここでダイビングキャッチを試みようものなら、それこそ血みどろになっていただろう。
 しかし、彼らはこんな環境の中、必死でプレーしている。その姿にはるかなメジャーリーグを夢見たひたむきさがある。
 …なんて言ってしまうときれい事に聞こえるが、現実的にはメジャーリーグへ上りつめる選手はほとんどいないのが実情で、彼らの想像の中にもそんな「外国」のリーグでプレーすることなんてほとんどないだろう。
 彼らの当面の目標は、「リガ・メヒカーナ」に上がり、そこそこの給料をもらえる身分になることなのだ。それが彼らにとって好きな野球を続け、生活の糧を得る道だからだ。

 そんなリーグに集う選手たちの姿に、日本の選手のようなプロフェッッショナリズムは見受けられない。
 しかし、過酷な環境の中、生活のためにプレーを続ける彼らもまた立派なプロである。そこにはメキシコ野球ならではのプロフェッショナリズムがある。

 この数試合で、私は確かにそれを見たような気がした。

        

<完>

         

■石原豊一(いしはら・とよかず)
1970年生まれ、大阪府出身。圧倒的な行動力で、これまでアジア、アメリカ、中南米、ヨーロッパなどを渡り歩く「流離いの野球好き」。国内はもちろんのこと、すでに世界各国200を超える球場で野球を観戦してきた。イスラエル野球リーグが開幕したときも、早速現地へひとっ飛びしたほどの行動派。

※石原豊一氏による過去のレポートはこちら

●イスラエル野球紀行
http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2140867/index.html

●北信越BCリーグ開幕レポート
http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/post_4ba1.html

2008-07-17

全国中学校軟式野球大会、組み合わせ決定!!

Zenchu_2 全国約9000校から選ばれた精鋭16校が、中学軟式日本一を競う!(写真は昨年の全中開会式)

▼夢の舞台「全中」の組み合わせ発表!

 日本全国に、約9000ある中学校の軟式野球部。部員の誰もが憧れる夢の舞台が、全国中学校軟式野球大会、略して「全中(ゼンチュウ)」です。
 出場できるのは、県大会、全国9つのブロック大会を勝ち抜いて代表権を獲得した16校。9000分の16――「中学軟式野球で全国大会に出るのは、高校野球で甲子園に出るのより難しい」といわれるほどの、狭き門です。現在、全国各地で都道府県大会が行われている最中ですが、この度、全中の組み合わせと試合日程が決定しました。
 野球を愛するみなさん、ぜひ球場に足を運んでください。「中学生の軟式野球」と侮るなかれ! ハイレベルな戦いに目を奪われること請け合いです。現役中学球児のみなさんは、野球部のスケジュール表に記入しておきましょう。
  『中学野球小僧』編集部一同、長野でお待ちしています!

★平成20年度全国中学校体育大会★
 第30回全国中学校軟式野球大会

開会式=2008年8月19日(土)16:30~ 諏訪湖スタジアム
競 技=2008年8月20~22日
会 場=長野県(諏訪湖スタジアム/下諏訪スタジアム/茅野市運動公園野球場)

◇8月20日=1回戦
<諏訪湖スタジアム>9:00~
東北第2代表 vs 中国第1代表(勝者=【A】)
九州第1代表 vs 関東第3代表(勝者=【B】)
東海第1代表 vs 開催地・長野県(勝者=【C】)

<茅野市運動公園野球場>9:00~
関東第2代表 vs 近畿第1代表(勝者=【D】)
北信越代表 vs 東海第2代表(勝者=【E】)
近畿第2代表 vs 東北第1代表(勝者=【F】)

<下諏訪スタジアム>9:00~
四国代表 vs 関東第1代表(勝者=【G】)
九州第2代表 vs 北海道代表(勝者=【H】)

◇8月21日=準々決勝
<下諏訪スタジアム>10:00~
【A】vs【B】(勝者=【I】)
【C】vs【D】(勝者=【J】)

<諏訪湖スタジアム>
【E】vs【F】(勝者=【K】)
【G】vs【H】(勝者=【L】)

◇8月22日=準決勝、決勝
<諏訪湖スタジアム>9:00~
☆準決勝
【I】vs【J】(勝者=【M】)
【K】vs【L】(勝者=【N】)
      ※試合終了後、3位表彰

☆決勝
【M】vs【N】
      ※試合終了後、閉会式

(『中学野球小僧』編集部)

2008-07-16

【野球写真館】vol.220 初サンマリン

 07年5月2日のブログ記事(http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/vol189_4b7a.html)から突然復活した「野球写真館」。もとは『野球小僧』公式HPhttp://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/)でひっそり更新されていたコーナーです。

 編集部写真担当“撮っとこイノ太郎”が、『野球小僧』のドラフト候補選手名鑑やスカウティングレポート用に撮り歩いた写真を紹介します。

vol.220 初サンマリンSunmarine080715   

 あの長嶋さんが命名したという、宮崎の「サンマリンスタジアム」に初めて行ってきました。巨人がキャンプで使用する、日本では数少ない内野も芝生という野球場。

 スタンドの上のほうに行くと、炎天下、暑いこの時期でもいい風が吹いて、とてもキモチよかったです。

2008年7月15日、サンマリンスタジアム宮崎にて撮影

※このコーナーは隔週で水曜日近辺に更新いたします。

過去、このブログに掲載された【野球写真館】は→こちら
(右側の「カテゴリー」にもリンクがあります)

vol.188以前は→こちらからご覧ください


Ino●撮っとこイノ太郎(イラスト/横山英史)
 1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。山羊座のB型で、最近聞かなくなった動物占いではコアラ。『野球小僧』編集部最古参の編集部員にして写真担当。硬式歴は皆無だが、一応右投両打。10年近く前、いろんな出会いに恵まれて『野球小僧』と関わり、現在に至る。02年末に生まれた可愛くて可愛くてしかたがない長女に加え、2006年には待望の長男も誕生した。2児の父となり、公私混同にますます拍車がかかりそうな、39歳。

2008-07-15

下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい」 第63回

 どうも、下っ端編集部員の池田です。
 全国各地で徐々に甲子園代表校が決まり始めていますね。
 目を細めて「う~ん、いよいよかぁ」と言わずにはいられない今日この頃です。
 8月9日発売の『中学野球小僧』の取材真っ只中の編集部ですが、それと平行して、熱戦が繰り広げられている全国各地の球場に飛んで行ってます!

Mishima強烈な腕の振りで奪三振マシーンと化した三嶋投手。全国の舞台で見てみたい!

■九州で豪腕投手に出会った
 もちろん、下っ端も美味しそうな野球の匂いに引き付けられるかのように、全国を回っています。
 ちなみに先週末から今週にかけては、九州、中国地方をブラリ旅。
 みなさんが知っているアノ選手から、まだあまり知られていない意外な選手までチェックしてきました。
 その中でも印象的だったのが、三嶋一輝投手(福岡工)です。
「みなさんが知っている」側の好選手ですね。
 今春の九州大会を制した福岡工のエースの三嶋投手ですが、実は下っ端、しっかりとチェックしたことがありませんでした。
 13日の明善戦で初めて生で見た三嶋投手は、2回途中からマウンドに上がり、17奪三振を記録!
 強烈な腕の振りとスライダーのキレに下っ端はぶったまげました。
 まだ全国大会の経験がない三嶋投手、全国のドラフトファンのためにも、あのピッチングを甲子園で見せてもらいたいものです。

 今回は福岡、広島、山口と回ってきました。
 他にも好選手をザクザク発掘してきましたよ~。
 今後も引き続き、隙を見つけては好選手を紹介していく予定です。
 また、夏の大会で隠れた逸材を見つけた方がいらっしゃいましたら、コメント欄に書き込んでください
 下っ端、首を長くして情報を待ってます!

池田勇樹(いけだ・ゆうき)
▼1983年生まれ、東京都出身。編集部員。右投右打。180センチ90キロ。都立国分寺高から法政大を経て、2006年4月白夜書房にテスト入団。同7月『野球小僧』編集部配属。酒と読書と筋トレをこよなく愛す。バイクで大クラッシュを起こし、肋骨を骨折しちゃいました…。身も心もボロボロです。こんな状況を救ってくれるのは…、あなただけです。

※池田くんの記事に対するコメントを募集しています
ご意見、励まし、質問等々何でも構いません。ぜひ記事下のコメント欄にお書き込みください。本人が誠心誠意を持ってご返答致します。(誹謗、中傷、記事と関係ない広告等については、編集部の判断で承認を見送ることがありますのでご了承ください)。

2008-07-14

リガ・ノロエステ ~もうひとつのウィンターリーグ(第7回)

 昨年10月から今年2月にかけて、当ブログにて「イスラエル野球紀行」という記事が連載されました。
(全ての記事についてはこちら→http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2140867/index.html
 イスラエルで初めて行われたプロ野球リーグを訪れ、現地の状況を『野球小僧』10月号の「ワールドベースボールレポート」に寄稿頂いた“放浪野球観戦”の第一人者・石原豊一氏が、そのときの旅の成りゆきをさらに詳しく綴った内容に多くの反響を頂きました。

 残念なことに、今年のイスラエルリーグは資金難のため、開催が見送りとなったそうですが、世界のありとあらゆる野球を求めて時間を作っては“放浪野球観戦”を続ける石原氏。今度は、昨年末にメキシコのウインターリーグに行ってきた際のレポートを寄稿して頂けることになりました。
 主に毎週金曜日の更新にて連載いたしますが、本日のように状況により更新日を変更することがありますのでご了承下さい。

 日本のほぼ反対側で行われている中南米の野球。その中でも古い歴史を誇るメキシコの野球はメジャーリーグやWBCなどで多少は知られるようになりましたが、それでもなかなか得られるものではありません。
 石原氏が自ら体感してきた貴重な生の「メキシコ野球」の雰囲気を、ぜひ一緒に味わって下さい。

         

viaje04 2007年12月30日/テクアラ・ブロンコス対コンポステーラ・プレロス

(プレーオフ4回戦、テクアラ・アドルフォ・ルイス・マテオ球場)

           

テアクラへ

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 この日はサンチアゴからテクアラに向かう。
 テクアラはナジャリ州北部にあるこれまた小都市だ。一度テピックまでもどらねばならないと考えていたが、幸い早朝にサンチアゴから北へ向かうバスが見つかったのでそれに乗った。
 まだ日の昇らない時刻に発ったバスは、朝焼けのハイウェイのジャンクションで私を降ろした。一緒に降りた老人の言うがままに道を渡り、目の前の茶屋でコーヒーとパンの朝食をとっていると、ほどなく「テクアラ」と表示を掲げたバスがやって来た。

 町はハイウェイの少しはずれ、15分ほどのところあった。
 入ってすぐに安物のブロックを積み上げただけの貧相なスタジアムがあったが、とりあえず終点まで乗る。
 終点のバスターミナルに着いたのは8時頃。あたりはまだ完全には目覚めてはいない状況だ。試合まで時間があるので、しばらく町をぶらつくことにした。
 試合開始は日曜のせいか午後1時らしい。ターミナルから数ブロックのところにメルカド(市場)があり、ここの食堂で腹ごしらえ。牛の臓物のスープとパンで体はすっかり温まった。

 突然、いそがしく大八車を引いている男が声をかけてきた。
 なんでも私をコンポステーラの球場で見かけたらしい。プレーオフともなると、ビジターチームのファンは地元チームが気になってしようがなく、車を飛ばして200キロ近く離れた田舎町まで遠征するのである。こういう野球バカには思わず顔がほころんでしまう。
 町をひととおりぶらついたあと、球場に向かった。
 スタジアムの手前にはホテルがある。一階の食堂をのぞくと、ブロンコスの連中が朝食をほおばっていた。
 入ると選手がかわるがわる声をかけてきてくれる。
 とくにトレーナー氏が話し相手になってくれた。彼はサッカーの強豪で有名な首都郊外のトルーカの出身で、無論少年の頃はサッカーに夢中になっていたのだが、怪我のため若くして競技生活を断念、裏方の道を進むことになった。
 野球については、はじめは何も知らず、ただ職があったため、モンテレー・スルタネスに入団したらしい。年中旅の生活には少々嫌気がさしているようで、内心は早くシーズンが終わって家族に会いたがっているようだった。

 食事をしているこのホテルは、田舎町にしては立派な作りで、首脳陣の宿泊用だったようだ。選手たちは食事を終えると、近くの分宿している2つの安ホテルに着替えに行く。私も彼らについてゆき、その足で球場に向かった。

         

試合はブロンコスが先制

 試合の方は、あとがないブロンコスがいきなり先制した。
 3番のデュランの打球が低いライトフェンスを越えて行く。続く4番レムスの打球も右中間へ。走りに走ってスリーベースとなった。
 さらに5番ガステルムがセンター前にはじき返して2点目。ブロンコスは2アウトからクリンアップの連打で欲しくてたまらなかった先制点をもぎ取った。

 一方のプレロスは、単打は出るものの、序盤は肝心なところで一本が出ず、無得点。
 4回にクリンアップの連打と牽制悪送球でやっと1点を返したが、その後はブロンコスの先発投手ベルナルの前に無安打に封じられた。
 ホームチーム、ブロンコスの敗北は、この町の短い野球シーズンの終わりを告げるという緊迫試合にも関わらず、スタンドの雰囲気はのどかなものだ。
 日曜のデーゲームにもかかわらず、場内の客の入りは半分ほど。他の球場と比べるとさびしい限りだ。
 昨日のサンチアゴと比べ、この町の野球人気は実に低い。リーグの6チームのフランチャイズ中、この球場だけがナイター照明を持っていない。施設の方も今回訪ねた4球場の中では最悪だった。
 田舎リーグのスタジアムということで、どこの球場も決して誉められたものではないのだが、ここは内野のフィールドにガラスの破片が埋まっていたほどである。これでは選手もハッスルプレーなどできるはずがない。
 選手たちからも、レギュラーシーズンの平日の試合はほとんど無人のスタンドを眺めながらプレーしていると聞いた。
 それでも日曜の試合であり、シーズン最後のプレーオフということもあって、スタンドはそれなりに盛り上がっている。観客席の男たちは、昼間からビールをあおってへべれけになっていた。

        

Beer_man「カマロネス」のユニホームを着た男は筆者の前でビールの一気飲みを始めた! 周囲も野球そっちのけで大喜びだ

選手も観客も日本語ネームだらけに

 そんな中に、しきりに私を呼ぶ小太りの男がいた。
 ユニホームジャージをまとっている。胸には「カマロネス」の文字がある。子エビという意味だ。チームは昨年までこの名を名乗っていたらしい。
 なぜチーム名が変わったのか聞いても、「知らねえよ」の返事。おまけに入場チケットの一部にもこの古いチーム名が入っている。前年のを使っているのかとも思ったのだが、券面には2007-2008とある。どうもチーム名は急遽変わったようだ。
 しかし、ファンはそんなことには全くこだわっていないようである。

 「おい、写真を撮ってくれ」

 男は、コロナビールのビンを二本ずつその大きな左右の手に持ち、口を大きく開けて計4本のビンをつっこんだ。泡を立てながら黄金色の液体がみるみるうちになくなってゆく。スタンドの観客は野球そっちのけでやんややんやの大喝采だ。
 選手の方もこのスタンドの様子につられているのか、のんきなものだ。試合中にもかかわらず、私を見つけては話しかけてくる。
 実は試合前、ブロンコスの監督の子供で、まだ小学生のアルフレッド君に、彼が着ていたTシャツに自分の名を日本語で書いてくれと頼まれ、マジックで「アルフレッド」と書いてあげたのだが、これが選手に知れ渡り、彼らは私を見つけてはユニホームにカタカナを書かせようとする。
 試合用のものなので、こちらが気兼ねしても「問題ない」と目立つところにデカデカと「デルガド」や「ロペス」などと書かされる。
 コーチや監督もこれをしかるどころか、「俺にも頼む」という始末だ。

 試合に入っても、仲間のユニホームの見慣れない落書きを見つけた選手が私を呼び寄せ、自分の名を告げてくる。
 挙句の果てに、アルフレッド君がスタンドの観客に自分のTシャツを見せびらかすもんだから、スタンドの老若男女までもが私の前に列を作る。中には、Gパンの太ももの部分に書いてくれという人もいて、こちらとしては本当にいいのかなと思ってしまう。

Alfred自分の名前を日本語で書いてもらい大満足のアルフレッドくん。このあと、これが知れ渡り、列ができるほどに

 しばらくの間は観戦どころではなくなってしまった。

      

<続く>

         

■石原豊一(いしはら・とよかず)
1970年生まれ、大阪府出身。圧倒的な行動力で、これまでアジア、アメリカ、中南米、ヨーロッパなどを渡り歩く「流離いの野球好き」。国内はもちろんのこと、すでに世界各国200を超える球場で野球を観戦してきた。イスラエル野球リーグが開幕したときも、早速現地へひとっ飛びしたほどの行動派。

※石原豊一氏による過去のレポートはこちら

●イスラエル野球紀行
http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2140867/index.html

●北信越BCリーグ開幕レポート
http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/post_4ba1.html

2008-07-11

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第82回-

080711maishima_bbs 2006年4月1日より始まったオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。本日で82回目を迎えています。

 大阪・履正社高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから、「ナニワのゴジラ」という異名がついた岡田選手。
 2005年の高校生ドラフトで、オリックスに1巡目で指名されて入団後、主としてファームで経験を積みながら迎えた3年目。ウエスタンリーグ開幕当初は好調なスタートを切ったものの、ここへ来て急失速。1軍定着へ向け、早期復調が待たれます。
 そんな「ナニワのゴジラ」が奮闘する姿を、高校生の頃から岡田選手を取材し続けてきたライター・谷上史朗氏の視線でレポートいたします。今回はどんな内容でしょうか?

        

髪を切り、スッキリと

 更新日となる11日夜。東京から戻る新幹線の中で携帯サイトを見ていると、雁ノ巣でのソフトバンク戦で清原が一発を放ったという記事があった。
 前日の復帰戦の姿を夜のニュースで見ても、前回の復帰時よりしっかり振れていた印象で、故障の再発さえなければそう遠くない時期に1軍に上がるのではないか。清原に関しては扱いが違っても仕方ない。

 そんなニュースの一方で岡田だ。
 前回更新で書いた1日、京セラドームでの親子ゲームに続き、2日の阪神戦も観戦した。
 場所は岡田にとっての思い出の地「舞洲ベースボールスタジアム」。履正社時代のラストゲームで中田翔から高校通算55号を放った場所で、浮上のきっかけをつかんでほしいと思い、連日の観戦に向かった。
 到着してすぐサーパスのシートノックが始まったが、ファーストの守備についた岡田を見て「オッ」となった。髪を切っていたのだ。鼻下のヒゲはなくなり、顎ヒゲは残したものの形はスッキリ。随分とサッパリした印象を受けた。
 たかが髪型、たかがヒゲだが、そうばかりでもないこともある。

080711okada_fielding髪を切り、ヒゲもコンパクトに整え、だいぶスッキリした印象でプレーする岡田

 少し前になるが、あるチームの編成担当者とサーパス戦を観たことがある。
 僕が岡田を追いかけているという話になると、その人は岡田の「見た目」について話し出した。端的に書けば、ヒゲもよくない、陽射しよけにかけることのあるサングラスもよくない。まず、そういうところから改めていかないと、ということだった。
 それ相応の年齢の人なので、今時のスタイルに馴染まないということはある。しかし、チームの監督やコーチとしている人はだいたい40、50代、あるいはもっと上の人なのだ。なら、その人たちが好まないスタイルをしていても、選手にとって何の得もない。
 それは、そんな見た目なんか関係ないくらいに結果を残せるなら、何も問題ない。そのまま1軍に行って、好きなスタイルでやればいい。
 しかし、ファームにいるということは、まだ力が足りない、言えば半人前なのだ。一人前になるまでは、俗に言う「見た目を気にする暇があったら、素振りのひとつもしたらどうなんだ?」と言われても仕方ないだろう。
 ともかく、スッキリした岡田には僕も素直に好感を持った。僕もオッサン世代ということだが、いずれにしても損はないはずだ。

       

久しぶりにいい打球が出た

 さて、試合だ。
 阪神の先発は杉山直久で、岡田は8番ファーストでの出場。いくら調子が出ていないとは言え、8番とは…、と思ったが、ぼやいても仕方ない。2死三塁の先制のチャンスに回ってきた1打席目は1-1からのスライダーにファーストゴロ。杉山の決め球とはいえ、このときは内を狙ったボールがやや甘く入ってきたのだが、とらえ切れなかった。
 残念ながら昨日の続きを見ているような1打席目だったが、続く2打席目。一塁側に移動して見ていたところ、ライト線へ久しぶりにいい打球が飛んだ。
 フェンスの奥までいったので打球がどこで落下した瞬間はよく見えなかったが、ワンバウンドかツーバウンドでフェンスに達するツーベース。横からのためコース、球種共に不明だが、初球を積極的にとらえた一打だった。
 このノリのままもう1本いってほしかったが、3打席目はストライク(内スライダー)、ファウル(真ん中高目ストレート)、ボール(外ストレート)のあと、真ん中低めに沈んだボールを引っ掛けセカンドゴロ。思い出の地で一気に…、とはいかなかった。
 それでも「0」より「1」。浮上のきっかけになってくれれば。

        

080711okada_batting高校時代の思い出の地・舞洲ベースボールスタジアムで行われたウエスタンリーグ阪神戦。岡田は第2打席でライト線に二塁打を放つ

1軍も好調ぶりに若手の活躍アリ

 その後、5日のプロアマ交流戦(対NTT西日本)は6打数1安打、8日からの広島戦(あじさいスタジアム)では、3連戦の全てで4打数1安打だった岡田。これで上昇とはまだ言えないだろうが、わずかずつでも上向いてきたとみたい。
 岡田を気にしつつ、1軍の方にも目を向けると、かなり状態が上がってきた。何より投手陣の踏ん張りが顕著で、6月以降のチーム防御率はリーグトップ。3位圏内を十分狙える状況になってきた。
 岡田目線で言えば、この状況を喜んでいいのかどうか微妙なところだが、そういう中で一輝や迎祐一郎、そして後藤光尊の故障で上がった牧田勝吾もスタメンで使われるなど、サーパスで一緒にプレーしていた選手も戦力になっている。
 中でも、一輝は見るたびにプレーぶりが堂々としてきた。スイングに思い切りがあるし、際どい場面での見極めも実にしっかりしてきた。1軍に上がると何か余裕がなく、自信なさげに見えた以前の姿がウソのようだ。
 本当にアッという間の成長ぶりだだが、ついこの間まで一緒にやっていた岡田がいつこうなっても不思議はないはずだ。

          

楽天・片山博視の急成長

 9日の楽天戦。岡田に関係する選手が楽天にもいた。先発した片山博視だ。
 岡田とは同期で、報徳学園から同じくドラフト1位で入団した3年目のサウスポー。ちなみに、岡田はこの片山から高校時代、そしてプロ1年目の秋のフェニックスリーグでも一発を放っている。1、2年目は岡田以上にファームで苦労していた片山が、3年目に今のような成長を見せるとは正直想像していなかった。

080711okada03サーパスでともにプレーした一輝や、同級生の片山博視(楽天)らの急成長を見ても、なにかのきっかけと自信さえあれば…。岡田にもその機会が来ることを願うのみだ

 僕は片山については、高校時代からずっと投手としてより、打者として魅力を感じていたので、〈野手でやっていれば…〉と思いながらずっと見ていた。
 実は今もその思いは消えないが、まさかこの時期に1軍で先発して、しかも完封勝利まで挙げるようになるとは…。今年のキャンプでも紅白戦のピッチングを見たが、その時点では想像もできなかった。
 確かにストレートは高校時代に比べれば力がつき、コントロールの精度も上がった。本当に低めに球が集まるようになった。右打者の外へのシュートを修得したのも飛躍のきっかけになった要素だろう。
 しかし、何よりも大きいのは自信だ。どのタイミングで、何をつかめたのかはわからないが、気持ちの変化がマウンド上の姿に現れている。
 まさに一輝と同じ。1本のヒット、1つのアウトで若い選手は劇的に変われるということだ。

 岡田はそれをいつつかむことができるのか。
 今は信じて待つしかない。

       

■2008年ファーム成績(7月10日現在)
53試合 177打数38安打 2本塁打 15打点 24四死球 43三振 打率215(打撃成績12位)

(取材・文/谷上史朗)

このシリーズは毎月1日、11日、21日頃に更新しています。次回更新は7月23日頃の予定です。 

2008-07-10

『中学野球小僧』の取材日誌(7月10日)

▼社会人屈指の強豪へ!

 『中学野球小僧』9月号の取材でJR東日本・堀井哲也監督にお会いしてきました。
 堀井監督はなんと、『中学野球小僧』の熱心な読者だそうです。巷のウワサでは、中学野球の指導者どころか高校野球指導者の方まで読者が広がっているという『中学野球小僧』ですが、まさか社会人の監督…、しかも昨年の都市対抗準優勝監督にまで読んでいただけるとは! 背筋が伸びる思いです…。ちなみに、堀井監督の息子さん2人は現役中学・高校球児として、それぞれ頑張っているそうです。

Horiiphバットを手に熱弁してくれた堀井哲也監督。ちなみに、バットは齋藤達則選手のものをお借りしました

▼門外不出の打撃論を披露!

 今回の取材テーマはズバリ「バッティング」。堀井監督は三菱自動車岡崎監督時代に谷佳知選手(巨人)、福川将和選手(ヤクルト)、竹原直隆選手(ロッテ)らを指導し、JR東日本移籍後は06年に寺内崇幸選手(巨人)、07年に中尾敏浩選手(ヤクルト)と2年続けてプロへ野手を輩出。今年はドラフト候補の川端崇義選手も育成しています。
 そんな堀井監督の打撃論は木俣達彦氏(元中日)、飯田幸夫氏(元中日)、福本豊氏(元阪急)ら元プロ選手の教えがバックボーンにあるそうで、その教えは微に入り細に入り…。しまいには「これ…、社会人の選手はあまり読んでないですよね? じゃ、いいか」と、企業秘密の戦術面にまで及びました。
 いったいどんな内容になっているかは…『中学野球小僧』9月号をお楽しみに!

(『中学野球小僧』編集部)

2008-07-09

『がんばれ! バレーボール部 Vol.1 2008夏秋号』が好評発売中!

 白夜書房のスポーツ誌、『野球小僧』、『中学野球小僧』、『中学サッカー小僧』、『中学バスケットボール』、『ラグビー魂』…に続き、今度は中学生・高校生のためのバレーボール専門誌がついに登場しました! その名は、

『がんばれ! バレーボール部』

です!

 主な内容としては、木村沙織選手、高橋みゆき選手、荒木絵里香選手、佐野優子選手といった北京五輪代表選手のテクニカルを解説。「スゴイ!」の一言ではすまされない一流のテクニックを大解剖。何が「スゴイ」のか、どうすればマネできるのか、徹底的に暴きます。

 さらには1964年東京五輪から北京、ロンドンも視野に入れた選手名鑑など読み応え抜群。常勝校である下北沢成徳高校や全国各地の実力派指導者による、驚くほどうまくなる練習法についても満載という、ボリュームたっぷりの『がんばれ!バレーボール部』。21世紀に金メダルをもぎ取る「東洋の魔女」を生み出す中学生、高校生のためにテクニカル雑誌です。
そしてもちろん、バレーボールを「見る人」にとっても十二分に楽しめる内容となっています。

  赤い表紙を目印に、本屋さんで一度手にとってください!!

        

『がんばれ!バレーボール部 Vol.1 2008夏秋号』

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