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2008-06-11

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第79回-

Okada_top080611 2006年4月1日より始まったオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。本日が79回目の更新です。

 大阪・履正社高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから、「ナニワのゴジラ」という異名がついた岡田選手。
 2005年の高校生ドラフトで、オリックスに1巡目で指名されて入団後、主としてファームで経験を積みながら迎えた3年目。ウエスタンリーグ開幕当初は好調なスタートを切ったものの、ここへ来て急失速。1軍定着へ向け、早期復調が待たれます。
 そんな「ナニワのゴジラ」が奮闘する姿を、高校生の頃から岡田選手を取材し続けてきたライター・谷上史朗氏の視線でレポートいたします。今回はどんな内容でしょうか?

        

長いトンネル…

 このブログ更新予定日の11日、名古屋ウエルネスとのプロ・アマ交流戦で岡田に一発が出た。実戦では3月28日広島戦以来の一発だ。アマチュアチーム相手の一発とは言え、何とか浮上のきっかけにしてほしい。

 とは言え、まだまだ深刻な状況が続いている。
 公式戦では5月28日以来ヒットが出ておらず、打率は.227にまで落ち込んだ。
 前回の更新以降、サーパスの試合は1度地元開催に戻ったため、このブログで紹介したデータを寄りどころに岡田の復調を期待したが、中日3連戦のうち2つが雨で流れ、4日に行なわれた試合では4打数ノーヒット。犠飛が1本あったが2三振を喫した。
 そして、6日からは相性の悪い由宇の広島戦となり、その初戦が5の0。ここで、4番での起用を続けていた首脳陣もついに断を下し、7日は今季初のスタメン落ち。試合終盤で守りに着いたのみで、8日も代打の出場で三振…。
 本人も相当滅入っているだろうが、ここで腐ったり、逃げたり、ごまかしたりしたら今シーズンは終わってしまう。今はとにかく、前を向いて、やるべきことをやるしかない。こういった状態が悪いときの過ごし方が後半戦の結果を分けると信じて、気持ちを切らすな、岡田!

       

Ochiai080611 中日ドラゴンズ、落合博満監督。現役時代は独自の打撃理論で3度の三冠王を獲得

落合流に学ぶ 

 気持ちの一方で、やはり技術的につかみきれていない岡田にはそこを求めてほしい。75回目のレポートで股間節の話を書いたりもしたが、今回、ネタを探しながら目に止まったのは「軸足」。
 なかなか観戦に向かえない中で頭の中で岡田のバッティングを巡らせていると、中日・落合博満監督著の「超野球学①」(ベースボール・マガジン社)のことを思い出した。その中で落合監督が「打撃の基本」として書いているのが軸足の話だった。僕が初めて読んだのは4、5年前になるが、軽い衝撃を受けたことを覚えている。案外というか、バッティングを考える中で軸足にはあまり注目をしていなかったからだ。
 一部抜粋するとこんな感じだ。

「私が現役時代からバッティングにおいて技術的にどこかが崩れた場合、その原因はすべて軸足の使い方が悪くなっているからだと分析していた。私の現役当時から現在まで、周囲が期待する成績に届かず苦労している選手というのは、99%が軸足に問題を抱えている。軸足の使い方が悪いと、あるいは悪くなると、下半身の使い方も崩れ、結果として上半身の動きも崩れていく。だから、グリップの位置やタイミングのとり方を修正しても、応急処置にしからないのだ。バッティングにおいて最も大切であり、それなのにあまり注目されないのが軸足の使い方なのだ」

       

軸足に注目

Okada_batting080611_2 岡田選手の連続写真。体の中心線の移動距離に注目して欲しい

 本の中では、このあと図を入れながら解説が進んでいくのだが、最も大事なことは「構えの時点からスイングまで中心線が動いてはいけない」ということ。構えた時の体中央に線を引き、その中心線の位置がステップから、スイングするまで投手寄りに動いてはいけないということだ。
 中心線を動かさないためには、「構えた時の位置から軸足を動かさず、我慢しておくこと」。さらに「回転は軸足や投手寄りの足ではなく、あくまで体の中心線で行なう。体の中心を軸にしなければ、自然ないい回転はできない。これお打撃の基本と考えたい」とある。
 打ちにいく中で体が投手寄りに移動する、いわゆる「スウェーする」状態になると、体と一緒に腕も出てしまい100%の力でボールを叩くことができない。パワーのロスが起きる。ボールに近づくことで詰まりやすくなるなどのマイナス点が生まれるという。
 そこで大切なのが軸足だと落合監督は記している。

「大切なのは常に軸足を意識し、足場をしっかり慣らし、両足を安定させて立つこと。また、両足とも親指のつけ根の内側で地面に接して立つ感覚を持つこと。ベタ足やつま先立ちでも、踵に重心を置いた立ち方でもない。親指の付け根の内側にタコができるのが、いい打者の条件なのである」

 このあたりのイメージを持ちやすくするため、過去の岡田のバッティング写真を掲載しておく。現実にはどの選手もまったく中心線が動かないということはないが、大きく前に動くのはよくない。右の写真では右側の方が中心線の移動が小さい(頭を基準に見ればよくわかる)。ちなみに、このときはフリーバッティングで柵超えを連発していた時のもの。非常に気持ちよくスイングしていたことを覚えている。

        

空いた時間をどう使うか

 僕は普段の仕事で高校生や大学生のドラフト候補の選手を取材することがある。
 その時、ピッチャーからは「(プロの)○○投手の連続写真を見て勉強しています」とか「テレビで見て参考にしています」と聞くことがある。
 ところが、不思議とバッターからこの手の話を聞くことは少ない。「バッティングは感覚」という思いが強いからなのか、肉眼ではわかりにくいからなのか…。せいぜい参考にするとしても、構えやタイミングの取り方までで、細部まで観察する選手は少ないのではないか。これはプロの若手選手にも言えることだろう。
 しかし、単純な話として、打つ人(打ってきた人)には、やはり技術的な裏づけがある。なら、これだけ情報が出ている時代、雑誌でも本でもビデオでも、学ぶことはできる。活用しない手はないと思うのだが…。そんなことをよく思う。
 落合監督の本にしても、かなり本人の言葉で書かれた打撃論で、アマチュアの指導者やプロのコーチなどで参考にしている人は少なくないはず。しかし、選手は案外目を通していない。
 グラウンドでの練習はみんなやっている。あとはユニフォームを脱いだあとの時間をどれだけ野球のために使うか。情報を集め、頭を鍛えることも努力のひとつで、これも先々の結果を決める大きな要素になるだろう。
 例えば、中村紀洋選手は、落合監督を師事していたこともあり、「超野球学」を早々に読んでいた。これは以前、本人から直接聞いている。
 また、前にも書いたが、ナイターが終わって家に戻ると毎晩、録画しておいたCS放送を必ず見返し、自分の打席のチェックをしていた。飲んで帰った日も、必ず見ていたという。
 結局、やったもの勝ちと言うのはどの世界でも同じことなのだ。そして成功者に学ぶというのも、どの世界にも共通する話である。

 話はかなり広がったが、とにかく岡田に浮上のキッカケを掴んでほしい、と思い長々書いてしまった。
 次回の更新までにはどこかで観戦に向かう予定。そこでいい形を見ることができればいいが…。

     
 
■2008年ファーム成績(6月11日現在)
43試合 141打数32安打 2本塁打 14打点 24四死球 35三振 打率.227(打撃成績13位)

(取材・本文/谷上史朗)

このシリーズは毎月1日、11日、21日頃に更新しています。次回更新は6月21日の予定です。 

コメント

Bsファイター さん、コメントありがとうございます。ほんとに何かきっかけを掴んでほしいんですけど。間もなくシーズンも後半ですが、何となく過ごすことだけは避けて、野球一色の時間を過ごしてほしいです。

いつも楽しく拝読させてもらっています。
なかなか、結果が出ませんね。”もう”三年目なのでそろそろ目に見える形で結果が欲しいいものですね。とはいうものの打撃コーチが毎年コロコロ変わってしまうのが気の毒です。オリックスフロントのこういう所の拙さはもう半分諦めてはいますがやはり、呆れてしまいます。一年目の時の藤井さんが岡田さんの事だけを考えると、合っていたような気がするのでフロントに異動になってしまった時は「おいおい・・・・・・」と思ってしまったものです。
リップサービスも多少は含まれていたでしょうが、イチローさんが「センスある。」と言ったほどですから、何かきっかけ一つでグーンと行きそうな気はするのですが・・・・・・。

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