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2008-06-02

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第78回-

080602okada_top_2  2006年4月1日より始まったオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。本日で78回目を迎えました。

 大阪・履正社高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから、「ナニワのゴジラ」という異名がついた岡田選手。
 2005年の高校生ドラフトで、オリックスに1巡目で指名されて入団。2年目の昨年は、シーズン前半こそ不調だったものの、北京で開かれたオリンピックプレ大会での活躍を契機に後半復調しました。
 そして、期待がかかった3年目。開幕は2軍スタートとなったものの、ウェスタンリーグでは出だしから好調。しかし、コリンズ体制から大石体制に新たにチェンジとなり、今度どうなっていくのでしょう?
 そんな「ナニワのゴジラ」が奮闘する姿を、高校生の頃から岡田選手を取材し続けてきたライター・谷上史朗氏の視線でレポートいたします。今回はどんな内容でしょうか?

       

新体制スタートも…

Oishi080602_3就任後、新しい色を出し始めている大石大二郎監督代行

 先日、「岡田貴弘選手を応援する会」のある人から連絡をもらった。
「何か新しい情報はありますか?」
 誰もが気になるところで僕も気になる。新体制になって岡田はどうなるのか? 1軍昇格は? 起用は? 出番は? …、ということだ。
 しかし、残念ながらとっておきの新情報はない。夏を前にしたこの時期は高校野球の取材が集中し、今回は岡田観戦に向かうこともできなかった。
 ただ、1軍の話からすれば、やはり大石大二郎ヘッドコーチが監督代行となり1、2軍の入れ替えは活発になった。もちろん、大石代行自身の考えもあるが、前にも書いた通り、新監督というのは前任者とは違うカラーを出してくるもの。就任早々から、先発投手の球数制限の撤廃や、試合のない日の練習についても実施を決めた。また、27日には早速2軍視察などを行うなど脱コリンズ色を明確に打ち出している。

      

080602okada_01_2開幕から好調だった岡田の打撃もここへ来て急降下。なんともタイミングが悪い

痛い、勝負どころでの不振

 1、2軍の入れ替えでは、投手陣は別にして、野手陣では次のような形で行なわれている。25日に森山周、28日に相川良太、1日には前田大輔、由田慎太郎が昇格。(相川は1日に降格)。活発なことはいいことだが、その中で、岡田に声がかからないのが何とも寂しい。バッターとしてのタイプ、ポジションとの兼ね合いもあるので必ずしも成績とも一致しないが、今上がれないのはそういうことより、岡田自身の問題のようだ。
 前回の更新以降のバッティング成績を見ればそれがはっきりと見える。

 ・5月23日 対広島 (由宇) 3打数0安打
 ・5月25日 対広島 (由宇) 3打数1安打 1犠飛 1打点
 ・5月27日 対中日(ナゴヤ) 3打数0安打 1四球
 ・5月28日 対中日(ナゴヤ) 1打数1安打 3四死球
 ・5月30日 対ソフトバンク(雁ノ巣) 3打数0安打 2三振 2四球
 ・5月31日 対ソフトバンク(ヤフードーム) 4打数0安打
 ・6月1日 対ソフトバンク(雁ノ巣) 5打数0安打 1三振

 トータルで22打数2安打。四死球が6つあるはとはいえ、はっきり状態はよくないのだろう。前回の更新時は1本ずつながら6試合連続ヒット中だった。
 それに比べ今回は、不調の波にどっぷりハマってしまったかのようだ。古木克明がサーパスに落ち、濱中治も一向に状態が上がらない現状を思えば、岡田の調子さえ上向けばすぐにでも入れ替われると思うのだが…。もどかしい。

     

驚きの数字を発見!

Ogawa080602_3小川博文育成担当は1軍の内野守備走塁コーチに昇格。このあたりも影響しているのだろうか?

 コリンズ監督の辞任を受け、サーパスからは住友平2軍監督がヘッドコーチ、小川博文育成担当が内野守備走塁コーチとして、それぞれ1軍に昇格した。岡田について言えば、バッティングをずっと見ていた小川コーチの移動も今の不振に多少なりとも影響しているのかもしれない。
 この話とも関係するが、もう1つ、今回の不振に思い当たることがある。それは今回行なわれた7試合がすべて遠征でのものだったということだ。
 どういうことかと言えば、これは前々から感じていたことだが、岡田は遠征での成績があまりよくないのだ。
 そこで今回調べてみた。まず、北神戸、京セラドーム、鳴尾浜、甲子園、丹波で行なわれた近畿圏の試合での成績は81打数26安打で打率.321。ここまでのホームラン2本も北神戸で打っている。
 対してナゴヤ、由宇、雁ノ巣、ヤフー、高知で行なわれた遠征試合の数字を見ると、これがなんと51打数5安打。打率にすると.098。確かに、去年までの公式戦においても遠征ではあまり打っているイメージがなかったが、これほど極端な数字とは、調べてみて改めて驚いた。

※NPBの公式サイトにあるウエスタンリーグ打撃成績の岡田の成績は131打数32安打(6/1現在)。しかし、同じく球団の公式サイト上にあるファームの試合結果から1試合ごとに集計すると132打数31安打。何度やっても+1打席、-1安打の差が出てしまった。今回は後者の数字をもとに集計した点をご了承頂きたい。

      

遠征での不振の原因は?

 球場によっての相性はどの選手にも多かれ少なかれあるが、ここまで数字が分かれるとなると、そこに何があるのか、と考えてしまう。今度、本人にも聞いてみたいが、グラウンド上の問題なのか、それとも試合に入るまでのサイクルや前日の過ごし方の問題なのか、はたまたコンディションや気分の問題なのか…。

080602okada_03_2古木克明選手がファーム落ちし、似たタイプの選手は1軍にいなくなった。岡田にチャンスは到来するだろうか?

 可能性としてひとつ思い当たることがある。それは、やはり小川コーチのことだ。なぜかというと、サーパスでの小川コーチの肩書きは育成担当だったため、遠征時には居残り組の指導にまわり、チームに帯同していなかったのだ。これまで岡田に話を聞く中で、遠征から戻ってきた時に「試合前に小川さんにも見てもらったんで少し良くなりました」といった言葉を聞いたことがある。このあたりも遠征での不振に関係しているのかもしれない。
 ただ、この仮説が当たっているとすれば、岡田自身がまだ自分の中で技術的な裏づけを持てていない、ということでもある。もう、「これ」をいうものを持たないといけない3年目。小川コーチの異動をプラスに変えて、一本立ちのきっかけにしてほしい。
 …と書いたが、これはあくまで僕の推測。遠征での不振には別の理由があるのかもしれない。しかし、それならそれで、岡田にはこの原因を思いつく限り考え、可能性を1つ1つ潰していってほしい。
 これだけ極端な数字が出たとなれば、ここを上げていかないことには1軍も近づいてこないのだから。

      

■2008年ファーム成績(6月1日現在)
39試合 131打数32安打 2本塁打 13打点 24四死球 32三振 打率.244(打撃成績12位)

        

(取材・本文/谷上史朗)

このシリーズは毎月1日、11日、21日頃に更新しています。次回更新は6月11日の予定です。

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