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2008-05-30

リガ・ノロエステ ~もうひとつのウィンターリーグ(第1回)

 昨年10月から今年2月にかけて、当ブログにて「イスラエル野球紀行」という記事が連載されました。
(全ての記事についてはこちら→http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2140867/index.html
 イスラエルで初めて行われたプロ野球リーグを訪れ、現地の状況を『野球小僧』10月号の「ワールドベースボールレポート」に寄稿頂いた“放浪野球観戦”の第一人者・石原豊一氏が、そのときの旅の成りゆきをさらに詳しく綴った内容に多くの反響を頂きました。

 残念なことに、今年のイスラエルリーグは資金難のため、開催が見送りとなったそうですが、世界のありとあらゆる野球を求めて時間を作っては“放浪野球観戦”を続ける石原氏。今度は、昨年末にメキシコのウインターリーグに行ってきた際のレポートを寄稿して頂けることになりました。
 本日から、主に毎週金曜日の更新にて連載いたします(諸事情により更新日を変更することがありますのでご了承下さい)。

 日本のほぼ反対側で行われている中南米の野球。その中でも古い歴史を誇るメキシコの野球はメジャーリーグやWBCなどで多少は知られるようになりましたが、それでもなかなか得られるものではありません。
 石原氏が自ら体感してきた貴重な生の「メキシコ野球」の雰囲気を、ぜひ一緒に味わって下さい。

            

viaje00 メキシコ野球の1年

Map_mexico

メキシコ野球の歴史と現状

 今年3月に発売された『野球小僧 世界野球選手名鑑』で、メキシコでは1年中プロ野球が行われていることについて紹介した。その記事を書く際に元になった、昨年12月に現地を訪れたときの模様を紀行文にまとめのでご覧頂きたい。
 今回は本編に先立ち、まず序章としてメキシコ野球の1年を詳しく紹介しよう。

 メキシコのプロ野球「リガ・メヒカーナ(メキシカンリーグ)」は独立したプロ野球組織である。元々はアメリカ・メジャーリーグとは何の関連もなく発足し、かつては「第3のメジャーリーグ」となるべく、メジャーリーグやニグロ・リーグから選手を引き抜いて対抗したこともある。この1940年代後半がメキシコプロ野球の黄金時代と言える。
 しかし、結局この目論みは野球人気がアメリカに比べて低かったせいもあり、財政破綻をおこして潰えてしまった。MLBはこのような他国のリーグの侵略が2度と起こらないように、メキシカンリーグをマイナーリーグの統括組織「ナショナル・アソシエーション」に組み込んでしまったのである。
 こうして現在、メキシカンリーグは3Aランクに位置付けられている。
 だが、各球団はメジャーチームのファームと言うわけでなく、業務提携を結ぶことはあっても、決して傘下の球団とはならない。そのため、メジャー球団がメキシコから選手を獲得するには、トレードマネーを支払う必要があり、このことが他のラテン諸国に比べてメキシコから選手が流出しにくい原因となっている。逆説的に、それがメジャーリーグにメキシカンの少ない理由であるとも言えるだろう。

         

開幕時期とマイナーリーグの構成

 さて、そんなメキシコ野球の1年のスケジュールは2月半ばの春季キャンプから始まる。そして、数試合のオープン戦を含む約1カ月のトレーニングの後、3月末にはいよいよシーズンの開幕だ。
 この時点で1軍であるメキシカンリーグのロースターからもれた選手は、北部ヌエボ・レオン州の「アカデミー」に送られ、引き続きトレーニングとなるが、ここでメジャーのスカウトの目に留った者はドミニカのメジャーアカデミーに送られ、アメリカへ行けるかどうかをテストされる。
 一方、メキシコのアカデミー組は、4月になると「クラッセA」と呼ばれるリーグ戦に突入。まだまだファームの充実していないメキシコでは、資金の豊富なメキシコシティ・ディアブロス以外の球団は自軍のマイナーリーガーだけでチームを組めず、混成チームによってこの1カ月半のリーグを戦う。
 このリーグはアメリカのルーキーリーグと同じく、興行的なことは行わない。各球団の選手は1軍と同じユニフォームを着て、アカデミーのグランドでプレーするのだ。
 そして、この「クラッセA」の開幕に少し遅れて始まるのが、「リガ・タバスケーニャ」である。こちらは南部タバスコ州の田舎町に本拠を置いた6チームによるマイナーリーグで、各球団から送られた選手が、地元興行主の経営する独立したチームの所属選手となって短いペナントレースを争う。
 これら2つのリーグで淘汰された選手は、5月末になると、北西部ソノラ州に集まって「リガ・ノルテ・デ・ソノラ」に参加する。この頃になると、1軍ではケガ人や戦力外の選手が出てくる。ここで活躍した選手は、晴れて1軍昇格を果たし、反対に降格者やメキシカンリーグをクビになった者、アメリカでの春季キャンプで振り落とされ、独立リーグでも職にあぶれた者などは、このサボテンの居並ぶ砂漠にやってくるというわけだ。

          

レギュラーシーズン後にも用意される試合の場

 メキシカンリーグは7月中に前後期制のレギュラーシーズンを終え、1カ月におよぶ「第3のシーズン」こと、プレーオフに突入する。「リガ・ノルテ・デ・ソノラ」も同じ時期にプレーオフが終わり、ともに9月初めにファイナル・シリーズを終える。この後、メジャーリーグのスカウトの目に留った者は、メジャーリーグやその傘下のチームに移籍したり、佳境を迎える独立リーグに出稼ぎに出かける。それ以外の者は、10月末に始まるウィンターリーグ、「リガ・パシフィコ」までつかの間のオフを迎える。
 一方、マイナーリーガー達には、新たに修行の場が用意されている。新たに各球団に入団してきたルーキーたちとともに、再びヌエボ・レオンの「アカデミー」に戻り、12月初めまで続く「リガ・ルーキー」を戦う。ここで活躍した者は、順次、太平洋岸中部ナジャリ州で行われる「リガ・ノロエステ」か、大西洋岸中部ベラクルス州で行われる「リガ・ベラクルシアナ」に送り込まれる。

 冬期に行われる、3つのリーグは年内にレギュラーシーズンを終え、敗退したチームの選手たちは順次故郷へ帰りつかの間のオフに入る。「マイナー」の2リーグは、新年の第2週までに、チャンピオンが決まり、「1軍」の「リガ・パシフィコ」は1月末までプレーオフを行い、ファイナルを勝ち抜いたチャンピオンチームは2月第1週に行われるラテンアメリカのプロ野球のチャンピオンシリーズである「セリエ・デル・カリブ」に出場する。
 これだけではない。アマチュア野球が未発達なメキシコでは国際大会にもプロによるナショナルチームが結成され、毎年8月にはシーズン中にも関わらず「パン・アメリカン・ゲーム」に各チームの主力が参加する。
 さらに2007年は11月に台湾で行われたワールド・カップにもプロ選手が参加し、地元台湾チームを全く寄せ付けず、3戦3勝している。

      

 以上が、メキシコプロ野球の1年の流れである。この国では、広い国土のどこかで、また代表チームが海を越えて、1年を通じて野球が行われているのだ。
 サッカーのイメージが我々には強いが、メキシコは知られざる「野球大国」なのだ。

<続く>

        

■石原豊一(いしはら・とよかず)
1970年生まれ、大阪府出身。圧倒的な行動力で、これまでアジア、アメリカ、中南米、ヨーロッパなどを渡り歩く「流離いの野球好き」。国内はもちろんのこと、すでに世界各国200を超える球場で野球を観戦してきた。イスラエル野球リーグが開幕したときも、早速現地へひとっ飛びしたほどの行動派。

※石原豊一氏による過去のレポートはこちら

●イスラエル野球紀行
http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2140867/index.html

●北信越BCリーグ開幕レポート
http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/post_4ba1.html

2008-05-29

『中学野球小僧』編集部の取材日誌(5月27日)

▼子どもから大人まで楽しめる特別付録!

 5月27日のブログでもお伝えした、『中学野球小僧』7月号の特別付録「野球人生ゲーム」。中学球児はもちろん、大人の方にも楽しんでもらえる力作として、順調に制作が進んでいます。
 そんなある日、編集部内のテーブルに4人の男が集結。
 そう、「野球人生ゲーム」がゲームとしてきちんと機能するか、おかしなところがないかをチェックするため、実際にやってみたんです。いや、決して遊んでいるわけじゃないですよ。れっきとしたおシゴトです!

         

▼むさくるしい男たちの熱き戦い!

080529try_and_error_3 むさくるしい男×4人で「野球人生ゲーム」! 上司も部下も先輩も後輩も関係なく、えげつない勝負が繰り広げられていました…

 時には「あぁ~!」「うぉ~!」という雄叫びも上がる中、何度か通しでやった男子編集部員4名。他の作業の手が離せず、遠巻きに見ていた女子編集部員から「お正月の親戚の集まりみたい…」と言われつつ、おシゴト終了です。
「いや~、のめり込んじゃいました」
「時間がたつのを早く感じるほど、夢中になってました」
「真剣にやっちゃったね。やっぱり、勝負は勝たないと!」
 なぜか晴れ晴れとした表情になり、それぞれの業務に戻っていきました。
 制作の中心となった編集部員は、「もっとスゴいゲームを作りたい!」とコメント。「野球人生ゲーム・PART2」が、もしかしたらできるかもしれません…!?

      

■『中学野球小僧』7月号
 6月10日発売/特別付録あり/特別定価1300円

     

(『中学野球小僧』編集部)

2008-05-28

【野球写真館】vol.217 富士に向かって打て!

 07年5月2日のブログ記事(http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/vol189_4b7a.html)から突然復活した「野球写真館」。もとは『野球小僧』公式HPhttp://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/)でひっそり更新されていたコーナーです。

 編集部写真担当“撮っとこイノ太郎”が、『野球小僧』のドラフト候補選手名鑑やスカウティングレポート用に撮り歩いた写真を紹介します。

vol.217 富士に向かって打て!Fujihokuroku080518   

 バックスクリーンの向こうにMt.Fuji ..... ニッポンの象徴、富士山です。中央高速・河口湖インターをおりて数分、富士スバルラインの料金所にほど近い、まさに富士のフモトの野球場で春の関東大会を観戦してきました。

 センターの向こうに見えるらしいという予備知識はあったけれども、朝8時半すぎに着いたときは曇っていて見えず。でも願いは通じ、昼近くなった頃に雲は切れ、その姿を拝むことができました。おてんとさまに感謝。

2008年5月18日、富士北麓公園野球場(山梨県)にて撮影

※このコーナーは隔週で水曜日近辺に更新いたします。

過去、このブログに掲載された【野球写真館】は→こちら
(右側の「カテゴリー」にもリンクがあります)

vol.188以前は→こちらからご覧ください


Ino●撮っとこイノ太郎(イラスト/横山英史)
 1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。山羊座のB型で、最近聞かなくなった動物占いではコアラ。『野球小僧』編集部最古参の編集部員にして写真担当。硬式歴は皆無だが、一応右投両打。10年近く前、いろんな出会いに恵まれて『野球小僧』と関わり、現在に至る。02年末に生まれた可愛くて可愛くてしかたがない長女に加え、2006年には待望の長男も誕生した。2児の父となり、公私混同にますます拍車がかかりそうな、39歳。

2008-05-27

次号の『中学野球小僧』7月号にはなんと! 特別付録がついてくる!

▼次号は『野球小僧』誌上初の付録つきです!

A_supplement_to_a_yakyukozo_2 6月10日発売予定の『中学野球小僧』7月号には、なんと付録として「野球人生ゲーム」&「タイツ先生のストレッチマニュアル」がもれなくついてくる(内容は発売してからのお楽しみです)

 現在、編集作業のラストスパートに入りつつある『中学野球小僧』7月号。実は『野球小僧』誌上初の付録がついてきます。
 今回の特集は「ぼくらの野球人生ゲーム」という、ちょっと珍しいテーマでして、そのメインツールとなる「野球人生ゲーム」が付録としてもれなくついてくるのです!
 ただし、“ゲーム”といっても、ビデオゲームのソフトではありませんよ。中学球児のお父さんお母さんにとっては、昔懐かしい「すごろく」系ボードゲーム調なんです。もちろん、友達同士でもご家族でもお楽しみ頂けます。その内容は、1人の選手として最高の野球人を目指し、小学校、中学、高校、そしてプロと、文字通り野球人生を歩んでいく…というもの。同伴プレーヤーは当然、ライバル同士となります。
 そして、ゲーム内のイベントにリンクする形で、プロ、アマの選手インタビュー記事や「中学野球テクニカル」といった記事が用意されています。つまり、今号は1冊がまるごと「野球人生ゲーム」となっているのです。

 しかし、この「野球人生ゲーム」は「すごろく」系とはいうものの、実はゴールがありません。
 なぜ? どうして? どういうこと!? そんな声が聞こえてきますが、それはお買い求め頂いてからのお楽しみといたしましょう。
 いずれにせよ、本当の野球選手並みのリアルにこだわりつつ、遊び心も満載の「野球人生ゲーム」は、現在、編集部をあげて「トライ&エラー」を繰り返す最終調整の段階に入っております。

       

▼反対側には「タイツ先生のストレッチマニュアル」が!

 しかも、この「野球ゲーム」は、これだけではありません。反対側をめくると、そこにはタイツ先生こと吉澤雅之さん(自然身体構造研究所所長)が登場! 肩甲骨や股関節のストレッチのやり方を紹介する「タイツ先生のストレッチマニュアル」となっているんです。つまり 「野球人生ゲーム」「タイツ先生のストレッチマニュアル」のダブル付録というわけですね。夏の大会前は梅雨の時期だけに、室内で悶々と過ごす日が増えがちですが、このダブル付録でモチベーションをキープして乗り切って欲しいです。
 ということで、なんだかとんでもないことになりそうな次号の『中学野球小僧』7月号。発売予定日は6月10日です。
 まだ時間がありますので、このブログ記事を読んだみなさんは、多くの人に「野球人生ゲーム」のことをお知らせ下さい。一緒にゲームを満喫する仲間を確保しておきましょう。

      

▼タイツ先生が「黒バラ」に再び登場!

 タイツ先生といえば、先日このブログでも紹介しました「中井正広のブラックバラエティー」の前回(5月25日)の放送で、再びタイツ先生が登場しました。
(以前の紹介ページはこちら→http://kozo.boxerblog.com/kozo/2008/04/post-1f36.html
 といっても、前回は簡単な紹介だけ。いよいよ次回は本格的にモノマネ披露となりそうです。
 来週は見逃せませんよ!

■中井正広のブラックバラエティー公式サイト
http://www.ntv.co.jp/black/

          

(『中学野球小僧』編集部・「野球人生ゲーム」担当)

2008-05-26

下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」 第56回

 どうも、下っ端編集部員の池田です。
 現在、編集部は6月10日発売の『中学野球小僧7月号』が最終追い込み、6月20日発売の『高校野球小僧』が取材の真っ只中ということで、相変わらずのバタバタ状態です。
 そんな中、下っ端は23日(金)に高校野球春季東海大会取材のため静岡へ。
 夏に向けて楽しみな選手も見つかったし、空いた時間には清水エスパルスの練習を見学に行ったり(完全非公開でほとんど見れませんでしたけど…)。
 十二分に静岡を満喫してきました。
 唯一の失敗が、日焼け対策。
 下っ端、5月の静岡の日差しをなめてました。
 半袖のシャツで観戦していたため、両腕が真っ赤っか。
 まるでカープの赤いアンダーシャツを着ているかのようです。
 しばらくは「ヒィッ」と悲鳴を上げながら、お風呂に入る日々が続きそうです。
 みなさん、観戦の際には日焼け対策は万全に。

Otsuka黄色い声援はあまりなかった(?)ものの、男性ファンからは野太い「ツカヤ~ン」という声援を受けていた大塚光二さん

■集え! サラリーマン!!
 東海大会の前日22日、下っ端は西武ドームのグラウンドに立っていました。
 愛用の黒いグラブを左手にはめて、腰をおとし、重心を低くして構えます。
 正面を襲う痛烈なゴロをサッとさばいて、ヒュッとスナップスローで送球。
 以上の出来事、下っ端得意の妄想ではありません。
 すべて、実際に起こったこと、そう事実なのです!!
 ……といっても、もちろん試合での出来事ではありません。
 試合後に行われた「サラリーマンナイト」でのワンシーンです。
 えっ!? 「サラリーマンナイト」をご存じない?
 サラリーマンナイトとは、日々忙しい毎日を送っているサラリーマンやOLのために、試合後のグラウンドを開放し、そこでノックやキャッチボールができるという野球ファン垂涎のファンサービスなのです!
 しかも、ノックはタダのノックじゃないんです。
 ノッカーが高木大成さん大塚光二さんという西武が誇る人気者OBの2名なんです。
 どうですか? 耳をすませば、球団歌の『地平を駈ける獅子を見た』が聴こえてきませんか?

   「サラリーマンナイト」は試合終了後なので、それまではスタンド試合を観たり、報道サロンでプラプラしたりしていました。
 試合終盤、「ノックに備えて、そろそろストレッチでも…」と思っていると、高木さんと大塚さんが登場!
 昨年末の取材でお世話になった大塚さん(その取材の様子はこちら)、およそ半年ぶりの対面です。
大塚さん「今日は誰の取材?
下っ端 「大塚さんのノックを受けに来ました!
大塚さん「ホンマかいな~
下っ端 「ホンマです
大塚さん「『野球小僧』、恐ろしいなぁ~
 え~、最高の褒め言葉をいただきました。
 それから試合終了まで大塚さんと高木さんのダブル解説状態で試合を観ることができました。
 もしもタイムマシーンがあるなら、10年前に戻って中学生の下っ端に言ってやりたい。
「お前、10年後、高木大成と大塚光二に挟まれて西武とヤクルトの交流戦を見ることになるよ!」って。
「はぁ? っていうか『交流戦』って何?」
 中学生の下っ端は、きっとこう言うんだろうなぁ。
 

Taiseiotsukaみんなで記念撮影。一体感のあるステキなファンサービスでした

 さて、本番の「サラリーマンナイト」ですが、これがもう大盛況。
 試合終了後という遅い時間にもかかわらず、ナント1200名もの参加者が!
 そんな中で下っ端は栄えあるトップバッターとして、高木さんのノックを受けさせてもらいました。
 いや~、緊張しました。
 無事にキャッチして、ヒョイっとボールを投げると、周りのファンの皆さんから暖かい拍手が。
 ビバ! サラリーマンの連帯感!
 難しいボールをキャッチしたりする人がいると、どこからともなく歓声や拍手が起こるんですね。
 これを「一体になる」と言わずに、何をそう言えばいいのでしょうか。
 選手と接することができるファンサービスは他にもたくさんありますが、ファン同士がここまで空気を共有できるステキなファンサービスが他にあったでしょうか?
 サラリーマンも気楽な稼業ではなくなった今日この頃。
 終電間際の西武線車内、グラブを抱えたサラリーマンの皆さんの姿に、「明日も頑張れそうだ」と思った下っ端、社会人3年目の春。

池田勇樹(いけだ・ゆうき)
▼1983年生まれ、東京都出身。編集部員。右投右打。180センチ90キロ。都立国分寺高から法政大を経て、2006年4月白夜書房にテスト入団。同7月『野球小僧』編集部配属。酒と読書と筋トレをこよなく愛す。でっかいカメラを担いで清水エスパルスの練習場近くでプラプラしていると元日本代表の某選手に話しかけられました。「取材ですか?」「はい」「何の取材ですか?」「野球の取材です」「…野球ですか」「すみません」「…でも、僕、野球も結構好きです」。何だか気をつかわせてしまいました。応援してます。

※池田くんの記事に対するコメントを募集しています
ご意見、励まし、質問等々何でも構いません。ぜひ記事下のコメント欄にお書き込みください。本人が誠心誠意を持ってご返答致します。(誹謗、中傷、記事と関係ない広告等については、編集部の判断で承認を見送ることがありますのでご了承ください)。

2008-05-23

西鉄ライオンズの復刻版ユニホームが西武戦で登場

▼プロ野球各球団で復刻モデルユニホームが華盛り

 交流戦のこの時期、プロ野球の各球団では趣向を凝らした時期限定のユニホームが毎年の風物詩のように登場しています。
 特に今年は、5月初旬にヤクルトが着用した「アトムズ復刻モデル」のユニホームや、ソフトバンクが明日5月24日に「福岡ダイエーホークス復刻モデル」を、そして6月6日には「南海ホークス復刻モデル」のユニホームを着用するメモリアルゲームを企画するなど、復刻モデルを目にすることが多い傾向です。

         

▼交流戦後に西武が“ライオンズ・クラシック”を開催

 その流れを汲んでのことかは分かりませんが、埼玉西武ライオンズでも今年1番のイベントとして、「アサヒ スーバードライ ライオンズ・クラシック」の開催することが発表されました。
 このイベントは、埼玉西武ライオンズの30周年と、西武の前身である西鉄ライオンズの親会社こと西日本鉄道株式会社の創業100周年とを併せたイベントで、交流戦後の6月28日から8月21日までのホームゲーム12試合において、ライオンズの選手が西鉄時代の復刻モデルユニホームを着用して試合を行います。
 各節ごとに西鉄ライオンズの歴史になぞらえる形でテーマを設けながら、復刻グッズやスペシャルチケットの販売なども同時に行い、イベントを盛り上げる予定です。
 また、西鉄の元本拠地であった福岡のファンにも考慮して、ヤフードームでの2試合においてもライオンズの選手が西鉄時代のユニホームでホークスと対戦します。
 日程については、以下のとおりです。

       

■アサヒスーパードライ ライオンズ・クラシック

Inao_nishitetsu「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれた故稲尾和久氏の西鉄ユニホーム姿。今回は、これと同じ1954年から1959年まで使用されたモデルが復刻される

第1章 ~ライオンズの栄光~
 6月28日(土)14時~ 対ロッテ戦
 6月29日(日)13時~ 対ロッテ戦

第2章 ~因縁の対決~
 7月5日(土)14時~ 対楽天戦
 7月6日(日)13時~ 対楽天戦

第3章 ~野武士軍団~
 7月28日(月)18時~ 対オリックス戦
 7月29日(火)18時~ 対オリックス戦

第4章 ~神様、仏様、稲尾様~
 8月10日(日)17時~ 対日本ハム戦
 8月11日(月)18時~ 対日本ハム戦
 8月12日(火)18時~ 対日本ハム戦

第5章 ~伝説になった平和台~
 8月19日(火)18時~ 対ソフトバンク戦
 8月20日(水)18時~ 対ソフトバンク戦
 8月21日(木)18時~ 対ソフトバンク戦

詳しい内容は埼玉西武ライオンズ公式サイト内「ライオンズクラシック」にて
http://www.seibulions.jp/expansion/lions_classic/

   

■福岡・ヤフードームでの復刻モデルユニホーム着用試合
西鉄メモリアルデー
 7月15日(火)18時~ ソフトバンク対西武戦
 7月16日(水)18時~ ソフトバンク対西武戦

概要は福岡ソフトバンクホークス公式サイト内のニュースリリースにて
http://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/1137.html

      

 西鉄ライオンズの存在は、その全盛期である1950年代後半からすでに50年以上たった今では、もはや伝説の域になっていますが、こういった形で昔のチームをしのぶのは大変素晴らしいことですね。
 オールドファンはもとより、その時代を知らなかったプロ野球ファンの方々が、昔のプロ野球を知ることで、ますます興味を持ってくれたら幸いです。

      

(編集部・プロ野球担当班)

2008-05-22

『中学野球小僧』編集部の取材日誌(5月22日)

Wada次号の『中学野球小僧』7月号に和田毅投手が登場するぞ!

▼日本を代表するサウスポーに会う!

 現在、編集作業が佳境に入っている『中学野球小僧』7月号。取材班は先日、福岡へ飛びました。
 福岡といえば、ソフトバンクホークス。
 交流戦直前の大事な時期、快くインタビューに応じてくれたのは、パ・リーグを…というより、日本を代表する左腕・和田毅投手
『野球小僧』が和田投手にインタビューするのは2回目。1回目は和田投手が早稲田大学4年生、ドラフト直前の時期でした。
「いつも、大学生協の書店で買ってますよ。2冊買って、1冊はオヤジに送るんです。地元の島根では『野球小僧』が売っていないみたいで…」
 そう話していた和田投手。あれから6年、島根県では『野球小僧』が手に入るようになったのでしょうか…?

        

▼球速は徐々にではなく「一気に上がった」!

Wada02球速が一気に上がった秘密とは? 「こんな感じで…」と身振り手振りで教えてくれた和田投手

 高校時代は甲子園に2回出場したものの、ストレートの球速は130キロに届くかどうか、というレベルだった和田投手。甲子園で活躍していた「松坂世代」の同級生を見て、「こういうヤツらがプロに行くんだろうな。スカウトがオレなんかを見にくるわけないな」と思っていたそうです。
 それが、早稲田大学のエースとしてリーグ優勝に貢献するのはもちろん、東京六大学リーグの奪三振新記録も樹立。大学入学後の和田投手に訪れた、「一気に球速が上がった」という驚異の成長の秘密とは一体…?
 という話は、6月10日発売『中学野球小僧』にて。発売日まで、しばしお待ちください!

(『中学野球小僧』取材班)

2008-05-21

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第77回-

080521_okadatop 2006年4月1日より始まったオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。本日で77回目です。縁起のいい数字ですね。

 大阪・履正社高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから、「ナニワのゴジラ」という異名がついた岡田選手。
 2005年の高校生ドラフトで、オリックスに1巡目で指名されて入団。2年目の昨年は、シーズン前半こそ不調だったものの、北京で開かれたオリンピックプレ大会での活躍を契機に後半復調しました。
 そして、期待がかかった3年目。開幕は2軍スタートとなったものの、ウェスタンリーグでは出だしから好調。明らかに風の向きが変わり始めています。
 そんな「ナニワのゴジラ」が奮闘する姿を、高校生の頃から岡田選手を取材し続けてきたライター・谷上史朗氏の視線でレポートいたします。今回はどんな内容になっているでしょうか?

      

コリンズ監督、電撃辞任

 5月21日の夜、遅い取材が終わりタクシーに乗っていると、ラジオからのニュースに驚いた。
「プロ野球オリックスバファローズのテリー・コリンズ監督が辞任することが21日、オリックス球団から発表されました。コリンズ監督は…」

Collins5月21日の阪神戦を最後に辞任することを発表したコリンズ監督

 後半部分は電波状態が悪くなりよく聞こえなかったが、とにかくコリンズ監督が辞めるというのだ。その瞬間、僕の頭には、「なぜ?」「何があった?」「この時期になぜ?」と「?」「?」「?」がグルグルと回った。辞任というからにはコリンズ監督からの申し出なのだろう。しかし、よくある体裁を繕っての「辞任発表」ではないのか、と思ったり、辞任せざる得ない状況に持っていったのかも…、とか。あるいは、何かのきっかけでコリンズが爆発しての突発的な辞任では…と、想像は膨らんだ。

 しかし、とにもかくにもコリンズ監督が辞める。
 辞任の背景に頭を巡らせたあとに浮かんだのはやはり岡田のことだ。この一件で岡田はどうなるのか。原稿を書き始めた段階ではスポーツニュースも見ていないので「その後」の状況がわかっていないが、どうやら当面は大石大二郎ヘッドコーチが監督代行という形をとるようだ。
 大石ヘッドは岡田のプロ1年目にサーパスの監督を務めていた人で、ルーキー岡田を先発で起用し続けた“実績”もある。ただ、その後の岡田を大石ヘッドがどう見ていたかはわからない。それでも、昨年に続き今年もここまで1軍出場がなかった岡田にとって、今回の監督交代が状況を今より悪くさせることはないだろう。同じく今回の一件に目を輝かせている若手は多いだろう。次はそこからどう抜け出すかだ。
 ひとまず、コリンズ監督辞任に関する話はここまで。ここからは、元々頭から書く予定だった原稿をお届けしたい。

      

一輝が1軍で見せた姿を岡田はどう見たか

Ikki20日に行われた1軍の阪神戦で逆転タイムリーを放ち、お立ち台に立った一輝(写真はサーパスでプレー中のもの)

〈この表情はファームでは出ない…〉と、思った。
 5月20日、サーパスは高知ファイテンドッグスと交流戦を行なうことになっていた。
 当初、この試合を観戦する予定にしていたのだが、前日の夜に別件取材が決まり、観戦を断念。その取材を終えて夜、家に戻ってつけたテレビで、今年5年目を迎えた一輝の渾身の表情を見た。
 1軍が交流戦をスタートした初戦の阪神戦。試合は8回表に入るところだったが、そこで試合を振り返ってのVTRが流れ、一輝の活躍を知った。2-3と追い上げて、なお2死満塁のチャンス。ここで6番サードで今季初先発の一輝がウイリアムスからセンター前へ逆転タイムリーを放ったのだ。
 決して会心の当たりではなかった。しかし、ピッチャーの足元から二遊間のちょうど真ん中を抜けていった打球に一輝のこれまでの4年間を思った。
 〈抜けろ!〉画面からも伝わる必死の形相で一塁へ駆け出し、打球が抜けたことを確認すると「ヨッシャー!」の雄たけびと共にガッツポーズ。VTRを見ながら僕もジワッときた。
 入団以来、ファームで一輝と多くの時間を共に過ごしてきた岡田は、この活躍をどこで見たのだろう。そして、どう見たのだろう。1軍でのスタメン出場、お立ち台でのヒーローインタビュー、そしてあの表情を…。

       

平田良介(中日)の1軍起用にみる落合監督の期待

 もう1人、一輝の直後に1軍昇格を果たした選手にも、岡田のことが重なってきた。中日の平田良介だ。一輝から遅れること3日、16日にこの昇格を聞いた時、僕は驚いた。そしてまた、「やっぱり落合監督は違う」と思った。

Hirata昨年の日本シリーズなどで活躍した平田良介。今年は出遅れたが、ようやく1軍に昇格してきた

 平田はここまでウエスタンリーグで打率.181、規定打席到達者としては最低の打撃成績となる23位だった。それが1軍昇格で、即「7番センター」でスタメン出場なのだから、それは驚くというものだ。
 チーム事情はそれぞれにある。平田には昨年ポストシーズンでの活躍という実績もある。肩もかなり復調し、守れる強みがある。中日の投手陣を考えれば確かにこれは大きいだろう。一方で平田より成績を残しながら1軍に上がれない若手もいるわけで、そのあたりはどうなのか、という考えもあるだろう。
 ただ、落合監督の起用にひとつ思うのは、ファームでの実績と1軍での働きはイコールではないという点だ。また、〈プロに入って来たヤツはそれなりの力はみんな持ってる。力を出せる環境を作って起用するのが俺の仕事〉といわんばかりの面も感じる。
 そしてもうひとつ。落合監督は平田に対して、相当の期待を持っているということだ。〈こいつを一人前にしたい〉〈このチャンスをモノにして上がって来い!〉という思いを感じる。

 対して、これまでの岡田にはそういう期待を強く感じる場面がなかった。
 今季も出足から好調で、一時の高打率からは落ちたものの現在2割7分台をキープ。他のチームの若手の状況を見ていれば、1軍でチャンスをもらってもまったく不思議はない位置にいるのだ。ましてや、オリックスはリーグ最低打率は脱したとはいえ、名ばかりの実力者が揃う打線が一向に火を噴かないままなのだから。ローズはともかく、カブレラ、濱中あたりの使い方は考える時期にきているだろう。
 このあたりが新首脳陣となってどうなるか。是非、大石監督代行にはチームを作り直してほしい。まだまだ勝負にはこだわりつつも、一方では来年を見据え、若手をどんどん使ってほしい。

       

#54の次は#55だ!

 そして、当の岡田本人はというと、前回更新以降の成績は下記の通り。

13日 対阪神(鳴尾浜)5打数1安打 1三振
14日 対阪神(鳴尾浜)3打数1安打 1三振
15日 対阪神(鳴尾浜)3打数1安打 1三振 1四球
16日 対ソフトバンク(北神戸)3打数1安打 2三振
17日 対ソフトバンク(北神戸)3打数1安打 1三振 1四球 
18日 対ソフトバンク(丹波)2打数1安打 1四球
20日 対高知ファイティングドッグス 出場なし

Oishidaijiro監督代行の任に着いた大石大二郎氏。2軍監督時代は岡田をファームで辛抱強く起用し続けた

 13、14日は5番、15日は3番で16日からは7番。爆発といった数字ではないが、しぶとくヒット1本、四球1つを選んでいる印象だ。ここまでの17四球は桜井広大(阪神)と並びリーグトップ。出塁率の.375も新井良太(中日)に次ぐ2位。
 また、18日の1安打は前回の対戦で抑えられた新垣渚から放ったレフト前ヒット。一報をメールで知らせてくれた「岡田貴弘選手を応援する会」のYさんに、僕は「これも成長!」と書いて返信したが、地味ではあっても小さなこと1つ1つに成長を感じる場面が多くなった。
 打率もグッと落ち込んだ前回更新時より持ち直した。しっかり力を蓄え、さあ、仕切り直しだ。
 54(一輝の背番号)の次は55、今度こその爆発に期待したい。

       

■2008年ファーム成績(5月21日現在)
32試合 109打数30安打 2本塁打 12打点 15四死球 27三振 打率.275(打撃成績6位)

(取材・本文/谷上史朗)

このシリーズは毎月1日、11日、21日頃に更新しています。次回更新は6月2日の予定です。

2008-05-20

高校野球春季関東地区大会レポート(5月17日)

 17日から山梨でスタートした関東大会。開幕日は甲府市の小瀬スポーツ公園野球場で開幕式が行われた後、同球場で3試合、富士吉田市の富士北麓公園野球場で2試合が行われました。
 富士北麓公園野球場のレポートについては前日の「下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」をご覧頂くとして、こちらでは小瀬スポーツ公園野球場の試合をレポートいたします。

      

▼開幕直後の第1試合から熱戦が展開

 小瀬球場の方は開幕式直後の第1試合の市立柏(千葉)対日大三(東京)戦から息もつかせぬ好試合でした。
 日大三の先発投手・関谷亮太選手のスキのない投球に対し、市立柏先発の松村直弥選手は時折制球を乱し、走者を出しながらも要所を締め、試合はゼロ行進のまま9回へ突入。9回表に市立柏が7番・岡田弘樹選手の押し出し四球によって待望の1点が入りましたが、その裏に日大三が1番・田中洋平選手の2点タイムリーが出て劇的なサヨナラ勝ちを収めました。

        

Matsunaga_fujigakuen身長162センチと小柄ながら横浜打線を翻弄した松永和也投手。試合の空気を読める好選手だ

▼第2試合は山梨・富士学苑が健闘し延長戦へ

 続く第2試合の横浜(神奈川)対富士学苑(山梨)との対戦も大熱戦となりました。昨秋の明治神宮大会では準優勝、今春センバツこそ初戦で敗退したものの、関東地区では指折りの強豪である横浜と、かたや山梨県4位で出場してきた富士学苑との対戦であれば、この勝負は横浜の圧勝では? という戦前の雰囲気もあった中、富士学苑は初回に5番・浅川仁路選手の犠飛で早々と1点を先取。その後、加藤雅也選手、倉本晃選手、そして背番号1の松永和也選手と前半から小刻みな継投策で横浜打線を翻弄し、試合は2対2のまま延長戦に突入しました。

 横浜打線は、4回に小川健太選手の犠飛などで2点を挙げたものの、4回途中からマウンドに上がった162センチの小さなエース・松永投手の緩急自在の投球に翻弄され沈黙。「マシン打撃の弊害が出た」と、試合後、横浜の渡辺元智監督が語ったように、左腕から110キロ台中心のストレートと、縦に変化するブレーキの効いた90キロ台のカーブをテンポも良く投げ込み、牽制のタイミングや間のとりかたも上手い松永投手の“巧投”により、横浜は9回までノーヒットに抑えられる屈辱を味わいました。

 一方、横浜先発左腕の土屋健二選手は毎回のように鋭い当たりを打たれ、7回表に富士学苑9番打者の近藤隆介選手に同点本塁打を打たれるなど、ピリッとしないながらも要所を抑え、試合は延長戦に突入。最後は11回裏1死一塁から1番・松本幸一郎選手のサヨナラヒットが出て横浜が辛くも勝利を収めました。

      

▼第3試合は千葉・木更津総合が勝利

Tanaka_kisarazusogo_2左腕からキレのいい速球とスライダーを投げる木更津総合先発の田中優選手。この日は球筋が不安定だったものの、3失点でまとめた

 そして、第3試合は木更津総合(千葉)対宇都宮工(栃木)の対戦。ここでは、千葉県大会決勝戦でノーヒットノーランを達成した左腕エース・田中優選手に注目が集まりました。
 「県大会決勝戦の後、雨が降ったりして練習試合で登板することができず、ぶつけ本番になってしまったため、今日はストライクボールがハッキリしていてあまり良くなかった」とは、試合後の五島卓道監督のコメント。田中投手のこの日のストレートは、いいときで135~136キロ。評判のスライダーは、しっかり指にかかったときにはショートバウンドに近いボールでも空振りをとるシーンが見られましたが、逆ダマが多かったり、明らかなボール球が何球か続くなど、確かに制球に苦労しているように見受けられました。
 しかし、それでもスタメンに右打者が8人並び、思い切りのいいスイングをしてくる宇都宮工打線を相手に、5安打3失点(4四球)。苦しみながらも試合を作れるところを見せました。
 また、打線の方は、大型捕手として注目の4番打者・地引雄貴選手が、先制のタイムリーヒットやレフトフェンス直撃の2点二塁打を含む3安打4打点と大爆発。3番の佐伯隼士選手ら上位打線も軒並み好調で、4対3の1点リードで迎えた4回裏に一挙4得点で5点差にすると、そのまま8対3で逃げ切りました。

      

Nakayoku_utsunomiyakoガッシリした体格の中能佑輔選手。捕手としての動きに鈍さは感じたが、本塁打を放つなど思い切りのいいパワースイングは◎だ

▼将来性豊かな選手多い宇都宮工

 一方の宇都宮工も、木更津総合に敗れはしたものの、先制されてもすぐ追いつき、引き離されてもさらに食らいつく野球を展開、前半の粘りは見事でした。
 しかし、1点差に迫った4回表は、さらに1死三塁という絶好の場面で痛恨のサイン見落とし。スクイズを決められずに同点期を逃しました。
 大森一之監督「あそこで決められなかったのが…」と悔しさを隠せない表情でしたが、「(地区大会という)こういう場で試合をすることが出来たこと自体が収穫ですし、そうしなくてはいけない」と、県外での公式戦で得られた貴重な経験を生かして、来る夏の大会へ気持ちを切り替えていました。
 また、宇都宮工で気付いたのは、中心選手に体格のいい選手が多かったことです。2年生で4番・ファーストの山口仁之選手が178センチ84キロ、5番・キャッチャーの中能佑輔選手が175センチ82キロ、1番・センターの大塚克樹選手が176センチ73キロとという数字なのですが、みなそれ以上に思えるほどガッシリとした体つきでした。
 その点について大森監督改めて伺ったところ、「もちろん、技術も大切ですが、それだけでは強くなれませんので、体作りのことも考えてやっています」とのこと。夏の大会はもちろんのこと、その先の将来性も豊かな宇都宮工の選手達に今後も注目です。

        

■高校野球春季関東地区大会の結果
<17日>
▼小瀬スポーツ公園野球場
 日大三 ○2対1● 市立柏(9回サヨナラ)
 横浜 ○3対2● 富士学苑(延長11回サヨナラ)
 宇都宮工 ●3対8○ 木更津総合

※以下、他球場およびその後の試合結果

Jibiki_kisarazusogo木更津総合の攻守の中心・地引雄貴選手。強打の長身捕手として要注目!

▼富士北麓公園野球場
 桐生第一 ●1対5○ 甲府工
 霞ヶ浦 ○4対3● 浦和学院

<18日>
▼小瀬スポーツ公園野球場
 聖望学園 ●6対7○ 甲府工(延長11回)
 東海大相模 ○8対5● 山梨学院
 霞ヶ浦 ●1対4○ 帝京
 東海大甲府 ●0対2○ 市立川越

▼富士北麓公園野球場
 常総学院 ○6対4● 日大三
 前橋育英 ○5対0● 栃木工
 横浜 ○5対3● 千葉経大附

<19日・準々決勝>
▼小瀬スポーツ公園野球場
 甲府工 ●3対6○ 木更津総合(延長11回)
 東海大相模 ○10対2● 帝京(7回コールド)

▼富士北麓公園野球場
 市立川越 ●1対6○ 常総学院
 前橋育英 ●1対4○ 横浜

      

(編集部・田中)

2008-05-19

下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」 第55回

 どうも、下っ端編集部員の池田です。
 編集部は現在、6月10日発売の『中学野球小僧7月号』の取材真っ盛り!
 相変わらずてんやわんやの状態で日本全国津々浦々を飛び回っています。
 そんな生活の中での楽しみが、全国の名物料理との出会い。
 先週、取材で訪れた水戸で食べた冷たい納豆そばは、スリーベースヒット級でした。
 皆さんの地元でオススメの食べ物があったら、教えてください。
 お金と時間に余裕があれば、取材で訪れた際にモリモリ食べます!

■関東大会珍道中
 先週は取材の合間を見計らって、開幕したばかりの高校野球春季関東大会を観戦に行ってきました。
 今年の関東大会の会場は山梨県。
 当初はツーリングを兼ねて、愛車のバイクでブイーンで「いざ、山梨!」と考えていたのですが、5月特有の微妙な肌寒さに心が折れて、結局は友人のポンコツ車を駆って山梨を目指すことになりました。
 東京から2時間弱。目指す小瀬スポーツ公園が近づいてきました。
 周囲には美味しそうな山梨名物のほうとう屋がズラリと並んでいて、不覚にも一瞬、試合のことも忘れて「取材が終わったら、どのほうとう屋に行こうか」ということで頭がいっぱいになってしまいました。
 脳内を占領しようとするアツアツの太麺たちの誘惑を、何とか断ち切ったところで小瀬スポーツ公園に到着。
 颯爽と車(ポンコツ)から降り立った下っ端の耳に、「●●君に替えて◎◎君」というアナウンスが聞こえてきました。
「おかしいな、試合開始までは時間があるのに。代打ってことは試合終盤? どういうことだ…」
 ………(約30秒)………あっ、試合会場間違えた。
 関東大会の試合会場は下っ端が向かった小瀬スポーツ公園と、富士北麓公園の2カ所。
 約10時間前の前日の夜、編集部で誰がどこに行く、という分担をしたにもかかわらず、試合会場を間違えてしまったのです。
 不幸中の幸いと言っていいのか、小瀬の第1試合は9時45分からですが、下っ端が本来行くべきの富士北麓公園の第1試合は11時45分開始。
 小瀬に到着したのが、11時くらいだったので、富士北麓公園まで約60キロ。
 高速道路をポンコツ車でブイーンと飛ばして、何とか富士北麓公園の第1試合の序盤に会場入りすることができました。
 サラバ、ほうとう…。

Tanzawa1失点完投の好投を見せた注目左腕・丹澤投手

■注目左腕・丹澤賢!
 第1試合は桐生一(群馬2位)と地元・甲府工(山梨3位)の試合。
 この試合で目立ったのが、背番号8ながら先発マウンドを任された甲府工の左腕・丹澤賢投手です。
 初回に4点を先制すると、そのアドバンテージを存分に生かして、気負いのないいい具合に力が抜けたピッチングで完投勝利。
 失点もソロホームランの1点に抑えました。
 ビュッと力強い腕の振りと球威十分の真っすぐが印象的でした。
 甲府工は翌日の2回戦でセンバツ準優勝の聖望学園(埼玉推薦)も撃破!
 丹澤投手と背番号1の二宮佑人投手、2年生の小俣駿投手らも控える投手陣は、本番の夏も要注目です。
 第2試合では岡本力耶投手大塚貴浩投手という2人の好投手を擁する霞ヶ浦(茨城2位)が浦和学院(埼玉3位)との接戦を4対3で制して初戦突破。
 初回に橿村選手が放った満塁ホームランを、岡本、大塚のリレーで守り抜きました。
 翌日の2回戦で帝京(東京1位)に1対4で敗れてしまいましたが、夏に向けて要チェックのチームであることは間違いなしです。
 
 熱戦が繰り広げられている春季関東大会。
 明日(20日)は小瀬スポーツ公園で準決勝2試合が予定されています。
 第1試合は、準々決勝で甲府工を下した木更津総合(千葉1位)と、同じく準々決勝で帝京にコールド勝ちした東海大相模(神奈川1位)。
 第2試合は2試合3失点で勝ち上がってきた堅守の常総学院(茨城1位)と、接戦をものにして3連勝で勢いに乗る横浜(神奈川2位)。
 どちらも目が離せない好ゲームが期待できそうです。
 お時間のある方はぜひ球場へ!
 間違って富士北麓公園に行かないように注意してください。

池田勇樹(いけだ・ゆうき)
▼1983年生まれ、東京都出身。編集部員。右投右打。180センチ90キロ。都立国分寺高から法政大を経て、2006年4月白夜書房にテスト入団。同7月『野球小僧』編集部配属。酒と読書と筋トレをこよなく愛す。本当に立ち上がれないくらいのダメージを受けると、考えを言葉にまとめられないどころか、考えること自体ができなくなるということを知りました。何も言えず、何も考えられず、ただ下を向くばかり。

※池田くんの記事に対するコメントを募集しています
ご意見、励まし、質問等々何でも構いません。ぜひ記事下のコメント欄にお書き込みください。本人が誠心誠意を持ってご返答致します。(誹謗、中傷、記事と関係ない広告等については、編集部の判断で承認を見送ることがありますのでご了承ください)。

2008-05-16

17日から春季関東地区高等学校野球大会が開幕

 九州大会を皮切りに始まった春季高校野球地区大会。ゴールデンウィークに行われた四国を経て、いよいよ明日17日から21日にかけては山梨で関東大会が開催されます。

▼注目選手は誰だ?

Ohta関東を代表する大型内野手、大田泰示選手(東海大相模)。甲子園には出場したことがないが、注目選手としてマークしている高校野球好きも多い

 春の関東は茨城、千葉、栃木、群馬、東京、神奈川、埼玉、山梨の8都県から20校が参加。東京都大会の上位校も参加するのが秋とはまた異なる点です。センバツで上位に進出した聖望学園や千葉経大付も出場しますので、かなり見どころのある大会になりそうです。
 ただし、『野球小僧』的な観戦となると、地区大会の魅力はむしろセンバツに出場しなかったチームや選手が他県のチーム相手にどういうプレーをするかでしょう。

 東海大相模の大田泰示選手もそういった選手のひとり。188センチ87キロという恵まれた体格から独特の低く鋭い打球を放ち、守備や走塁でも常にガッツむき出しのプレースタイルが魅力ですが、まだ全国の舞台に立ったことがありません。
 サードのレギュラーとしてすでに活躍していた昨年夏の神奈川県大会は、好投手・菅野智之選手(東海大へ進学し、早くもリーグ戦で登板)をエースに擁し、準決勝でライバルの横浜に勝利していながら決勝で惜敗。新チームとなった昨年の秋季大会も県大会準々決勝で横浜に敗れ、センバツの夢は消え去りました。
 最後の夏に向け、現在は4番・ショートでチーム牽引している大田選手の状態をチェックするにはまたとないチャンス。県外での公式試合でどれだけの力を発揮できるか、要注目です。東海大相模が登場するのは、大会2日目となる18日の第2試合。小瀬スポーツ公園野球場にて、山梨学院大付と対戦します。
 また、この日は第1試合に聖望学園が登場、第3試合以後も帝京や東海大甲府といった有望選手ひしめくチームが続々出てきます。
 日曜日ということで球場にはかなりの数の高校野球ファンが観戦に来そうな予感がします。いい場所で観戦したい方は、いつもより少し早めに家を出た方がいいかもしれません。

         

■神奈川県高野連のサイト
http://www21.ocn.ne.jp/~khbf/index.html

         

▼その他の地区大会結果とスケジュール(開催初日順)

●九州地区大会(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄から18校)
 4月19~24日 長崎・長崎ビッグNスタジアムほか

Mishima九州大会を制した福岡工の右腕、三島一輝選手。肩の可動範囲が大変広いフォームから投げる快速球が印象的

 優勝:福岡工 準優勝:浦添商

●四国地区大会(香川、福島、愛媛、高知から8校)
 5月3~5日 香川・サーパススタジアムほか

 優勝:明徳義塾 準優勝:今治西 

●関東地区大会(栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨から20校)
 5月17~21日 山梨・小瀬スポーツ公園野球場ほか

●東海地区大会(静岡、岐阜、愛知、三重から8校)
 5月23~25日 静岡・草薙球場ほか

●近畿地区大会(滋賀、京都、奈良、大阪、和歌山、兵庫から8校)
 5月24、25、31日、6月1日 京都・西京極球場

●北海道大会(16校の予定)
 5月28日~6月3日(予定) 札幌市・円山球場ほか

●中国地区大会(岡山、鳥取、広島、島根、山口から8校)
 6月7~9日 山口・宇部市野球場

●北信越地区大会(新潟、長野、富山、石川、福井から12校)
 6月7~10日 石川・石川県立球場ほか

●東北地区大会(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島から18校)
 6月12~16日 山形・山形蔵王タカミヤホテルズスタジアムほか

       

■予定等の再確認は財団法人日本高等学校野球連盟の公式サイトへ
http://www.jhbf.or.jp/

            

(編集部・高校野球担当)

2008-05-15

『中学野球小僧』編集部の取材日誌(5月15日)

Teacher_tights01_2改装工事中の大工さん(70代男性)を床に転がし、「実験」を行うタイツ先生。お仕事中にスミマセン…

▼「その後」のタイツ先生は…?

 『中学野球小僧』でおなじみのタイツ先生こと吉澤雅之氏(自然身体構造研究所)。女性誌や地方ケーブルテレビへの出演を経て、ついに大人気番組『中井正広のブラックバラエティ』(日曜夜22時30分~/NTV系)への出演を果たしました!
(詳細はコチラ→http://kozo.boxerblog.com/kozo/cat2255038/index.html
 周りの反応は…?

「その時間にテレビを見ている方が、意外と少ないようで…」(助手の中井里江さん)

 ナイター中継後の枠ということで、野球を見終わって、テレビの前を離れてしまう人が多かったようです。タイツ先生、今後も出演予定があるとか。ナイター中継終了後も、油断しちゃいけません!

   

▼タイツ先生、絶好調です!

Teacher_tights02 ネクストバッターサークルでの過ごし方によって結果が変わる…!? 詳しくは『中学野球小僧』7月号で!

 周りの反応が薄くても、我らがタイツ先生は元気です!
 5月9日、『中学野球小僧』7月号取材のため、栃木県足利市を訪ねた取材班。「お待たせしました~!」と現れてタイツに着替えるやいなや、いつもの熱血モードに突入。
 当日は、スタジオ兼店舗が改装工事中ながら、お構いなし。しゃべる&動く→しゃべる&動く→しゃべる&動く…!!
 途中、工事に来ていた70代の大工さんをつかまえて「実験」を行うなど、体の構造を語り始めたら止まりません。初夏を思わせる暑さの午後、中学球児のために目いっぱいのパフォーマンスを見せてくれました。
 今号のテーマは「試合中にやって効果アリの動き」。試合シーズンを迎えているみなさん、絶対に見逃せませんよ。
 6月10日の発売を、お楽しみに!!

      

■中井正広のブラックバラエティ 公式サイト
 →http://www.ntv.co.jp/black/

       

(『中学野球小僧』取材班)

2008-05-14

【野球写真館】vol.216 もういくつ勝つと…

 07年5月2日のブログ記事(http://kozo.boxerblog.com/kozo/2007/05/vol189_4b7a.html)から突然復活した「野球写真館」。もとは『野球小僧』公式HPhttp://www.byakuya-shobo.co.jp/kozo/)でひっそり更新されていたコーナーです。

 編集部写真担当“撮っとこイノ太郎”が、『野球小僧』のドラフト候補選手名鑑やスカウティングレポート用に撮り歩いた写真を紹介します。

vol.216 もういくつ勝つと…Masa194wins   

 プロ25年目(!)のシーズンを迎えている、中日・山本昌投手。今季初登板は故障で途中降板(→登録抹消)しましたが、約1カ月後の再登録・即先発した広島戦で見事な快投を演じてくれました。これで通算194勝目です。

 そして、神宮に遠征してきたきょうもヤクルト相手に勝利をあげ、1つプラス。球団史上初という3,000投球回もクリアしたようですが・・・、勝手ながら「おめでとうございます」はもう少しガマンしようと思います。

2008年5月7日、ナゴヤドームにて撮影

※このコーナーは隔週で水曜日近辺に更新いたします。

過去、このブログに掲載された【野球写真館】は→こちら
(右側の「カテゴリー」にもリンクがあります)

vol.188以前は→こちらからご覧ください


Ino●撮っとこイノ太郎(イラスト/横山英史)
 1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。山羊座のB型で、最近聞かなくなった動物占いではコアラ。『野球小僧』編集部最古参の編集部員にして写真担当。硬式歴は皆無だが、一応右投両打。10年近く前、いろんな出会いに恵まれて『野球小僧』と関わり、現在に至る。02年末に生まれた可愛くて可愛くてしかたがない長女に加え、2006年には待望の長男も誕生した。2児の父となり、公私混同にますます拍車がかかりそうな、39歳。

2008-05-13

下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」 第54回

 どうも、下っ端編集部員の池田です。
 ゴールデンウイークが終わり、1週間が経ちました。
 皆さん、五月病になったりしていませんか?
 下っ端は、三度のメシより楽しみにしていたデート(?)が急に中止になっても、めげずに1人スタジアムに向かうなど、五月病どこ吹く風状態です。
 ちなみに下っ端、五月病になってしまった方のために、先日、フェルナンデス選手(楽天)に五月病に打ち勝つ方法を聞いてきました。
 そのアドバイスとは以下の通りです。参考にしてみてください。
フェルナンデス選手「五月病の解決法? それは常に自分にチャレンジし続けることさ。日本人は頑張り屋さんが多いと思うんだ。たまには、その頑張りを会社やチームのためじゃなくて、自分自身に向けてみてもいいかもね。会社や学校で与えられた仕事や役割に満足するってことはなかなかないと思う。でも、自分自身がちょっとでもよくなる方法を考えて、とにかくチャレンジしていけば、五月病も乗り越えられるはずさ。ボクならきっとそうするね」

Ryojiライターの瀬川ふみ子さんが「このオジサン(下っ端)が取材に来たの覚えてる?」と質問すると笑顔で「覚えてますよ~」と大塚投手。18歳から見れば、24歳はオジサンです…

■センバツ準優勝投手に直撃!!
 さて、今週の下っ端は6月10日発売の『中学野球小僧7月号』の取材で、センバツ準優勝の聖望学園・大塚椋司投手に話を聞いてきました。
 大塚投手は昨年の11月、12月に続き、3度目の取材になります。(2度目の取材の様子はこちら

 2度目の取材時に下っ端が当ブログで書いた「う~ん、なんか大舞台で結果を出しそうだなぁ」という大塚投手の印象は、結構当たってたんじゃないですかね?
 あれから5カ月、センバツ準優勝で一躍全国区に躍り出た大塚投手。
 取材前、「天狗になって、態度悪くなってたらどうしよう…」とドキドキしていましたが…、
 大塚投手、ビックリするくらい変わっていませんでした!
 相変わらずのおちゃめボーイっぷりで、中学時代を中心に自身の野球人生を語ってくれました。
 気になる中身は『中学野球小僧7月号』でご確認ください。
 1時間半にわたって繰り広げられた充実のロングインタビューの締めの質問(雑談?)は下っ端から。
 12月の取材で「ファンレターとかもらったことないっすね~」と悲しげな目をしてつぶやいた大塚投手に、「あれからファンレターきた?」と質問。
 センバツで爽やかスマイルを振りまいて準優勝ですからね。
 当然「ダンボールでどっさり!」という回答を期待していたのですが、返ってきた答えは「全然ないっす」。
 なんだか、大塚投手とはスゴく仲良くなれそうな気がします。

 そんな大塚投手は17日に開幕する関東大会に登場予定です。
 埼玉県大会では、エース温存という形で登板機会がほとんどなく、「投げたくてウズウズしていた」という大塚投手。
 関東大会では、たまっていた鬱憤を爆発させてもらいましょう。
 ドラフト候補としても大きな注目を集める大塚投手、これからも要注目です!

池田勇樹(いけだ・ゆうき)
▼1983年生まれ、東京都出身。編集部員。右投右打。180センチ90キロ。都立国分寺高から法政大を経て、2006年4月白夜書房にテスト入団。同7月『野球小僧』編集部配属。酒と読書と筋トレをこよなく愛す。取材で地方に行くたびにお土産を買うが、なかなか逢ってもらえないので渡せていないお土産が部屋にたまる一方。近いうちにお土産屋をオープンさせられそうな勢い。

※池田くんの記事に対するコメントを募集しています
ご意見、励まし、質問等々何でも構いません。ぜひ記事下のコメント欄にお書き込みください。本人が誠心誠意を持ってご返答致します。(誹謗、中傷、記事と関係ない広告等については、編集部の判断で承認を見送ることがありますのでご了承ください)。

2008-05-12

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第76回-

080512okada_top 2006年4月1日より始まったオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。本日で76回目を迎えております。

 大阪・履正社高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから、「ナニワのゴジラ」という異名がついた岡田選手。
 2005年の高校生ドラフトで、オリックスに1巡目で指名されて入団。2年目の昨年は、シーズン前半こそ不調だったものの、北京で開かれたオリンピックプレ大会での活躍を契機に後半復調しました。
 そして、期待がかかった3年目。開幕は2軍スタートとなったものの、ウェスタンリーグでは出だしから好調。明らかに風の向きが変わり始めています。
 そんな「ナニワのゴジラ」が奮闘する姿を、高校生の頃から岡田選手を取材し続けてきたライター・谷上史朗氏の視線でレポートいたします。今回はどんな内容になっているでしょうか?

         

成長の跡

 「最近の岡田はどうですか?」と、尋ねてきたのは履正社高校の岡田監督。
 開催中の高校野球春季大阪大会でベスト4に勝ち上がった11日の試合直後に顔を合わせると、こう逆取材された。
 そこで岡田の近況について、簡単に書けば「悪くないし、確実に成長はしています。あとは試合でどう結果を出すか」と返しておいた。

 ひいき目かも、地味なものかもしれないが、「確実な成長」を感じたのは5月7日に京セラドームで行なわれた広島戦。この日はナイターで1軍のオリックス対ロッテ戦が行なわれるため、その前、朝の10時45分開始の親子ゲームだった。
 通常12時半からの試合開始なら10時過ぎからサーパスのバッティング練習が始まるが、この日はすべてが繰上げの短縮バージョン。8時半にグラウンドへ着くとすでにサーパスのバッティング中で、ちょうど岡田が打っていた。
 じっくりは見られなかったが、フリーバッティングでの感じは悪くはない。
 全体のバッティングが終わると、岡田にはベンチ前でケーブルテレビのインタビューが待っていた。

「さあ、今日は我らが期待のナニワのゴジラ、岡田選手に登場してもらいます!」

 ハイテンションな女性レポーターの前でやや押され気味の岡田。
 その様子を僕と一緒に見ていた1軍の佐藤広報は「いろいろイベントにも引っ張り出してトークも鍛えていかないとねえ」と笑っていた。そんな機会を増やすためにも1軍だ!
 インタビューが終わり、ベンチへ戻ってきたところで軽く声をかけた。
 「絶不調は脱した?」と聞くと、ニヤッとしたあと「まあ、そんな悪くはないんですけど」。「この間の関西メディカル戦のあとの特打ちは凄かったけどなあ」と続けると、「あの時は自分でもよかったです。でも、何が良かったんかは…」。
 このところ話を聞くと、だいたいこういう感じになるのだが、打ってみないとその日の状態がわからない。何がどうなるといいのか、何がどうなると悪いのか、がまだ掴めていないのだ。
 もちろん、自分でのその点は自覚していて「なかなかいい時が定着しないんですよね」。

         

080512score「4番岡田、5番清原」と並んだこの日のサーパスのオーダー

4番岡田、5番清原

 この日のサーパスのスタメンには3日に復帰した清原も登場した。
「4番岡田、5番清原」の並びには、やはり特別なものを感じたが、岡田にそのあたりの感想を求めると、しばらくあってこう返って来た。

「切れないですよね」

 瞬時に意味が理解できず、ちょっと考えた。そして、清原自身のことを指しているのかと思った。故障続きの中でも気持ちを切らさずにやっていると…。
 しかし、そうではなかった。真意は「イニングの最後とかで僕で攻撃が終われないってことです」。
 な~るほど。確かに、ここ数日はスタンドもマスコミも注目は清原一色。2死で岡田に打席が回ってこようものなら、それも最終回にでも回ってこようものなら、〈自分では終われない〉ということだったのだ。
 「それはいろいろ気を遣います」と言った言葉に、岡田らしいなあ、と思いながら、それもひとつの経験。プレッシャーや刺激がある中でプレーできることは、恵まれているのだ。
 最後に「今日はコリンズも来るんやんな?」と聞くと「だと思います」。「一発いきたいな」の誘いに「はい」と表情を引き締めベンチ裏へ消えていった。

        

四球の急増

 さて、そんな中で試合は始まった。
 広島先発は今井啓介。結果を先に言うとこの日の岡田は2打数1安打、1四球。
 まず第1打席は2死二塁で回ってきたが、フォアボールで歩いた。
 次がまだ万全の状態には程遠い清原ということもあったのか、勝負にはきていたが結果はストレートのフォアボール。2席目は2死一、三塁のチャンスにセカンドゴロ。初球、真ん中近辺の真っすぐに見えた球でタイミングも合っていた。が、ちょっと力が入ったのか。もったいない当たりだった。
 3打席目は再びフォアボール。広島先発の今井啓介は明らかに岡田には投げにくそうだった。今井は岡田と同じ高卒3年目。やはり同期の中で「岡田貴弘」の名は特別な響きがあるのだろうと思う一方、この2つで今季14個目となったフォアボールの数に岡田の成長を感じた。

080512okada_batting_2岡田の成長の跡は、四球の数にも見られる。昨年までのもろさが減り、相手に与えるプレッシャーも増した

 1年目は82試合、319打席で17個(18.76打席で1個)、2年目は68試合、256打席で14個(18.28打席で1個)。それが今シーズンはこの試合が終わった時点で25試合、103打席で14個。7.36打席に1個の割合で選んでいることになる。
 この“急増”の裏には、まずバッティング技術の向上があるはずだ。追い込まれたあとのストライクからボールになる変化球を見極められるようになり、簡単にバットも空を切らなくなった。打席の中でもこれまでより余裕が生まれ、ボールもよく見えるようになっているはずだ(加えてレーシック手術の効果も!?)。
 そうなると、この日のように相手投手も〈簡単にストライクを取りにいくと持っていかれるんじゃないか〉と、感じるのだろう。その思いがピッチングを慎重にさせボール球を多くさせる。この日の2四球にそんな成長を感じながら見た。

   

清原の持つ勝負強さ

 ここで5番清原の話題にも少し触れておく。
 岡田の2つ目の四球でチャンスを広げた5回2死満塁の場面で、見事、右中間へ走者一掃のタイムリーツーベース。1000人弱のスタンドの期待に応えるバッティングで、清原はその日の主役になった。
 この試合の打撃成績は、3打数1安打で前の2打席は連続三振。その中では今井の130キロ台後半のストレートにバットが合わず、真っすぐは4球すべて空振りだった。

080512kiyoharaこれまでにも多くの修羅場で勝負強さを示してきた清原和博。故障からの復帰を目指す姿を間近で見て、岡田はどう感じたか?

 本人が「まだまだリハビリの一環。(1軍)どうこういうレベルじゃない」と言っている通り、ようやく7、8分の力で振れるところまで来たというのが現状だ。
 試合前のフリーバッティングも目慣らし程度で、打席に立ってもフルスイングはせず、ほとんどが当てるだけ。まだまだ時間はかかりそうだ。
 しかし、そんな中での第3打席。
 この試合5回目となる空振りのあと、1-1からの外寄りの真っすぐに初めてバットが当たった。すると打球はセカンドの頭もフラッと超えて右中間をゴロで転々…。3人のランナーを全てホームに迎え入れた。決して痛烈な当たりではなかったが、こういうチャンスで結果を出すのが清原。この勝負強さは岡田も継いでいってほしい。

       

甘い球をひと振りで捉えよ!

 話を戻して岡田の第4打席。ここでは左腕・広池からセンター前にヒットを放った。
 この1本にも、先の四球の話にもつながる成長を感じた。
 打ったのは2-2からの真ん中低めのスライダーか、少し抜いたボール。サウスポーのそんな決め球に、去年までの岡田なら態勢を崩して空振り三振となってもおかしくなかった。それが体を何とか残して最後は右手で拾ってセンター前へ落とす。こういうバッティングをされると、相手投手には「手強いな」という印象が残るだろうし、サーパスベンチの信頼感は徐々に増していくはずだ。
 豪快な一発は見られなかったが、2つのフォアボールに渋い1本のヒットは、僕の気分を明るくしてくれるものだった。
 確実に成長中。一塁側の記者席から試合を見ていたコリンズの目にもきっとそう映ったことだろう(?)。
 これからは、いかにミスショットをなくすことができるか。相手が警戒してくるということは、当然、甘いボールがくる確率は減るということ。1打席の中で1球あるかないかの好球をいかに捉えるか。この日も、第2打席にセカンドゴロに倒れた真っすぐや、第4打席にもファウルにした甘いスライダーがあった。これらを捉える確率が上がれば、1軍もグッと近づいてくるはずだ。

 岡田ファンのみなさん、爆発の日までもう少し、お待ち下さい!

080512okada_kiyohara左に清原、右に岡田。この姿をぜひ、オリックスのユニホーム姿で今年中に見てみたい

        

★更新前日の11日、ヤフードームで行なわれたソフトバンク戦は3打数ノーヒットで3三振。最後は代打を送られていたが、ソフ