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2008-05-20

高校野球春季関東地区大会レポート(5月17日)

 17日から山梨でスタートした関東大会。開幕日は甲府市の小瀬スポーツ公園野球場で開幕式が行われた後、同球場で3試合、富士吉田市の富士北麓公園野球場で2試合が行われました。
 富士北麓公園野球場のレポートについては前日の「下っ端編集部員・池田の「早く1軍になりたい!」をご覧頂くとして、こちらでは小瀬スポーツ公園野球場の試合をレポートいたします。

      

▼開幕直後の第1試合から熱戦が展開

 小瀬球場の方は開幕式直後の第1試合の市立柏(千葉)対日大三(東京)戦から息もつかせぬ好試合でした。
 日大三の先発投手・関谷亮太選手のスキのない投球に対し、市立柏先発の松村直弥選手は時折制球を乱し、走者を出しながらも要所を締め、試合はゼロ行進のまま9回へ突入。9回表に市立柏が7番・岡田弘樹選手の押し出し四球によって待望の1点が入りましたが、その裏に日大三が1番・田中洋平選手の2点タイムリーが出て劇的なサヨナラ勝ちを収めました。

        

Matsunaga_fujigakuen身長162センチと小柄ながら横浜打線を翻弄した松永和也投手。試合の空気を読める好選手だ

▼第2試合は山梨・富士学苑が健闘し延長戦へ

 続く第2試合の横浜(神奈川)対富士学苑(山梨)との対戦も大熱戦となりました。昨秋の明治神宮大会では準優勝、今春センバツこそ初戦で敗退したものの、関東地区では指折りの強豪である横浜と、かたや山梨県4位で出場してきた富士学苑との対戦であれば、この勝負は横浜の圧勝では? という戦前の雰囲気もあった中、富士学苑は初回に5番・浅川仁路選手の犠飛で早々と1点を先取。その後、加藤雅也選手、倉本晃選手、そして背番号1の松永和也選手と前半から小刻みな継投策で横浜打線を翻弄し、試合は2対2のまま延長戦に突入しました。

 横浜打線は、4回に小川健太選手の犠飛などで2点を挙げたものの、4回途中からマウンドに上がった162センチの小さなエース・松永投手の緩急自在の投球に翻弄され沈黙。「マシン打撃の弊害が出た」と、試合後、横浜の渡辺元智監督が語ったように、左腕から110キロ台中心のストレートと、縦に変化するブレーキの効いた90キロ台のカーブをテンポも良く投げ込み、牽制のタイミングや間のとりかたも上手い松永投手の“巧投”により、横浜は9回までノーヒットに抑えられる屈辱を味わいました。

 一方、横浜先発左腕の土屋健二選手は毎回のように鋭い当たりを打たれ、7回表に富士学苑9番打者の近藤隆介選手に同点本塁打を打たれるなど、ピリッとしないながらも要所を抑え、試合は延長戦に突入。最後は11回裏1死一塁から1番・松本幸一郎選手のサヨナラヒットが出て横浜が辛くも勝利を収めました。

      

▼第3試合は千葉・木更津総合が勝利

Tanaka_kisarazusogo_2左腕からキレのいい速球とスライダーを投げる木更津総合先発の田中優選手。この日は球筋が不安定だったものの、3失点でまとめた

 そして、第3試合は木更津総合(千葉)対宇都宮工(栃木)の対戦。ここでは、千葉県大会決勝戦でノーヒットノーランを達成した左腕エース・田中優選手に注目が集まりました。
 「県大会決勝戦の後、雨が降ったりして練習試合で登板することができず、ぶつけ本番になってしまったため、今日はストライクボールがハッキリしていてあまり良くなかった」とは、試合後の五島卓道監督のコメント。田中投手のこの日のストレートは、いいときで135~136キロ。評判のスライダーは、しっかり指にかかったときにはショートバウンドに近いボールでも空振りをとるシーンが見られましたが、逆ダマが多かったり、明らかなボール球が何球か続くなど、確かに制球に苦労しているように見受けられました。
 しかし、それでもスタメンに右打者が8人並び、思い切りのいいスイングをしてくる宇都宮工打線を相手に、5安打3失点(4四球)。苦しみながらも試合を作れるところを見せました。
 また、打線の方は、大型捕手として注目の4番打者・地引雄貴選手が、先制のタイムリーヒットやレフトフェンス直撃の2点二塁打を含む3安打4打点と大爆発。3番の佐伯隼士選手ら上位打線も軒並み好調で、4対3の1点リードで迎えた4回裏に一挙4得点で5点差にすると、そのまま8対3で逃げ切りました。

      

Nakayoku_utsunomiyakoガッシリした体格の中能佑輔選手。捕手としての動きに鈍さは感じたが、本塁打を放つなど思い切りのいいパワースイングは◎だ

▼将来性豊かな選手多い宇都宮工

 一方の宇都宮工も、木更津総合に敗れはしたものの、先制されてもすぐ追いつき、引き離されてもさらに食らいつく野球を展開、前半の粘りは見事でした。
 しかし、1点差に迫った4回表は、さらに1死三塁という絶好の場面で痛恨のサイン見落とし。スクイズを決められずに同点期を逃しました。
 大森一之監督「あそこで決められなかったのが…」と悔しさを隠せない表情でしたが、「(地区大会という)こういう場で試合をすることが出来たこと自体が収穫ですし、そうしなくてはいけない」と、県外での公式戦で得られた貴重な経験を生かして、来る夏の大会へ気持ちを切り替えていました。
 また、宇都宮工で気付いたのは、中心選手に体格のいい選手が多かったことです。2年生で4番・ファーストの山口仁之選手が178センチ84キロ、5番・キャッチャーの中能佑輔選手が175センチ82キロ、1番・センターの大塚克樹選手が176センチ73キロとという数字なのですが、みなそれ以上に思えるほどガッシリとした体つきでした。
 その点について大森監督改めて伺ったところ、「もちろん、技術も大切ですが、それだけでは強くなれませんので、体作りのことも考えてやっています」とのこと。夏の大会はもちろんのこと、その先の将来性も豊かな宇都宮工の選手達に今後も注目です。

        

■高校野球春季関東地区大会の結果
<17日>
▼小瀬スポーツ公園野球場
 日大三 ○2対1● 市立柏(9回サヨナラ)
 横浜 ○3対2● 富士学苑(延長11回サヨナラ)
 宇都宮工 ●3対8○ 木更津総合

※以下、他球場およびその後の試合結果

Jibiki_kisarazusogo木更津総合の攻守の中心・地引雄貴選手。強打の長身捕手として要注目!

▼富士北麓公園野球場
 桐生第一 ●1対5○ 甲府工
 霞ヶ浦 ○4対3● 浦和学院

<18日>
▼小瀬スポーツ公園野球場
 聖望学園 ●6対7○ 甲府工(延長11回)
 東海大相模 ○8対5● 山梨学院
 霞ヶ浦 ●1対4○ 帝京
 東海大甲府 ●0対2○ 市立川越

▼富士北麓公園野球場
 常総学院 ○6対4● 日大三
 前橋育英 ○5対0● 栃木工
 横浜 ○5対3● 千葉経大附

<19日・準々決勝>
▼小瀬スポーツ公園野球場
 甲府工 ●3対6○ 木更津総合(延長11回)
 東海大相模 ○10対2● 帝京(7回コールド)

▼富士北麓公園野球場
 市立川越 ●1対6○ 常総学院
 前橋育英 ●1対4○ 横浜

      

(編集部・田中)

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