谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第26回-
シリーズとして連載中のオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。オフも絶好調の26回目です。
昨秋、高校生ドラフトでオリックス1位指名を受け入団した「ナニワのゴジラ」こと岡田貴弘選手。プロ1年目の奮闘ぶりを、履正社高校(大阪)の下級生時代から取材し続けてきたライターの谷上史朗氏の視線からお届けします。
高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから「ナニワのゴジラ」という呼び名がついた岡田選手。長らくお待たせしましたが、今回は久々に本人に直接話を聞くことができたようです。
それでは、必読のレポートをどうぞ!
急遽予定を変更して岡田の実家へ。バッティングセンターへ行く前にまずは腹ごしらえ |
予定変更、急遽、岡田邸へ
ここ3回はスケジュールが合わず、岡田本人の言葉をじっくりと聞けずじまいだった。そこで今回は…、と連絡を入れると「8日なら時間が取れると思います」と返ってきて、ひとまず日程が決定。当日の岡田は日中、坂口智隆、吉良俊則や他のルーキーたちと県内の養護施設を訪問しボランティア活動に参加。マラソン大会で生徒たちと7キロを走ったそうだが、その後、夜に会ったのは大阪市内のある治療院。カイロプラクティックを用い施術を行っているところで、バランス面での調整を目的に最近通い始めたそうだ。
19時から1時間余りの治療ということで終了時間を見計らい治療院へ向かうと、間もなく久しぶりの岡田と対面。予定ではそこから軽く食事でもしながら、秋季キャンプでの成果、オフの過ごし方等々、まとめて聞こうと思っていたが…。
治療院を出たところで「ちょっと打ちたくなったんですけど…」と岡田が一言。「?」と思ったが、近くに中学時代から通っているバッティングセンターがあり「そこへ行って打ちたい」と言う。体を整えたところで感覚を確かめたくなったのかもしれない。僕も久しぶりにバッティングを見たくなったので急遽、予定を変更。まず、岡田の"送迎役"として治療院まで迎えに来ていたお姉さんの車に僕も同乗させてもらい岡田の実家へ向かった。"マイバット"を取りにいくためと、打ち込みの前の腹ごしらえのためだ。
岡田人形とのツーショット
谷上氏が佐野文二郎氏に特注で製作してもらいプレゼントした岡田人形の横で |
移動中の車内で聞いた話については、次回以降に書かせてもらうとして、20分程で到着。岡田の実家へは昨年発売の「野球小僧10月号」で掲載した特集「ナニワのゴジラ伝説を追う!」の取材でお邪魔して以来だ。たまの息子の帰宅に引っ付いていくのも気が引けたが「いいですよ」という岡田の言葉にも甘え家の中へ。岡田が食事を取る間、横で待たせてもらいながら、母・美津子さんから幼少期のエピソードなどを聞き楽しませてもらった。
家の中は岡田の写真や記念品の数々で埋められていて「岡田記念館」でも完成の暁には飾る品々に困ることはなさそうだ。記念館と言えば、入団時に僕も岡田にプレゼントしたものがあった。「野球小僧」の表紙でお馴染みの発砲スチロール人形作家・佐野文二郎さんに依頼し作製してもらった「岡田人形」が、それだ。その人形が岡田の部屋に飾られていると聞き、2階の自室にまで入れてもらい記念に本人とのツーショット写真をパチリ。「記念館に飾ってほしい」という佐野さんからのリクエストには笑って応えていたが、将来その日がやってくることを期待したい。
中学時代からなじみのバッティングセンターで順番を待つ岡田 |
夜のバッティングセンターへ
食事を終えると今度は父・秀和氏運転の車で伊丹にあるバッティングセンター「シャローム」へ。ここは硬球を打てるバッティングセンターとして近隣では知られており、僕も球児だった昔々に何度か通ったことがあった。というわけで、金曜夜の店内も親子連れを中心に賑わっていたところへ、上下赤のジャージに身を包んだ岡田が登場。手にはメイプルとアオダモの2本のバットを携えて。その大きさとやはりプロの存在感に一同の目が釘付けになったことは言うまでもない。
ただ、「中学時代から行き倒してました」というセンターには馴染みの顔も多く、あちこちから声もかかり岡田の表情も自然と柔らかくなる。まさに「ナニワのゴジラ」の原点と言える場所なのだ。早速、ゲージに入り打ち始めると、まず後ろで見ていた「観衆」からは「あれ木か?」「さすがやな…」の声。木製バットをまるでプラスチックバットのように扱うパワーにまず驚いていた。で、当たりの方は、というと…。「ボールを打つのは4日ぶり」ということもあり、最初の2回は110~120キロのボールを打ち損じる場面もあったが、3回目あたりから「さすが」の当たりを連発。
秋季キャンプから取り組む「すり足」のフォームはまだしっくりはきていないようだが「足を大きく上げなくなっても飛距離には関係ないと思いますし、慣れてさえいけば」と大きな不安はなさそう。話の流れで秋季キャンプでの取り組みについても聞いたが「まだ手応えと言うより、キャンプは慣らすための時間という感じでした」と、過程であることを強調。ジョン・ディーバス、大島公一の両バッティングコーチからの指導についても尋ねたが、共に秋は選手の力量、特徴の把握に徹していたようで静観を通していたとか。
ともかく今は何よりも、新しいフォームへ1日も早く慣れる。そのためにも1年の疲れは取りつつも、とにかくバットを振って、ボールを打っていくしかない。
趣味は合わずとも野球の話題で…
今回は岡田の違った一面を見ることができたが、今後もあくまでバッター岡田貴弘として注目していきたい |
営業時間は22時半までのところ、気づけばすでに23時前。ということで間もなく終了となり、僕にとっての贅沢な観戦時間も終わった。そこからは「通り道ですから」という秀和氏の言葉にまたまた甘えて、自宅近くまで送ってもらった。こういう時にはサラリーマン生活を辞めて間もなく車を手放したことを後悔するが、自分でもイヤになる程つたない運転技術と、自分以上の人を見たことがない方向感覚の悪さでは、やはりプロ野球選手は乗せない方が良かっただろう。というわけで、今回は岡田家のみなさんにお世話になりました!
しかし、「岡田ファミリー」の中に混じり同乗させてもらったお陰で、岡田の素顔も少しは垣間見れ、それもまた貴重だった。岡田が車やゴルフに興味を持っていることも初めて知った。このレポートも26回目になるが、僕との会話では「野球」以外の話題が出ることはほぼ皆無。残念ながら車とゴルフの話題で僕は盛り上がらないが…。大阪人ということでお笑い好きででもあれば自信アリだが、タイプ的に岡田にその手の趣味はなさそう。
ただ、機会があれば「野球以外」でも通じる話題を見つけていきたいとも思いつつ、やっぱり僕の関心は野球。限られた取材時間を「野球以外」の話に費やすのは、まだまだもったいない。趣味は合わずとも、このレポートはあくまでナニゴジの成長日記として硬派に(!?)まとめていきたい。
僕が興味があるのは何より「バッター岡田」なのだから。
(取材・本文/谷上史朗)
このシリーズは、今後、毎月1日、11日、21日に更新していきます。次回更新は12月21日の予定です。

急遽予定を変更して岡田の実家へ。バッティングセンターへ行く前にまずは腹ごしらえ
谷上氏が佐野文二郎氏に特注で製作してもらいプレゼントした岡田人形の横で
中学時代からなじみのバッティングセンターで順番を待つ岡田
今回は岡田の違った一面を見ることができたが、今後もあくまでバッター岡田貴弘として注目していきたい![: 野球小僧 2008年 12月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NKkEtmafL._SL75_.jpg)
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