フォトアルバム

2008年12月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

(株)白夜書房

  • ★ご注意
    写真・動画をはじめとするコンテンツの著作権は白夜書房に帰属しています。コンテンツの無断転載、無断コピーなどはおやめください。

Powered by TypePad

野球 - nikkansports.com

« 安藤太一の動画レポート 闘志みなぎる6歳の長距離砲 | メイン | アジアシリーズ3日目・決勝は日本ハム対LA NEWに決定 »

2006-11-11

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第23回-

Oakda_top23  シリーズとして連載中のオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。今週は第23回目です。

 昨秋、高校生ドラフトでオリックス1位指名を受け入団した「ナニワのゴジラ」こと岡田貴弘選手。プロ1年目の奮闘ぶりを、履正社高校(大阪)の下級生時代から取材し続けてきたライターの谷上史朗氏の視線からお届けします。
 高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから「ナニワのゴジラ」という呼び名がついた岡田選手。チームが新体制に変わる中、現在、宮崎で行われている教育リーグ「フェニックスリーグ」では、視察に来たコリンズ新監督からも将来の大砲候補として指名されました。現在は高知で行われている秋季キャンプに参加中です。
 それでは、必読のレポートをどうぞ!

    

フォーム改善はシーズン中からの試行錯誤の延長

 「なにわのゴジラ大噴火 満弾 岡田」
 9日付けの日刊スポーツ(大阪版)に写真入りで岡田の記事が載っていた。岡田ファンならすでにご存知の通り、秋季キャンプの第2クール最終日、満塁想定のシート打撃で山口和男から放った一発を伝えたもの。小見出しには「すり足打法の成果!コリンズ監督も絶賛」とあった。

Nakamuranori豪快な1本足が魅力の中村紀洋だが、コリンズ監督の中ではフォーム修正案もあるという
 それまでの紅白戦は2試合ノーヒットというから、この一発で「確実性アップ」と騒ぐのはどうかと思うが、フォーム修正がいい方向へ進んでいるのなら嬉しい限りだ。新聞記事には「中学時代以来」とあったが、この部ログで何度か書いてきた通り、大きく上げていた右足をすり足への修正はシーズン中にも試してきたことで、今回は本腰を入れて取り組み始めたということ。これも秋季キャンプに入った直後に自らの考えで取り組み始めたもので、その結果、コリンズの考えにも一致したという流れだ。

 ちなみにコリンズは岡田だけでなく、同じく投手寄りの足を大きく上げる中村紀洋(以後ノリ)のフォームの修正も口にしている。理由として手首への負担も挙げているが、一番は「確実性の低下」を問題視してのことだろう。こちらも日刊スポーツ紙面の文面を借りれば<腕力に任せてボールを飛ばしていたが今季は打率2割3分2厘、12本塁打、45打点と不振。年齢からくる反応の遅れで差し込まれるケースもあった>。ノリのバッティングを<腕力に頼った>と表現するのはまったく逆で、何よりノリはあの体ではあるが驚くようなパワーの持ち主ではない。むしろ技術で飛ばすタイプなのだ。
 ともあれ“ああいう”アクションの大きいフォームは結果が出ないとその形へ原因を求められやすい。そこで今回は岡田も試行錯誤を繰り返すフォーム、中でも「足元」について少し考えてみる。

  

Howard3_1メジャー選手の多くがすり足タイプ。日米野球で活躍したハワードもそうだ(写真・中川和泉)

「足上げタイプ」か「すり足タイプ」か?

 そもそもアメリカでは岡田やノリのような「足上げタイプ」は好まれない。7日に観戦した日米野球時に改めて試合前の打撃練習からメジャー選手の足元へ注目したが、大きく足を上げる選手は皆無で、わずかに上げるすり足タイプが主で、ノーステップに近い選手も数人いた。メジャーの打撃投手の投球テンポは日本に比べ格段に早いため、打撃練習時にしっかり形を作る時間もないが、最も足を大きく上げていたのは城島くらい(日本ではごく普通の形だが)。試合へ入っても大きく足を上げるメジャー選手は見当たらなかった。
 今回の日米野球5戦で4発を放ったライアン・ハワード(フィリーズ)もそう。バッターボックスをフルに使ったオープンスタンスで構え、そこからスクエアへ戻し打ちに行くが、足が地面から浮くのはわずか。一般的に考えれば、その方が岡田が新フォームの感想として語っているように「目線が安定する」と考えられやすい。しかし、単純にそういうことなのだろうか…。

   

「モーやん」こと小川亨氏に聞く足上げ論

 この原稿を書く直前にかつて近鉄で「モーやん」の愛称で親しまれた小川亨氏に打撃論を聞く機会があった。小川氏は自身もプロで1634安打を放った好打者だが、のちにオリックス、近鉄で打撃コーチを歴任。オリックス時代はまだ世に出る前のイチロー(マリナーズ)も指導しており、中西太氏も認める「打撃理論」の持ち主でもある。その小川氏に「足の上げ方」についての考え方を聞いた。
   

Mo_yan 現役時代は「三振しない打者」として名を馳せた小川氏。足の上げ方より下ろし方の方が肝心と説く

小川 まあ、すり足にするのか、足を上げるのか。タイミングの取り方ですから、それ自体は自分に合うならどっちでもいいんですよ。足を上げることで上下動が大きくなって確実性が落ちるという人もいるけど、それは足を上げること自体が問題じゃない。
谷上 と、言うのは?
小川 門田(博光・元南海ほか)っていたでしょ。あの人は大きく足を上げて打ってた。あの小さな体で飛ばすために、常にフルスイングしてたけど、あそこまで振らなかったら3割なんか毎年打てる技術がありましたよ。ノリだってそう。要は足を上げることじゃなくて、カギは上げたあとの下ろし方。門田はケツの方から投手方向へジワ~ッと右足を下ろしていったでしょ。一言で言えばあの「間」が作れるかどうか。
谷上 そこで「ドタッ、バタッ」と下りてしまっては目線のブレも大きくなる。
小川 そう。上体から投手方向へ行ってしまって、よく言う突っ込んだ形で、そのままバタンと下ろすと、当然、目線のブレレは大きくなる。そこでジワ~ッと下ろせるかどうか。下ろすまでの「間」もないと緩急の変化にももろくなるし、タイミングも合いづらくなる。
谷上 当然、確実性も落ちる。
小川 そう。だからコーチが下半身の使い方を教えてやればいいんです。そして自分でも、ジワ~ッと、ジワ~ッと、と下の動きを意識して、練習の中で覚えていくしかない。そこにはもちろん、軸足でしっかり立って、粘って間を作れる強靭な強さがないとダメですよ。足を上げる選手は普通の選手より、軸足が強くないと。ノリも結局、ここ数年苦しんでるのは軸足を故障して粘れなくなったからですからね。
   
 ノリの軸足の話はここでも書いたことがあるが、その強さがあって、ジワ~ッと降ろせる「間」が作れれば、足を上げること自体に問題はないという見解だ。

   

いずれにしても強靱な軸足を

Okada02_1写真は足を上げていた頃のもの。どの形にしても軸足の粘りが必須条件だ

 足を上げるバッターは、その行為によって投手とのタイミングを合わせようとする。ここでメジャーの投手のフォームには日本の投手のような「間」がないことが多い。そのフォームからかつ、スピードボールが多くくるわけだから、より「すり足」「ノーステップ」タイプが増えていくということはあるだろう。加えて「メジャーの選手はステップなしで打っても体に力があるから飛ばせるけど、日本人は体を十二分に使わないと飛ばせん」(小川氏)ということも確かだろう。
 その点、岡田には日本人離れしたパワーがある。すり足にしても本来の持ち味に影響が出ることはないだろうし、松井秀喜(ヤンキース)や松中信彦(ソフトバンク)のように、足を上げなくても飛ばす選手もいる。ただ、長年染み付いたタイミングのこと。もし、どこかですり足が合わず再び「戻す」時期があったとしたら、その時は、門田ばりの「間」を十分に感じさせる着地型を目指してほしい。いずれにしても、フォームを安定させ、パワーを生み出すには軸足の強さは不可欠。以前にも書いたが、残り10日を切ったキャンプの中でも、いじめすぎる程にいじめて強靭な軸足を作り上げてほしい。
   
   
(取材・本文/谷上史朗)
   
このシリーズは、今後、毎月1日、11日、21日に更新していきます。次回更新は11月21日の予定です

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://www.typepad.jp/t/trackback/161293/6634144

このページへのトラックバック一覧 谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第23回-:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

Podcast版 野球小僧