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2006-07-31

甲子園予選レポート~30日西東京決勝・日大三vs早稲田実<斎藤佑樹投手が221球激投>

 30日、神宮球場で西東京大会の決勝戦・早稲田実vs日大三の試合が行われました。あまりの観客数に開場時間も早まり、外野席まで開放。「こんなにお客さんが入ったのは、大ちゃんブーム以来じゃないか」と、同じ早稲田実のアイドル投手・荒木大輔投手(現西武コーチ)の時代を思い起こして感激する関係者まで現れるほど、神宮球場は熱気に包まれていました。

▼早稲田実がサヨナラ勝利で春夏連続の甲子園出場決定!
Yusyo_1 注目の一戦は日大三・村橋勇祐投手(3年)、早稲田実・斎藤佑樹投手(3年)の先発で始まりました。日大三は、初回、斎藤投手の立ち上がりを攻め、4番・田中洋平選手(3年)の三塁打などで2点を先制。早稲田実も2回に1点を返しますが、日大三は3回に再び1点を追加し、2点のリードを維持。しかし、斎藤投手は5回を過ぎたあたりから本来の調子を取り戻し、ストレートが切れ、球威も増していきました。
 その斎藤投手の姿に奮起するように、早稲田実は5回、6回に1点ずつを奪いついに同点。強力クリーンアップを擁する日大三もエンジン全開の斎藤投手を攻略する糸口はなかなかつかめず、試合は延長戦に突入しました。
 日大三が10回表に相手エラーをきっかけに1点を勝ち越したときは試合が決まったかと思われましたが、その裏、早稲田実も川西啓介選手(2年)のタイムリー二塁打で1点を奪い、試合を振り出しに戻すという、まさに一進一退の攻防。
 しかし、11回裏、1死三塁のチャンスに船橋悠選手(3年)が初球を思い切り振りぬいた打球はライナーでセンター前へ達し、三塁走者の檜垣晧次朗選手(3年)がガッツポーズをしながらホームイン。早稲田実が劇的なサヨナラ勝利で10年ぶり27回目の優勝を決めました。
 試合後、早稲田実の和泉実監督は、「日大三は想像以上に強かったです」と疲れた表情を見せました。しかし、神宮球場近くの病院に入院している早稲田実OBのソフトバンク・王貞治監督の話になると、「向こう10年は勝たなくてもいい、今年だけは勝つという気持ちでした」と破顔一笑。王監督に嬉しい報告ができることを、何よりも喜んでいました。

Saito_11 ▼221球の激投! 斎藤佑樹投手
 早稲田実優勝の立役者になったのはエース・斎藤投手でした。センバツでチームをベスト8に導いたMAX149キロ右腕も、この日は初回から2点を先制されるなど苦しい展開。強力打線を誇る日大三相手だけに、不安が募る立ち上がりとなりました。
 しかし、5回を過ぎるあたりから、ストレートが別人のようにうなりをあげ始めます。和泉監督も、「中盤からは緩急が効いた投球で、安心して見ていられました」と語ったように、制球も冴え、ストライク先行のピッチングに豹変。初回にタイムリー三塁打を打たれた田中洋選手には、カウント0―3の場面も2度ありましたが、そこからカウント2―3に持ち込み、三振に斬って取る投球も披露。5回以降に10三振を奪い、8回には3者連続空振り三振という離れ業も見せました。
 また、走者は出しても要所は締め、初回に2失点を喫した後や、10回の無死一、二塁のピンチでも最少失点で切り抜けたことが勝利へとつながりました。ピンチでも表情を崩さずに、冷静に投げ続ける姿は、バックで守る野手にも安心感を与えたのではないでしょうか?
 結局、斎藤投手は11回を投げ、13奪三振4失点。球数は221球という激投でした。6番打者としても、6回にセンター前ヒットを放ち、1点を返す足がかりになるなどしっかり働きました。
 24年ぶりの春夏連続出場となる甲子園では、センバツのベスト8以上の成績は残せるのでしょうか?  さらに、センバツで大敗を喫した横浜との再戦はあるのでしょうか? 斎藤投手が引っ張る早稲田実に大注目です。

◎試合結果
7月30日 西東京大会決勝(神宮球場)
日大三●4対5○早稲田実
※早稲田実は10年ぶり27回目の夏の甲子園出場!

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<写真>
上・サヨナラ勝ちで優勝決定の瞬間、抱き合う早稲田実の選手たち
下・底なしのスタミナと強い精神力を見せた斎藤佑樹投手(早稲田実)

(編集部・新井)

甲子園予選レポート~29日神奈川予選決勝・横浜vs東海大相模

Fukei_4  7月29日、横浜スタジアムで神奈川大会決勝・横浜vs東海大相模の試合が行われました。全国一の激戦区・神奈川の王者を決める対決に、スタンドは超満員となりました。それでは、その模様をレポートします。

▼センバツの覇者・横浜が投打に圧倒
 試合は、横浜が初回に佐藤賢治選手(3年)の中越二塁打で2点を先制すると、その後も、高木泰昌選手(3年)の本塁打などで効果的に加点し、4回までに大量の10点をリードします。中盤に入って、エース・川角謙投手(3年)が東海大相模打線に点差をつめられたものの、6回に岡田龍明選手(3年)の本塁打などで3点、8回にも岡田選手のタイムリーで1点と、ダメ押しに成功。最後は7回途中から登板した西嶋一記投手(3年)が粘る東海大相模打線を抑えて15対7で勝利。横浜が2年連続12回目の甲子園出場を決めました。優勝が決まった瞬間、選手がマウンド上で歓喜の輪を作り、大応援団も大いに涌きました。

Fukuda ▼狙うは春夏連覇!
 試合後、甲子園出場を決めた横浜の主将・福田永将選手(3年)、エースの川角謙投手(3年)渡辺元智監督に話を聞くことができました。
 まず、5打数3安打1打点と活躍した福田主将は、「自分が調子の悪いときに、チームバッティングをしてくれたみんなに感謝しています。バントや守備など細かいところを磨いて夏も全国優勝したいです」と涙を流す場面も。ここまでチームを引っ張ってきた苦労を感じさせる言葉には、重みを感じました。
 さらに、7回途中降板となった川角投手は「甲子園では駒大苫小牧(南北海道代表)と戦ってみたいです。打撃のチームと呼ばれるのは悔しいので、甲子園では最後まで投げて胴上げ投手になりたいです」と、聖地・甲子園での好投を誓ってくれました。
 また、渡辺監督には試合を振り返ってもらいました。「今日の川角は東海大相模打線を意識しすぎて、前半飛ばし過ぎました。途中から暑さにまいってしまいましたが、後を継いだ西嶋がよく抑えてくれました」とリリーフで好投した西嶋投手の頑張りを讃えていました。さらに、大量15点を奪った攻撃面については「初回に佐藤がよく打ってくれました。今日はできすぎですが、“攻撃は最大の防御”ということで、打撃練習を中心にやってきた成果がでました」と、手応えを感じていた様子。そして、最後に甲子園については「大会までの時間は短いですが、打者はバント、投手は四球を出さないよう練習していきます。うちにだけ権利を与えられた“春夏連覇”を目指します」と力強く語ってくれました。
 この日、話を聞いた横浜ナインに共通していたのは、全国制覇が目標ということ。松坂大輔投手(現・西武)を擁して春夏連覇した、98年のメンバーと比べてもひけをとらない今年の横浜。同じく春夏連覇を達成して、偉大な先輩に肩を並べることが出来るのでしょうか? 初戦から絶対に目が離せません! 

Takayama ▼無念のK・Oに涙
 一方、敗れた東海大相模・先発の高山亮太投手(3年)は試合後、涙が止まりませんでした。この日、先発を任されたものの、4回途中で降板し、まさかの10失点。試合後、「調子自体は悪くなかったけど、いきなり白井(史弥・横浜3年)にヒットを打たれて、浮き足だってしまいました。横浜打線は失投を見逃さず、甘く入ったボールは全部打たれました。横浜を倒すことだけを目標にやってきたのに…」と、無念の表情で答えてくれました。しかし、最後には「自分たちに勝ったチームなので、全国制覇をしてもらいたい」と、死力を尽くして戦ったライバルにエールを送りました。

◎試合結果
7月29日 神奈川大会決勝(横浜スタジアム)
横浜○15対7●東海大相模
※横浜は2年連続12回目の夏の甲子園出場

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上・大応援団の前で、校歌を斉唱する横浜ナイン
中・主将として、チームを引っ張った福田永将選手(横浜)
下・4回途中でマウンドを降りた無念の高山亮太投手(東海大相模)

(編集部・保泉)

2006-07-30

甲子園予選レポート~29日埼玉決勝・鷲宮vs浦和学院<増渕竜義投手vs浦和学院打線は?>

 29日、埼玉大会の決勝戦が行われました。会場となった県営大宮公園球場には試合が始まる2時間前から続々と観客が入場。試合開始30分後には、外野も埋まるほど観客が押し寄せ、飛ぶように売れているかき氷の売店には長蛇の列が。「日射病に注意してください」とのアナウンスが流れるほど暑くなったこの日に、これだけの観客が押し寄せたのは、恐らく対戦カードのせいでしょう。

 決勝戦に臨んだのは豪腕サイドスロー・増渕竜義選手(3年)を中心に一丸となって決勝まで快進撃を続けてきた鷲宮。そして、甲子園常連の浦和学院でした。浦和学院は選手個々の力はもちろんのこと、森士監督の老獪な采配による試合巧者ぶりも目立ちます。どちらがこの試合に勝利し、甲子園に駒を進めるのか? 埼玉県を越え、全国から注目を集める一戦でした。

Akasaka ▼浦和学院が鷲宮を破り甲子園へ!
 鷲宮の先発マウンドに立ったのはもちろん増渕竜選手。これまではMAX149キロのストレートを武器に勝ち抜いてきましたが、この日は連投の疲れからか今までの球威は感じられませんでした。
 初回、浦和学院は1死二塁から鮫島勇人選手(2年)の2ラン本塁打で2点を先制。鷲宮も2回にチャンスを作りますが、浦和学院は先発の坂上林太郎選手(3年)を1回2/3を投げたところで降板させると、ライトを守っていた赤坂和幸選手(2年)を呼び寄せ登板させます。赤坂選手が空振り三振でピンチを切り抜けると、3回にマウンドに上がったのは、再び坂上選手。しかし、1つアウトを取って、3番・須釜一樹選手(3年)に二塁打を打たれたところで、再び赤坂選手に交代。この奇策の前に、鷲宮はチャンスを生かすことができません。赤坂選手が以降は交代せずに、計7回を1安打無失点に抑え込むと、浦和学院打線も6回、8回に1点ずつ奪いしっかり援護。豪腕相手に4対0の快勝で、2年ぶり8回目の優勝を決めました。

 試合後、浦和学院の森監督は継投で見せた奇策について、「赤坂は6月いっぱい、故障で戦列を離れていました。なので、まだ体調が心配で、坂上を先発させたんです。こんなことでもしないと抑える自信もありませんでした」と苦笑い。しかし、エース不在の混沌としたチームで、好投を見せた赤坂選手に関しては、「上出来でした。赤坂が出てきたのは大きな収穫です」と甲子園に向けて、手ごたえを感じているようでした。

▼剛腕・増渕竜義選手散る…
Masubuchi 今年の埼玉大会で最も注目を集めた選手といっても過言ではなかった増渕竜選手。Aシード(第1シード)校のエースとして、ドラフト上位候補として一挙手一投足に注目が集まる中、公立の鷲宮が強豪私学の春日部共栄や、聖望学園の強豪を破る原動力となりました。
 この日は浦和学院の森監督も、「増渕は連投やプレッシャーで疲労も限界だったでしょう。球威も落ちてきていました」と語ったとおり、自慢のストレートは陰を潜めました。ストレートが高めに浮いたところを狙い打たれた初回の2点が大きくのしかかりました。
 しかし、増渕選手は浦和学院がストレートを狙っていることに気付くとすぐに変化球主体の投球にチェンジ。これまでの、ストレートを内角に投げ込み三振を奪う豪快な投球を見ることはできませんでしたが、変化球ではしっかりと三振を奪い、非凡な才能を見せつけました。
 次に増渕竜選手が登板するときには、どんなユニフォームを身につけているのでしょうか? 今後の増渕竜選手の動向に大きな注目が集まります。

◎試合結果
7月29日 埼玉大会決勝(県営大宮公園球場)
鷲宮●0対4○浦和学院
※浦和学院は2年ぶり8回目の夏の甲子園出場!

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上・優勝決定の瞬間、万感の表情で腕を天に突き上げた赤坂和幸選手(浦和学院)
下・豪腕・増渕竜義選手(鷲宮)には今後も要注目!

(編集部・新井)

甲子園予選レポート~28日千葉決勝・千葉経大付vs拓大紅陵

 28日、千葉県大会の決勝戦が行われました。ノーシードから決勝まで進出した千葉経大付と、強豪・拓大紅陵が対戦。激戦区・千葉を制し、甲子園への切符を手にしたのはどちらのチームでしょうか?

Takihara_1 ▼千葉経大付が千葉県180校の頂点に!
 先手をとったのは、2004年以来の甲子園出場を目指す千葉経大付でした。2回、1死二塁から内藤大樹選手(1年)のライト前タイムリーで1点を先制。その後は、千葉経大付・竹島弘晃投手(3年)、拓大紅陵・永棟一道投手(3年)の両先発の粘りの投球もあり、7回まで試合は膠着状態。
 しかし、8回に千葉経大付は1死一、二塁のチャンスから、滝原一正選手(3年)がライト線にタイムリー二塁打を放ち、2点を奪います。3点差がつき、試合もほぼ決まったかと思われた8回裏、拓大紅陵は注目プレーヤーの大前勇人選手(2年)のライトポール直撃2ラン本塁打が飛び出し、1点差とすると、土壇場の9回にはついに同点に追いつき、試合は延長戦へ突入します。
 決着がついたのは延長10回、千葉経大付は相手のエラーで2点を奪い再び勝ち越しに成功。9回2死からマウンドに立った内藤選手が10回の裏を守りぬき、千葉経大付が2年ぶり、2回目の夏の甲子園出場を決めました。

▼甲子園では“旋風”の再来なるか!?
 試合後、松本吉啓監督は勝因として竹島弘晃投手(3年)の成長を挙げました。ノーシードのチームをここまで引っ張ってきた原動力となった竹島投手。決勝のこの舞台で、竹島投手との相性がいいという理由で川島憲悟捕手(2年)を起用したほど、監督にも期待を寄せられています。
 この日は、丁寧に低めを狙う投球で7回まで無失点。4回には1死二、三塁の場面で、相手の攻撃を読み、スクイズ外しに成功。相性のいい川島捕手との連係プレーでピンチを切り抜ける場面もありました。8回には連投による疲労もあり、本塁打を浴びてしまいましたが、監督・チームメイトからの信頼は絶大。甲子園でどんな投球を見せてくれるのでしょうか?
 千葉経大付は甲子園に初出場した2004年、松本監督と松本啓二郎選手(現早稲田大2年)の父子鷹として注目を集めただけではなく、ベスト4に進出。実力で千葉経大付旋風を巻き起こしました。今回もショートの松本歩己選手(3年)は松本監督の次男。再び父子鷹が甲子園で暴れまわるのか、注目です。

▼『野球小僧』謹製うちわが大好評
 この日、試合開始前に携帯版『野球小僧』のうちわを観戦に訪れた方々に配布しました。表紙の立体を作成していただいている佐野文二郎さんデザインのうちわだけに。受け取った方からも「カッコイイ!」と嬉しい言葉をいただきました。
Chibakeidai_1 このうちわは関東近郊の野球の試合前にゲリラ的に配布していく予定です。スタッフが配っている姿を見かけたら、もらいに来てくださいね!

◎試合結果
7月28日 千葉大会決勝(千葉マリンスタジアム)
千葉経大付○5対3●拓大紅陵
※千葉経大付は2年ぶり2回目の夏の甲子園出場!

<写真>
上・8回、2点タイムリーを放った滝原一正選手(千葉経大付)はガッツポーズ
下・2年ぶりの優勝にナインの喜びも爆発!

(編集部・新井)

2006-07-29

甲子園予選レポート~27日茨城準々決勝

Okano 茨城大会は明日30日にいよいよ決勝を迎えます。その前の7月27日に水戸市民球場で行われた準々決勝の試合を観戦してきましたので、その模様をレポートします。

▼左腕エースの活躍で霞ヶ浦が快勝
 第1試合の霞ヶ浦vs下妻二戦は、霞ヶ浦が9対2の7回コールドで、同校初のベスト4進出を決めました。その立役者は、エースの岡野諒投手(3年)です。ここまで、全試合に登板し、1人で投げ抜いているタフネス左腕。この日も、キレのあるストレートと変化球をズバズバと投げ込み、全く危なげのない投球で7回を2失点完投しました。細身ながら体全体を使う大きなフォーム。さらに、内外角のコーナーワークが抜群。そのフォームとクレバーな投球に大きな魅力を感じました。
 一方、一昨年の夏の甲子園に出場した下妻二は1番・塚田大貴選手(3年)が5回に一発を放つなど、粘りを見せたものの、無念の7回コールド負けとなってしまいました。

Yamada_1 ▼二枚看板投入もつくば秀英敗れる!
 続く第2試合は、つくば秀英vs常総学院の対戦。つくば秀英は、背番号1をつけた埜口卓哉投手(3年)山田大樹投手(3年)の二枚看板で快進撃を続けているチームです。試合巧者の常総学院との対決に注目が集まりました。 
 つくば秀英は3回に相手のミスで1点を先制。この日、先発マウンドを任された山田投手は190センチ95キロという迫力の体格の持ち主。その体格をフルに生かして投げおろす140キロ近いストレートは、破壊力満点。序盤はそのストレートを武器に、常総学院打線を抑え込みます。しかし、5回に1点を失うと、さらに7回に勝ち越し点を許した場面で無念の降板。もう1人のエース・埜口投手にマウンドを託します。
 後を継いだ埜口投手は、サイドからの速くて重いストレートを武器にする右腕。7回のピンチを三振で切り抜けると、続く8回もピシャリと抑え味方の反撃を待ちます。しかし、最後はあと一歩及ばず、1対3で敗れました。

▼二枚看板は補い合って、急成長! 
 試合後、山田投手と埜口投手に話を聞くと、「もちろんライバルです。しかし、チームが勝つために、二人が足りないものを補ってきた結果、これだけ成長することができたんだと思います」と、口を揃えて語ってくれました。また、今後については、2人とも「大学で野球を続けたい」とのこと。今後も、1つ高いレベルの野球で切磋琢磨し、お互いに高め合ってほしいです。

Sato_1▼練習でも見たことない、スーパーキャッチで勝利確信!
 接戦を制し、いよいよ甲子園まで、あと2つと迫った常総学院。持丸修一監督が、この試合のターニングポイントとしてあげたのが1対1の同点で迎えた7回の守備でした。ピンチでレフトの佐藤宏憲選手(2年)がスーパーダイビングキャッチ。これで流れが大きく常総学院に傾き、その裏の攻撃で2点を勝ち越しました。「あんなプレー、練習でも見たことないですよ。前なんかは、ああやってダイビングして、三塁打にしちゃったんだから。でも、今日は普段以上のプレーを見せてくれて、あの瞬間、これは勝てると手応えを感じました」。まさに、劣勢のチームを勇気づけるプレーで勝利を呼び込みました。
 そして、次の試合に向けては、「ピッチャー陣がだんだん精神的に強くなってきました。今日の試合で、1点を取る難しさと重みを知ってくれたと思います。相手チームを見るのではなく、自分のチームを見て、最後までピシっとやることをやっていきます」と、今日の苦しい試合を勝ち抜いた選手たちの成長に満足そうな表情を見せてくれました。
 全国優勝を成し遂げた2003年以来の夏の甲子園出場はなるのでしょうか? 今後の常総学院の戦いにも注目したいです!

◎試合結果
7月27日 茨城準々決勝 (水戸市民球場)
第1試合
霞ヶ浦○9対2●下妻二(7回コールド) 
第2試合
常総学院○3対1●つくば秀英

▼準決勝は常総学院と水戸桜ノ牧が勝利
 そして、翌29日の準決勝は第1試合で注目だった常総学院が霞ヶ浦に圧勝。第2試合は接戦の末、水戸桜ノ牧が勝利し、決勝進出を決めました。
 元阪神、ダイエーで活躍した大野久監督率いる東洋大牛久は惜しくも決勝進出ならず。取手二時代に監督-選手の関係にあった常総学院・木内総監督との「決勝での師弟対決」は夢と消えました。
 しかし、水戸桜ノ牧は、昨秋の茨城県大会準決勝で2対1とクロスゲームを演じており、楽しみな1戦には違いありません。
 決勝戦は明日30日13時に水戸市民球場にてプレーボールです。

◎試合結果
7月29日 茨城準決勝 (水戸市民球場)
第1試合
常総学院○9対0●霞ヶ浦 
第2試合
水戸桜ノ牧○3対2●東洋大牛久

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上・無尽蔵のスタミナで完投した岡野諒投手(霞ヶ浦)
中・常総打線を苦しめた山田大樹投手(つくば秀英)
下・スーパーキャッチでチームを救った佐藤宏憲選手(常総学院)

(編集部・保泉)

2006-07-28

甲子園予選レポート~27日群馬決勝・前橋工vs桐生第一

Ouen  26日に行なわれた栃木県決勝(文星芸大付が優勝)に引き続き、27日に群馬県の決勝戦が県営敷島球場で行われました。決勝戦まで駒を進めたのは前橋工桐生第一。この決勝戦の組み合わせは、群馬を代表する強豪校同士というだけでなく、2000年、2004年に引き続き3回目という因縁の決戦です。過去2回はいずれも桐生第一が勝利し、甲子園に出場しているだけに、「2度あることは3度ある」となるのか、「3度目の正直」となるのか、注目の1戦となりました。

▼群馬県屈指の好投手・剣持英俊投手
 前橋工の先発は剣持英俊投手(3年)。185cm69kgのスレンダーな体型から快速球を投げ込むサイドスローです。振り切ったあとも残像に残るほど、しなやかな長い腕が印象的。実は、群馬県春季大会レポートでも取り上げた注目投手で、『野球小僧8月号』「ドラフト候補&有望選手リスト」にももちろん掲載されています。
Kenmochi_1 決勝の舞台で対戦相手となった桐生第一打線はここまで5試合で1試合平均10.6得点という強力打線。しかし、2回戦から6試合目のこの試合まで先発のマウンドに立ち、3回戦以外は完投している安定感抜群のエースはこの日も実力を発揮。初回に前橋工が1点を先制し、5回に桐生一が同点に追いつくと、以後はゼロスコアボードにゼロが並ぶ展開になりました。
 そして、9回を終わっても両者譲らず、試合は1対1のまま延長戦へ突入。剣持投手の粘り強い投球も光りましたが、桐生第一も先発・射越章太投手(3年)から鹿沼圭祐投手(3年)へつなぐ今年の必勝リレーで再三のピンチをしのぎ、球場では「延長15回までいって再試合になるのでは?」という声も聞こえてくるほど、緊迫したムードになっていました。
 しかし、試合展開自体はずっと前橋工が押していた展開だっただけに、延長13回に入る頃になると剣持投手に変化が…。ベンチ前からマウンドに向かうときは「頑張れ!」と声援を送る応援席に向かってニコリと笑顔を見せてはいましたが、マウンドでは投球のあとに転倒するなど、さすがに疲労の色が見え始めてきました。

▼桐生第一がサヨナラ勝利で甲子園出場決定!
 一方、13回まで剣持投手の前に1得点に抑え込まれ、チャンスらしいチャンスも作れなかった桐生第一。しかし、13回には1死二塁という大チャンスを迎えます。
 打順は3番・矢島賢人選手(3年)。矢島選手は打席に入ると、他の桐生第一の選手と同じように気合をあらわに雄叫びをあげ、剣持投手をにらみつけます。そして、剣持投手の投じた初球のストレートを振りぬき、打球は内野を抜けセンター前へ。二塁走者の川岸佑多選手(3年)は悩むことなく三塁を回り、本塁を駆け抜け、劇的なサヨナラ勝利で桐生第一が2年ぶり、8回目の夏の甲子園出場を決めました。

Kiryu 試合後、桐生第一の福田治男監督は、「嬉しいのを飛び越えて信じられない気持ちです」と顔をほころばせました。勝因として、「打のチームと言われがちでしたが、目指すのはバッテリーを中心とした守りの野球と声をかけ続けたのがよかった」と、決勝戦という大舞台で目指す「守りの野球」が結実したことを挙げ、「甲子園に出場すれば、大きな夢も出てきます。群馬の代表として、野球以外でも恥ずかしくない姿を見せたい」と甲子園へ向けての意気込みを語ってくれました。
 甲子園では正田樹投手(現日本ハム)を擁し、初優勝を成し遂げた1999年の再来はあるのでしょうか? 「甲子園までにもう一度鍛え直す」という「守りの野球」と、本来の強力打線に要注目です。

◎試合結果
7月27日 群馬決勝(県営敷島球場)
前橋工●1対2○桐生第一
※桐生第一は2年ぶり8回目の夏の甲子園出場!

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上・黄色が目に鮮やかな桐生第一応援席
中・次のステップでの成長に大いに期待したい剣持英俊投手(前橋工)
下・劇的なサヨナラ勝利で甲子園出場を決めた桐生第一

(編集部・新井)

甲子園予選レポート~26日栃木決勝・佐野日大vs文星芸大付

 7月26日、宇都宮清原球場で栃木予選決勝の佐野日大vs文星芸大付の試合が行われました。関東1都6県の中では栃木県が決勝戦一番乗りとなります。俊足強打のブラジル留学生・ヴィアナ・ウェリソン選手(2年)が注目を集める佐野日大と、宇都宮学園から校名を変更して初の甲子園出場を目指す文星芸大付。どちらが甲子園出場を決めたのでしょうか?

▼栃木代表は、文星芸大付に決定!
Fukei_3 試合が行われた宇都宮清原球場はプロの試合も行われるほど立派な球場ですが、交通の便が多少悪いため、マイカーで観戦に訪れる人がほとんどです。この日は決勝ということもあり、球場の周りは車でごった返し、駐車する場所にも事欠くほどでした。
 それほど注目を集めたこの試合で先手を取ったのは文星芸大付でした。床井優介選手(3年)が、大会新記録となる9本目の二塁打を放つと、続く保坂真樹選手(3年)はライト前に先制タイムリーヒット。その後、5回に保坂選手の2打席連続タイムリーと暴投で2点を追加すると、7回にはヒット6本を集中して、4点をダメ押し。7対1で佐野日大に快勝し、前校名の宇都宮学園時 から数えて、6年ぶり9回目の甲子園出場を果たしました。

Fujimoto_4 ▼1学年下のライバルに負けじと完投!
 この日、9回を1失点に抑える好投でチームを優勝に導いたのが背番号1の藤本知宏投手(3年)でした。1学年下の左腕・佐藤祥万投手(2年)とのWエースで臨んだこの 夏、調子が中々上がらない藤本投手とは逆に、佐藤投手は絶好調。4回戦・宇都宮清陵戦では完全試合(5回参考)を達成し、準決勝の青藍泰斗戦では完封を収める活躍ぶりで一躍注目投手となりました。
 しかし、この日は「焦りもあったけど、逆に佐藤の活躍で燃えました」という試合後のコメント通り、吹っ切れた様子で決勝戦先発という大役をこなしました。自身最速の143キロには及ばなかったものの、130キロ中盤をコンスタントにマークする直球と切れ味鋭いスライダーを武器に、佐野日大打線に的を絞らせませんでした。
 試合後、今日の投球について聞くと、「初回から全力でいきました。球の走りは、まあまあだったけど、コントロールが良かった。相手打線がスライダーに合ってなかったので、いつもより多めに投げました。今大会で一番の出来でした」と語ってくれました。甲子園については、「佐藤もいるけど、甲子園の初戦は自分が先発したい。1つでも多く勝てるように頑張ります!」と、元気のいい答えが返ってきました。
 藤本投手と佐藤投手のWエースは甲子園でどんな活躍を見せてくれるのでしょうか? 文星芸大付から目が離せません!

▼ベンチから支えた剛腕の夏
Sawamura_1 自慢の打線を爆発させることができずに7対1と完敗してしまった佐野日大。最後の打者がファーストゴロに倒れ、試合が終わると、ほとんどの選手が泣き崩れる中、肩を叩き、励ます選手が1人いました。その選手の名は、澤村拓一投手(3年)。栃木東陽中時代から遠投120メートル以上を投げ、速球派で鳴らした逸材です。『野球小僧8月号』「ドラフト候補&有望選手リスト」でも「均整抜群の体躯から遠投125メートルの脅肩から出色のヒジのしなり。球速も140に乗せてきた」と、紹介されている大会屈指の好右腕でした。しかし、この夏は大会前の練習で足を挫くアクシデントがあり、大会に間に合わず、登板する機会はありませんでした。
 試合後、澤村投手に今大会について聞くと、「チームのみんなが本当に良くやってくれました。最後まで、ベストの力を出してくれて、感謝しています。でも、やっぱりマウンドに上がって、チームに貢献したかったです」と、チームメイトへの感謝を語ったあと、エースとしての責任感を口にしました。しかし、試合の最後までベンチから大きな声を出す姿は、チームメイトにとって最高の応援だったはずです。今後の目標は東京六大学でプレーすること。神宮球場のマウンドを目指して、まずはケガを完治させて頑張ってほしいです。

◎試合結果 
7月26日 栃木大会決勝(宇都宮清原球場)
文星芸大付○7対1●佐野日大
※文星芸大付は前校名・宇都宮学園時から数えて6年ぶり8回目の甲子園出場決定!

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<写真>
上・甲子園出場を決め、喜びを爆発させる文星芸大付ナイン
中・背番号1の意地を見せた藤本知宏投手(文星芸大付)
下・ベンチでチームを支えた澤村拓一投手(佐野日大)※写真は2005年、秋の大会のもの

(編集部・保泉)

2006-07-27

甲子園予選レポート~21日福岡4回戦・戸畑商vs福岡第一<郭恆孝投手vs仲野裕典投手!>

 九州地方では、すでに長崎県(清峰)、佐賀県(佐賀商)、宮崎県(延岡学園)、大分県(鶴崎工)、鹿児島県(鹿児島工)、沖縄県(八重山商工)で甲子園出場校が決まっています。残るは福岡県、熊本県の2県。今回は、その中から7月21日に福岡県大会を観戦してきましたので遅ればせながらレポートをお届けします。
 福岡県大会は、まず、北部、南部に分かれて大会を行います。そこで勝ち上がった19チームが一同に集まり、県大会として4回戦以降が開催されます。この日は、その県大会の初日でした。
 試合が行われたのは北九州市民球場。福岡ソフトバンクホークスが年に数回、試合をすることがある立派な球場です。前日まで、大雨が降っていましたが、この日は晴天。風もなく、暑さだけが体に残る異様な暑さの中で試合が繰り広げられました。

Photo_6 ▼MAX149キロ右腕が見事な完封勝利!
 この日の注目カードは第3試合。福岡第一と戸畑商の強豪同士が対決でした。福岡第一の先発投手は郭恆孝選手(2年)。昨年の福岡第一は陽仲壽選手(現日本ハム)がチームを牽引していましたが、今年もこの郭、さらには4番を務める余聖傑選手(2年)と台湾人留学生の2人が柱となっているチームです。
 対する戸畑商の先発投手は仲野裕典選手(3年)。こちらも140キロ中盤のストレートとタテのスライダーを武器とする注目投手です。
 試合は、この両投手の投げ合いで進みます。両チーム無得点で迎えた6回、戸畑商が相手のミスにつけこみ、1点を先制します。投げては、仲野選手が最後までまったくスタミナが落ちることなく、パワフルなピッチングを展開。ストレートの威力はもちろんのこと、タテの鋭いスライダーで空振りを奪っていきました。結果は11個の三振を奪い、2安打完封勝利。身長は175センチと決して大柄ではありませんが、重そうなボールを低めに集めることができる投手です。140キロ中盤という数字以上に、その球質の良さに惚れ惚れとしました。
 試合後、戸畑商の厚田昌博監督に話を伺うと「じつは仲野、2回戦(対東筑)で149キロを出したんですよ。でも“150キロを出すのは上のレベルにいってからでいいから、勝てる投球をしなさい”と言っています(笑)」とのことでした。

▼台湾人留学生投手・郭恆孝選手も実力を発揮!
Photo_8 一方、戸畑商打線を1点に抑えながらも敗れた郭選手。9三振を奪い、相手の仲野選手と互角のピッチングをしました。特徴は、がっちりとした下半身と、肩の周りが全体的に柔らかいことです。球持ちも良く、バッターからすると、打ちづらいタイプに見えました。実際、対戦した戸畑商の選手に話を聞くと、「速さというよりも手元でのキレがあった」とのことでした。加えて、おそらくフォークボールだと思われる沈むボールが有効的。このストレートと変化球の緩急で相手打者を苦しめました。
 郭選手は、早くも来年のドラフト候補として注目される存在です。秋以降、この夏の経験をバネにどのようなピッチングを見せてくれるのか楽しみです。

 その後、戸畑商は準々決勝で柳川に惜しくも3対5で敗退。甲子園で仲野選手を見ることはできなくなってしまいましたが、今後もパワフルなピッチングを持ち味に剛腕投手への道を歩んでもらいたいと思います。
 なお、戸畑商の厚田監督は8月10日発売の『中学野球小僧9月号』でも登場します!

◎試合結果
7月21日 福岡県大会4回戦(北九州市民球場)
福岡第一●0対1○戸畑商

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<写真>
上・パワフルな投球を展開した仲野裕典選手(戸畑商)
下・秋以降に期待したい台湾人留学生の郭恆孝選手(福岡第一)

(編集部・栗山)

2006-07-26

甲子園予選レポート~25日千葉準々決勝(ブログ記者編) 

 日本列島にドカッと居座る梅雨前線のせいで、スッキリしない天候が続く今日この頃。25日に千葉大会は準々決勝4試合が千葉マリンスタジアムで開催されました。
 『野球小僧8月号』「ドラフト候補&有望選手リスト高校生450名」や、【ブログ版】夏の高校野球の歩き方~東日本編にも掲載されている選手たちが千葉マリンスタジアムに集結(!)し、「負けたら終わり」という高校野球のドラマを球場狭しと見せてくれました。
 今回は、第3試合の東海大浦安vs千葉経大付と第4試合の横芝敬愛vs習志野の試合をレポートします。

Watanabe_3 ▼ベスト4進出は「父子2代」以来!
 東海大浦安の鈴木拓郎投手(3年)はとにかく投球のテンポが短い投手。捕手の返球から5~6秒で投球モーションに入り、小さなテークバックから、ピュッという感じで小気味よく投げていました。
 球速はそれほど感じないものの、キレで勝負する投手という印象。4回まで被安打1と好投していましたが、5回に四球を与え、2死から連続二塁打、そして三塁打を浴び逆転されてしまいました。スタミナ面の問題ではなさそうなので、3順目を迎えた千葉経大付打線が1枚上手だったのでしょう。
 鈴木投手をとらえ、6対2で完勝した千葉経大付ですが、4番・渡辺亮太選手(3年)は4打数0安打、2三振と活躍できませんでした。この日は当てにいくような打撃が気になりましたが、次の準決勝では期待したいところです。
 同校の千葉大会ベスト4進出は松本吉啓監督と松本啓二郎投手(現早稲田大)の「父子2代で甲子園登板」で話題を呼んだ2004年以来とのこと。鈴木投手を攻略した打撃力も見事でしたが、4本の二塁打、2本の三塁打と、長打を量産したチーム全員の「足の速さ」も印象的でした。

▼千葉を代表する本格右腕同士が激突!
Nighter  そして午後6時過ぎからプレイボールとなった第4試合では、前回の志学館戦で13奪三振をマークした横芝敬愛・鶴岡直樹投手(3年)と、初戦の市立柏戦で毎回の12奪三振で完封勝ちした習志野・佐々木圭佑投手(3年)(『野球小僧2月号』「2006年初春版ドラフト候補&有望選手リスト」に掲載)が、ナイター照明のカクテル光線を浴びながら、一歩も引かない投げ合いをみせてくれました。2人とも初回から130キロ前半の真っすぐを軸に凡打の山を築きます。横芝敬愛は3回表に主将・千葉圭一郎選手(3年)がライトスタンドへ1発を放ち先制するも、習志野も7回裏に四球で出塁した走者を三塁にすすめ、執念の内野安打で1対1の同点に追いつきます。
 さすがに8回あたりから2人とも球速が落ちましたが、それでも変化球を効果的に使い、「これぞ投手戦」という試合を展開。球場にはピーンと糸が張り詰めたような緊張感が漂います。
 試合が決したのは延長10回裏でした。習志野は2死から石原一成選手(2年)が三塁打を放ち、2死三塁の絶好のチャンスを作るも、続く4番・安達竜三選手(3年)の打球はショートゴロ。しかし、ショートが一塁へ悪送球! 息づまる投手戦は、習志野のサヨナラ勝ちで幕を閉じました。試合終了は夜の9時過ぎでしたが、スタンドからは敵味方関係なく、横芝敬愛への惜しみない拍手がおくられていました。

◎試合結果
7月25日 千葉大会準々決勝(千葉マリンスタジアム)
第1試合 銚子商業●2対5○拓大紅陵
第2試合 市立船橋●7対8○市立稲毛
第3試合 東海大浦安●2対6○千葉経大付
第4試合 横芝敬愛●1対2○習志野

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<写真>
上・次の試合では実力を発揮して欲しい渡辺亮太選手(千葉経大付)
下・千葉ロッテマリーンズの試合さながらにナイターゲームとなった横芝敬愛vs習志野。最後まで目の離せない好ゲームでした!

(ブログ記者・鈴木丈夫)

安倍昌彦氏の語る「今年のドラフト候補10人+隠し玉」高崎健太郎(日産自動車)編

Takasaki 「BSPOD-白夜書房ポッドキャスティング-」で週2回アップされている“「流しのブルペンキャッチャー」こと安倍昌彦氏の語る「今年のドラフト候補10人+隠し玉」”。「Podcast版野球小僧」の新番組として、安倍氏がフリーコメンテーターの河田浩兒氏を聞き役にして今年のドラフト候補について語ってくれます。
 今回は社会人から高崎健太郎(日産自動車)が登場。高崎は、強豪・日産自動車で高卒2年目から台頭した本格派右腕です。日本代表選手にも選出されるなど、実力・実績ともに抜群! 安倍氏はどのようなことを語ってくれるのでしょうか?
 「Podcast版野球小僧」サイト
から、“安倍昌彦氏の語る「今年のドラフト候補+隠し玉」~高崎健太郎(日産自動車)編”をクリックしてお楽しみください。今後登場するドラフト候補については、コチラでチェックしてください。

◆安倍昌彦(あべ・まさひこ)
 宮城県出身。早大学院高~早稲田大。早稲田大2年まで捕手としてプレーし、3、4年時は早大大学院高監督を務めた。その後、会社勤務の傍ら、スカウト的アマチュア観戦を20年以上続けている。 『野球小僧No.6』から「流しのブルペンキャッチャー」として、有望選手の球を受け始め、書き綴っている。5月10日発売の『野球小僧6月号』では、注目大学生投手の岸孝之(東北学院大)と高市俊(青山学院大)をその手で受けた。また、全国を旅しながら、有望選手を探して回る「激痛! スカウティング旅情」も人気の連載。
 6月3日にはスカウト的な観戦術を伝授する「安倍昌彦のアマチュア野球観戦講座」を初開催。好評を博した。

◆河田浩兒(かわだ・こうじ)
 東京都出身。銀行員からアナウンサーへ転職した異色のフリーランス・コメンテーター。野球はもちろんのこと、アマチュアスポーツを含めれば、実況の実績は10種目を数える。
 「とにかく自分の足で取材する」をモットーとし、日本のプロ野球はもとより、堪能な英語力を生かしてメジャーリーグなど海外の野球にも精通。
 現在では、CS放送フジテレビ739にて放送中の「プロ野球ニュース」などで活躍中。
 『野球小僧』では、過去トークライブなどで司会をお願いするなど、イベント開催には無くてはならない存在。
 昨年収録した「炎のストップウォッチャーに聞く」では、キビタキビオ氏のストップウォッチャー裏話を聞き出すことに成功。

★Podcast版野球小僧(過去の“安倍昌彦氏の語る「今年のドラフト候補10人+隠し玉”はココでチェック!)
http://pod.byakuya-shobo.co.jp/kozo/

★BSPOD-白夜書房ポッドキャスティング-
http://pod.byakuya-shobo.co.jp/

★流しのブルペンキャッチャー・安倍昌彦氏の語る「今年のドラフト候補+隠し玉」近日配信!(5月5日付)
http://kozo.boxerblog.com/kozo/2006/05/10_5be3.html

(編集部・音声配信班)

2006-07-25

ファームレポート~フレッシュオールスター編

Photo_7

 7月20日に東京ドームで、フレッシュオールスターが行われました。
 21日に谷上史朗氏による岡田貴弘選手の詳しいレポートを掲載しましたが、今回は試合全体の模様についてお伝えいたします。

※岡田選手の詳細につきましては「ナニワのゴジラ奮闘記-第12回-」をご覧ください

▼フレッシュオールスターMVP男は将来1軍確定?
 昨年、東北楽天ゴールデンイーグルスが新規参入したことで、イースタン7球団とウエスタン5球団に分かれている現在のファームのリーグ。フレッシュオールスターもそれにより、昨年からセ・リーグ選抜とパ・リーグ選抜に分かれて行われています。
 この試合で過去にMVPを受賞した選手の名を挙げると、92年のイチロー(当時は鈴木一朗)をはじめ、近年では、里崎智也(ロッテ)、藤本敦士(阪神)、今江敏晃(ロッテ)、青木宣親(ヤクルト)など、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。そのため、「フレッシュオールスターのMVP男は、近い将来必ず1軍でも活躍する」というジンクスになっているほどです。
 そんな逸話もあってか、平日の木曜日にも関わらず、15時20分の開門時間にはすでに大勢の野球ファンが詰めかけていました。

Arai_1▼練習中に目立っていたのは…
 試合開始前、ドーム内を散策していると、スタンドインを連発し、気持ち良さそうにカッ飛ばしている1人の選手が目に飛び込んできました。その選手とは、中日の新井良太選手。昨秋の大学・社会人ドラフト4巡目で、中日に指名された駒澤大出身の選手です。
 ご存じの方も多いかと思いますが、兄は昨年のセリーグ本塁打王・新井貴浩選手(広島)。兄譲りの飛距離は、他の選手と比べても群を抜いていました。スタンドに入りそうになると、笛を吹いて観客に知らせる係員のお兄さんも、新井選手の打撃練習中には目の色を変えて笛を吹き続けていました。
 そして、練習やファンサービス(サインボールを観客席に投げ込んでくれました)を楽しんでいたら、あっという間に試合開始の時間になりました。

▼試合はセ・リーグ選抜が快勝! 
 試合は、初回にいきなりセ・リーグ選抜がパ・リーグ選抜・先発の古谷拓哉投手(ロッテ)をとらえ、中村一生選手(中日)の2ラン本塁打などで4点を先制。さらに3回に中村選手のこの日3打点目となるレフト前タイムリーで1点を加えると、4、6回には、共に脇谷亮太選手(巨人)のタイムリーで1点と2点を加点。8対4でパ・リーグ選抜に快勝しました。
 敗れたパ・リーグ選抜は7回、谷上氏のレポートで紹介した岡田貴弘選手(サーパス)のライトスタンドに放った本塁打などで見せ場を作ったものの、あと1歩およびませんでした。

▼栄えあるMVPは飯原誉士選手の手に!
Iihara そして注目のMVPは、東京ヤクルトスワローズのルーキー・飯原誉士選手が獲得しました。
 この日の飯原選手は、1番バッターとして4安打をマークした打撃に加えて、守備でも3回にサードへの返球で観客をどよめかせる程の強肩を披露。会場にいる誰もが納得の受賞でした。
 試合後のインタビューでは、一昨年に同じく4安打を放ちMVPに輝いたチームの先輩、青木宣親選手から「狙ってこいと言われました」と笑顔で語ってくれました。
 その青木選手、フレッシュオールスターの翌日に神宮球場で行われた1軍のオールスター第1戦で見事にMVPを獲得。また、宮崎サンマリンスタジアムで行われたオールスター第2戦では、やはりフレッシュオールスターでMVP獲得経験のある藤本敦士選手(阪神)がMVPに。走攻守の潜在能力は過去のどの受賞者と比べてもひけをとらない飯原選手のこれからにも大注目です。

◎試合結果
7月20日 フレッシュオールスターゲーム(東京ドーム)

【投手】
セ・リーグ選抜○8対4●パ・リーグ選抜

セ・リーグ選抜:山口(湘南)-高宮(湘南)-佐藤(広島)-高木(ヤクルト)-吉見(中日)-玉置(阪神)-福田(巨人)
パ・リーグ選抜:古谷(ロッテ)-金子(サーパス)-松村(サーパス)-松崎(楽天)-金森(日ハム)-西山(ソフトバンク)-松永(インボイス)

【本塁打】
中村(中日)・岡田(サーパス)

<受賞選手>
★最優秀選手賞(MVP)
飯原誉士(ヤクルト)

★優秀選手賞
中村一生(中日)、脇谷亮太(巨人)、松崎伸吾(楽天)、岡田貴弘(サーパス)

<写真>
上・試合前、もっとも目立っていた新井良太選手(中日)
下・4安打の活躍でMVPを受賞した飯原誉士選手(ヤクルト)

(編集部・保泉)

2006-07-24

甲子園予選レポート~22日埼玉3回戦・聖望学園vs富士見

 各地で、代表校が決まり始めました。埼玉大会は、24日までに4日が雨で流れ、これからは連戦続きの死闘が繰り広げられることになりそうです。逸材ぶりを毎試合のように見せる増渕竜義投手擁する鷲宮や、惜しくも敗退してしまいましたが、木村文和投手が投打の柱として牽引した埼玉栄など、今年の埼玉大会は例年以上に魅力的なチームが目立ちます。
 今回は、22日に県営大宮公園球場で行われた聖望学園vs富士見の試合をレポートします。着実に勝利を収めてきた両校の試合はどんな展開になったのでしょうか?

Hashimoto_1 ▼両チームともに本来の実力は発揮できず
 聖望学園の先発は橋本勇投手(3年)。しなる腕から、140キロにも達する真っすぐと、キレのあるスライダーが武器です。対する富士見の先発は樋口裕史投手(3年)は左スリークオーターからの快速球が魅力。両投手とも『野球小僧8月号』の「ドラフト候補&有望選手リスト」に掲載されている好投手同士。しかも、聖望学園と富士見は頻繁に練習試合を行うこともある関係ということで、手の内はお互いわかっているだけに実力伯仲のガチンコ勝負に期待が高まります。
 しかし、両投手ともこの日の調子はイマイチ。「雨で待たされてだらけてしまった」と試合後に橋本投手が語ったように、橋本投手は真っすぐが高く、スライダーも曲がらない状態。樋口投手も、9回を投げ8安打7四球と万全の調子ではありませんでした。

 試合は両チームとも毎回のように走者を出しながら3回までは0点。4回に聖望学園が斉木章太選手(3年)のタイムリーで1点を先制したものの、その裏に富士見も1点を奪い同点に。しかし、聖望学園は5回に1点を勝ち越すと、7回、9回にも1点ずつを奪い、4対1で勝利しました。蒸し暑い陽気の中、2時間40分にも及ぶ試合。選手たち、応援席の観客にも疲れを感じさせる試合となりました。
 試合後、9回を4安打1失点ながら、序盤は毎回のように走者を背負う苦しい展開となった橋本投手は、「疲れはありませんでしたが、フォームがまだ固まりません…」と苦笑い。3つのエラーが重なり、スクイズで得点を許した4回に関しては「エラーで動揺して、切り替えができなかった」と振り返りました。ただ、負けられない勝負に勝利したためか、インタビューに答える表情は終始明るく、饒舌だったのが印象的でした。

Kubo ▼久保一等選手の結果は?
 注目の聖望学園・久保一等選手(3年)はサードで出場。打席に入ったときに見せる、右手を高くあげて、左手でバットを回す動きが様になっていて、大物の匂いを漂わせます。この日は4打数1安打でしたが、四球で出塁した5回には勝ち越しのホームを踏みました。
 守備では、3回に打球を弾くエラー。その回の終了後には、ベンチから「エラーした後にはすぐに切り替えて、盛り上げろ! 反省は後だ!」と怒鳴られる姿も。他のエラーした選手への叱責の声は聞こえてこなかっただけに、主将として求められているものの大きさを感じました。

 聖望学園の次戦は雨天順延のため、25日に市営大宮球場で武南と行われます。この日は残塁12と打線がつながらなかった聖望学園。また、橋本投手も不調だっただけに、次はどんな試合を見せてくれるのか要注目です!

◎試合結果
7月22日 埼玉大会3回戦(県立大宮公園球場)
聖望学園○4対1●富士見

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<写真>
上・柔らかい腕の動きが魅力の橋本勇投手(聖望学園)
下・打席での動きにスター性を感じさせる久保一等選手(聖望学園)

(編集部・新井)

2006-07-23

『野球小僧』CMソング大全<第35回/投手板>

 野球に絡む森羅万象を勝手に宣伝してしまおう! というノリではじまった『野球小僧』CMソング大全

 今回は1ヵ月ぶりに登場の「野球に欠かせないモノ」編。投手には欠かせない、投手板です。来る日も来る日も投手に踏まれ続け、蹴られ続ける投手板。英語ではピッチャーズプレート。さりげないようで、数々のプレーにかかわり、ドラマを生み出してきた投手板をmaruseさんはどのようにアレンジしたのでしょうか?

 みなさんも、maruseさんが誘う異世界のサウンドandイラストを堪能して下さい。

 このコーナーは原則として毎週日曜日に更新していきます。
(注:来週7月30日はお休みとさせていただきます。次回は8月6日です)
 今後、どのような作品が登場するのでしょうか? お楽しみに。

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『野球小僧』CMソング大全<第35回/投手板>

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 さて、今回は「野球に欠かせないモノ」シリーズ、「投手板」です。マウンドになにげなくある白い板ですが、投球、牽制するときなど、この板をめぐる色々なルールがあり、意外と厄介な存在!?
 そんな、地味だけどピッチャーなら忘れてはならない、投手板のCMソングです。Tousyuban
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★投手板  cm_tousyuban.mp3<0.6MB>をダウンロード
作詞 作曲 編曲 maruse
(制作 speedy & frozen factory)

マウンドに埋め込まれた
たかが板 されど板
ラララララ ラララララ
しっかりと踏みしめて

投げる時は忘れないで
忘れる時は投げないで
投球の基本
あなどれない白い板

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<作曲のツボby maruse>
 な~んとなく、ピッチャーの足元で静かに運命を握っているような感じを、バロック風で表現してみました。

◆maruseプロフィール
バイオリニスト・作編曲家・イラストレ-タ-
 バイオリニストとして様々なアーティストのライブやレコーディングに参加。
 同時に作編曲家としてTV CM、ゲームなどの音楽を手掛ける。更にはイラストレーターとして雑誌、ポスター、Tシャツのデザインなどに携わる。

For more info.
http://www007.upp.so-net.ne.jp/marusemania/
(maruse オフィシャルサイト)

http://speedyfrozen.com
(このコーナーの曲の制作をやっている"sppeedy & frozen factory"のサイト)

http://www.yoshmore.com/swanson_records_index.html
(maruseが参加するインディーズレーベル"SWANSON records"の作品集の紹介サイト)

※来週7月30日はこのコーナーをお休みとさせていただきます。次回は8月6日です

(編集部・音楽班)

2006-07-22

甲子園予選レポート~20日東東京3回戦・芝浦工大高vs駒場学園

 雨で日程がずれることが多く、調整が難しくなっている今大会。そんな中、140キロ右腕・山崎雄飛投手(芝浦工大高)が20日、神宮球場で行われた東東京大会3回戦・対駒場学園戦に登板しました。駒場学園は、那須野巧投手(横浜ベイスターズ)の出身校として知られる高校。注目の対決は、1点を争う好ゲームとなりました。

Yamazaki_1 ▼豪腕vs2年生エースの対決を制したのは…?
 序盤は両チームともゼロ行進が続きましたが、駒場学園は5回2死から北川陸士選手(3年)小山忠宏選手(3年)の連続二塁打で1点を先制。投げては先発・真下裕平投手(2年)は芝浦工大高打線を散発の2安打に抑えこみ、0対1で駒場学園が試合を制しました。
 短すぎる夏を終えた山崎投手ですが、ダイナミックなフォームから投げ込まれる力のある直球と、横から見ているとベルト付近からバウンドしてしまうくらいまでかなり大きく曲がり落ちていた変化球(おそらく縦スラだと思うのですが)で6者連続奪三振を奪う場面も。そのピッチングは大器の片鱗を大いに感じさせてくれるものでした。
 山崎投手との投げ合いを制した駒場学園の左腕・真下投手は、まだ2年生。あどけない表情と線の細さが、どこか頼りなく見せますが、マウンドに上るとその印象が一変しました。ボールが見づらそうなフォームから、伸びのある直球を中心に攻める姿は強気そのもの。この日は総アウト数の6~7割を詰まったフライが占め、最後まで芝浦工大高打線に自分のバッティングをさせませんでした。今大会の活躍はもちろんのこと、まだ2年生なのでこれからの成長が楽しみです。

▼駒場学園の次戦は‥
Mashita 勝った駒場学園の次戦は小山台。小山台は今年6月にエレベーター事故で亡くなった市川大輔君のためにと一致団結し、快進撃を続けているチームです。同日に都営駒沢球場で行われた試合では、第2シードの東海大高輪台を3対1で下すという波乱を演出。駒場学園の選手も、「次は東海大高輪台だ!」と試合後に話していただけに、まさかの結果をどう見ているのでしょうか? 
 勢いにのるチーム同士の対決となった東東京大会4回戦・駒場学園対小山台は24日、神宮第二球場にて10時から行われます。みなさんもぜひ球場に足を運んでみてください。

◎試合結果
7月20日 東東京大会3回戦(神宮球場)
駒場学園○1対0●芝浦工大高

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上・力強い投球を披露するも、敗れた山崎雄飛投手(芝浦工大高)
下・完封した2年生エース・真下裕平投手(駒場学園)
(編集部・保泉)

甲子園予選レポート~13日福岡2回戦

 九州地方の夏の甲子園予選は、沖縄が八重山商工の優勝、鹿児島も鹿児島工の初出場が決まるなど佳境を迎えています。少し前になってしまいましたが、九州屈指の好右腕を見るために福岡へ行ってきましたので、遅ればせながら13日に行なわれた西日本短大付vs柳川を中心にレポートします!

▼西日本短大付・狩浦卓投手、2回戦で散る!
Kariura_2  全国有数の激戦区である福岡では、一昨年の夏の優勝校である西日本短大付と昨夏の優勝校・柳川が南部大会2回戦で早くも激突。強豪校同士らしい1点を争う緊迫したゲーム展開になりました。
 西日本短大付の先発は狩浦卓投手(3年)。昨夏からエースとして活躍してきた大型右腕で、その実力は福岡県内では福大大濠・大石達也投手(3年)と双璧と見られています。この日も140キロ前後のストレートと2種類のスライダーを低めに集め、柳川打線を5安打10奪三振1失点に封じました。
 見事だったのが、ステップする足が地面に着いてから、腰より上がググーッと打者方向に迫っていく体重移動。打者は圧倒され、なおかつタイミングも取りにくそうでした。これだけ全身をしっかり使うフォームなのに最終回まで一糸乱れることなく、高校生の本格派投手には珍しい無四球完投を成し遂げました。
 ところが、西日本短大付打線は柳川・高橋祐一投手(3年)の気迫のこもった投球の前に無得点に終わり、まさかの2回戦敗退。試合後、西日本短大付の西村慎太郎監督に直撃すると、悔しい惜敗後にも関わらず狩浦投手について語ってくれました。
「狩浦は力を出し切ったと思います。昨年の夏場以降、『上から投げ下ろそう』という意識が強くなりすぎたせいか調子を一時的に落としましたが、春先あたりから取り戻してきました。入学当初はここまでのレベルになるとは思っていなかったのに、スライダーで空振りを狙って取れるようになるなど、よくここまで成長しました。これからまだ体も大きくなるでしょうし、伸びる要素は大いにあると思います」
 残念ながら今年、全国の舞台で狩浦投手を見ることは叶わなくなってしまいましたが、この日のピッチングを見る限り、次のステージで脚光を浴びる日も遠くはなさそうです。これからも狩浦投手に注目してみてください!

 また、この試合の前に行われた第2試合では好投手・楠原弘晃投手(3年)を擁する久留米商山門を10対1(7回コールド)で下しました。

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Kusuhara ◎試合結果
7月13日 福岡南部大会2回戦(久留米市球場)
久留米商○10対1●山門(7回コールド)
柳川○1対0●西日本短大付

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上・抜群の制球力で安定したピッチングを見せた狩浦卓投手(西日本短大付3年)
中・九州の旅の友「SUNQパス」。編集部員が購入したのは宮崎、鹿児島を除く北部5県のバスが6000円で3日間乗り放題になるもの
下・高い総合力が魅力の楠原弘晃投手(久留米商3年)。この日は3回5安打0奪三振1失点と不調も、2日後の3回戦では立て直し、4安打完封の快投を見せた

(編集部・菊地)

2006-07-21

谷上史朗レポート ナニワのゴジラ奮闘記-第12回-

Scoreboard_1  シリーズとして連載中のオリックス・バファローズ岡田貴弘選手レポート。今回は12回目です。

 昨年、高校生ドラフトでオリックス1位指名を受け入団した「ナニワのゴジラ」こと岡田貴弘選手。プロ1年目の奮闘ぶりを、履正社高校(大阪)の下級生時代から取材し続けてきたライターの谷上史朗氏がお届けします。
 高校時代、その風貌やスケールの大きな打撃がヤンキース松井秀喜選手を彷彿とさせることから「ナニワのゴジラ」という呼び名がついた岡田選手。
 今回はフレッシュオールスターで一発を放ち、優秀賞を受賞した記念として、その時の岡田選手のプレーぶりを普段よりも文字量を増量して詳細にお届けします。

フレッシュオールスターに密着
 前回予告した通り、20日に東京ドームで行われたフレッシュオールスターを観戦してきた。
 そして、そこで飛び出した岡田の一発を見てきた。
 久しぶりにスタンドで興奮した。
 これまで、この欄でも過去にここからスターダムへと上っていったオリックスの先輩、イチローや藤井康雄コーチの話を書いてきたが、見事にそこへ続いた。大舞台で打つという“星”は一流選手になるには絶対に必要なもの。単に1本のホームランというだけでなく、岡田の確かな未来を予感させる一発でもあった。

 当日を振り返ってみる。15時過ぎに東京ドームへ到着すると、ちょうどパ・リーグのバッティング練習が行われていた。
 そして、間もなく岡田がベンチから登場。ソフトバンクの2年目、城所龍磨と組んでティーバッティングからフリーバッティングへと流れていく。すると5本1セットで回して打っていた3回目にライトスタンド中段へ一発。まともに当たれば打球が違うし、改めて高卒1年目の当たりじゃない。
 ベンチ前へ戻ってきた岡田に新聞記者が集まる。「結構、緊張してます」「自分の力をアピールしたい」「サーパスの代表として頑張りたいです」その輪が解けかかったところで岡田をつかまえ、話を聞いてみた。

Kidokoro_and_okada城所(ソフトバンク)と打撃練習中に話をする岡田

谷上 バッティング練習の時、ゲージのうしろで秋山さん(幸二・ソフトバンク2軍監督)が外野方向を指差して何か話しかけていたけど?
岡田 松井さん(秀喜・ヤンキース)はスタンドの上にある看板にバンバン当ててたって言われたんです
谷上 前半戦の最後は(僕は)見られなかったけど、最近の感じはどうだった?
岡田 ちょっと落ちて、また戻ってきて。でも、形は悪くないし、いい感じが続いてます
谷上 東京ドームは初めてやけど試合前に打った感触は?
岡田 やっぱりよく飛ぶ感じはします
谷上 見てると一発出そうな気がするけど?
岡田 (ニヤッとして)芯に当たっていい角度で飛んでいけば…、ハイ

秋山が指差していた右中間のスタンド上には長嶋茂雄が微笑むセコムの看板があった。

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