ハリケンのウエスタン春季教育リーグレポート in 鳴尾浜
絶好の野球観戦日和の中、ウエスタンリーグ春季教育リーグへ
家を出た途端「うわー春だよ~」とつぶやいてしまうほどの陽気に包まれた7日の関西地方。ウエスタンリーグ春季教育リーグ、阪神対広島の一戦を観戦すべく、鳴尾浜球場へ行ってまいりました。
一軍の本拠地甲子園球場では、阪神対日本ハムのオープン戦がこの試合とほぼ同じ時間帯に開催されるため、「お客さんはみんな甲子園の方にいってるんだろうな」と予想するも、数百席あるスタンドが7割ほど埋まるなかなかの盛況ぶり。いくら入場無料とはいえ、「ほんとに今日って平日!?」と思ってしまうほどの活気でした。 阪神は筒井和也、中村泰広、渡辺亮、牧野塁、玉置隆、広島は玉山健太、梅津智弘、森跳二、田中敬人の投手リレー。両軍の投手陣ともに相手打線をわずか3安打に封じ込める投手戦は、1対1のドロー(7回打ち切り)という結果となりました。
広島は走る勇気を植えつけることを徹底!
広島の中で真っ先に目についたのは、高校通算64本、50メートル5秒8、遠投120メートルというすさまじいポテンシャルを備えたルーキー・鈴木将光選手。この日は1番DHで出場。3打数ノーヒットながらも、高校を卒業したばかりとは思えない威風堂々としたオーラに思わず釘付けになりました。
「プロの投手のスピードに戸惑ってないように見えますけど?」
と問いかけると、
「スピードには慣れました。スピードは大丈夫です」
ときっぱり答えてくれました。
しかしその直後
「でも…やっぱりプロはキレがすごいです。ストレートも変化球も…」
とはにかんだ18歳らしい表情も。将来のスターの今後の成長ぶりが実に楽しみです。
また、先発マスクを被った3年目の白濱裕太捕手の体が随分と大きくなっていたのにもビックリ。昨年秋にインタビューした際は
「高校のときは73キロで今78キロ。あと2キロ欲しいんです!」
と語っていましたが、念願の80キロはクリアしてるのでは? 素晴らしいボールの回転をともなった正確なスローイングには年々磨きがかかり、今季はファームの正妻候補。倉義和、石原慶幸選手ら一軍捕手陣をおびやかす日もそう遠くなさそうです。
広島はこの試合、4盗塁をマークして失敗はナシ。左ひざを少しセカンドベース側へ向ける、広島流のリードから積極的に前の塁を奪っていく姿勢は本当に徹底されています。広島のファーム首脳陣は常々「盗塁の極意なんて、実戦でどんどん走ってこそ身につくもの。ファームでは失敗を恐れずどんどん走ればいい。じゃないと一軍で走れる勇気は身につかない。ファームでは走らないほうが怒りますよ!」と言っていましたが、その思いがしっかりと選手全員に浸透していることを改めて実感しました。
年々成長を遂げる選手たちに心の中で拍手
一方の阪神は、背番号66のルーキー・前田大和選手が2番遊撃で出場。ヒットこそ出ませんでしたが、3度あった守備機会を俊敏な動きでこなす姿に「本当に高卒ルーキー!?」と再び感嘆のため息。
また、日本生命から入団した社会人出身ルーキーの渡辺亮投手も1イニングを3人でピシャリと抑え、圧巻の投球。スタンドのファンからは「体は小さいけど、球速いなぁ~!」の声も聞かれました。渡辺投手は確かに身長175センチと、プロのピッチャーでは小さい部類ですが、社会人時代に最速151キロをマークするなど、切れ味抜群のストレートでグイグイと押していく姿には「小さな大投手」の予感がします。
野手陣では、キャンプ中盤に「右足背部蜂窩織炎」を起こし、リタイアしてしまった昨年のウエスタンの首位打者&盗塁王の赤松真人選手が3番センターで出場し、完全復活をアピールしていました。そして、4番・桜井広大選手も持ち前の豪打だけでなく、課題の守備面で美技を披露すると、「ポスト矢野」候補の一人、狩野恵輔捕手もライト線への技ありの先制ツーベース。ヤング虎戦士たちの着実な成長ぶりを目の当たりにし、「みんな1年ごとに課題をクリアしてるよなぁ~!」と心の中で拍手を送りました。
試合は終わっても練習は終わらない…鉄は熱いうちに打て!
試合後、ベンチ前での反省会が終わるや、さきほどまで試合が行われていたグラウンドはたちまち練習場に早変わりしました。ピッチャーは走りこみ、ノック、野手はシートバッティング、守備練習、ロングティーなどを行うなど、まさに「鉄は熱いうちに打て!」の様相。「ビジターの広島くらいは、すぐにバスに乗り込むのかな?」と思いきや、広島の選手は外野の一角で選手全員による腹筋等の基礎トレーニングを開始。以前、あるファームの選手が「筋力がないと、頭でやろうとしてることが実践できない。体力がないから技術が身につかないケースも多々あるんです」と語っていたのを思い出しました。裏を返せば、ヤング戦士たちは筋力が強化されるほどに、並行して技術もぐんぐん身についている時期なのかもしれないですね。
3月に入り、日の入りは随分と遅くなりましたが、太陽の下で彼らが精進できる時間はこれからまだまだ増えていきます。へとへとになりながらロングティーを30分以上続けていた阪神・狩野恵輔捕手。自らを鼓舞する「おーりゃ~!!」という大声が打球音とともに夕暮れの鳴尾浜にこだましていました。
<写真>
上・高校生ルーキーとは思えないほど体ができていた鈴木将光選手
中上・広島は積極果敢に走る走る(走者は天谷宗一郎選手)
中下・ビジターの広島も外野でトレーニング
下・居残りロングティに明け暮れる狩野恵輔捕手
★日本野球機構公式サイト(春季教育リーグの詳しい日程が確認できます)
http://www.npb.or.jp/
(文・服部健太郎)

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